腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



雨がシトシト降る連休中日の大阪。

結局梅雨はまだ明けていないようでして。

今年は早く開けるんじゃなかったっけ?


カンカン照りの灼熱地獄は当然キツイが、湿度が高いのも相当キツイ。

天高く馬肥ゆる秋が待ち遠しい。



トルコで軍事クーデターが勃発。

市民を含む大勢の人が犠牲になった。


テロ、クーデター...

世界はどうなるんだろう?


小学生の頃、『ザ・ベストテン』や『夜のヒットスタジオ』等で庄野真代さんが歌っていたのを思い出す。

♪おいでイスタンブール 恨まないのがルール
だから愛したことも ひと踊り風の藻屑

飛んでイスタンブール 光る砂漠でロール
夜だけのパラダイス

幼心にイスタンブールへの憧れが芽生えた。


店主が23歳の夏、当時台湾に住んでいたが、どうしても西洋と東洋が交差する魅惑の街に行ってみたくて、いつもお世話になっていた香港のチムサーチョイの路地を入った雑居ビルの一室に居を構えるウサン臭さ全開のトラベルエージェンシー(ラッキースター旅行社だったと記憶している)のオバチャンにイスタンブール行きのチケットの手配をお願いした。

その頃の東南アジア旅行というと、とりあえず航空券だけを買って、宿泊先などは行った先で適当に決めるというスタイルだった。

何なら往復のチケットの帰り便はオープンにしてもらうこともよくあったし、更に航空機の座席の予約さえ入れず、当日空港に行って空席を探したり、キャンセル待ちで空港に寝泊まりするなんてこともあった。

若いということは素晴らしい。

40過ぎてからですよ、ちゃんと往復の座席や宿泊先の予約を入れるようになったのは。


イスタンブール行きが間近に迫り、そろそろ旅行代理店にもチケット代を振り込まなければいけないなと思っていたら、その代理店のオバチャンから電話が掛かってきた。

オバチャン「Mr.YOSHIDA、申し訳ないけどイスタンブールはキャンセルさせてちょうだい」

店主「え!? 何故!? チケット代はこれからキッチリ払いますよ!」

オバチャン「いいえ、お金の事じゃないわ」

店主「じゃあ、どうしてキャンセルに?」

オバチャン「湾岸戦争よ。トルコ国内の国際空港が連合軍の拠点になるらしいから、とりあえず行くことは行けるけど、無事に生きて帰れる保証はできないの。それでも行く?」

!!

店主「キャンセルしてください」


もう二度とイスタンブールに行く機会は訪れないのか...


では、修理品のご紹介。
こちら↓
SEIKO 5アクタス Ref.6106-8690 自動巻き

大阪府和泉市在住のI様所有。
分解掃除、テンプ調整、バネ棒2本交換、パッキン交換、防水検査(日常)、ブレスピン交換を行いました。

SEIKOの自動巻きモデル、5アクタスです。
エメラルドグリーンの文字盤にカットガラスが印象的な一本。
I様大事にお使いくださいませ。


ラッキースター旅行社は恐らくもうないと思われる腕時計修理専門店トゥールビヨン店主

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