趣味の切手

ヒゲ達の小学生時代は、まだまだ終戦の跡を引きずっていました。
少年は、使用済みの外国切手を手に入れると、一心に眺めて楽しんだものです。

　　　　

物資は乏しく図鑑などまだ少ない頃ですので、外国の見知らぬ動物や風景は、
その切手を通してだけ知ることが出来ました。
原色で彩られた貴重なヴィジュアル物だったのです。

そんな純粋な楽しみ方が、やがて切手シートの登場で変わって行きました。
それ迄は、記念切手を一枚ずつ手に入れて、切手カタログで値上がりを楽しみに
していた少年達。
子供達にしてみれば、コレが人生初の利殖ゴトでした。　（笑）

　　　　　　

ところが、郵政局のはかりごとでしょうか？
切手シートだけ、異常に早く値段が上がる様になったのです。
すると、次に起きたのは、何だと思いますか？
コレを手に入れる為に、発売日には郵便局に人々が並ぶ様に。
もちろん、職場や学校は、サボタージュしてです。
しかも、趣味の域の１～２枚ではありません。
ガバーッと、切手シートを大人買いです。
すぐ値段が上がるから、転売して儲けると云う塩梅でした。
こうして皆が利殖に走る様になり、やがて切手趣味は衰退して逝ったのです。
郵政局が利益を求める為、切手シートの乱発（！）に走った挙げ句のファン離れ。
金の卵を産む鶏を切り開いた故事が思い出されますネ。
まるで今、政府がインフレの為、福沢諭吉を刷りまくってばら撒いているのに似てますが。

　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　《　ヒゲの最古参の切手帳　》

つい最近、週刊誌を開けてみたら、趣味の切手の話が出ていた。
使用済み切手の味わい方　～　フーム、なるほど。　色々あるな～
そして、こういう見方もあるとして、アル切手が示してありました。
あれっ？　　この切手はウチに在るンじゃあないの？
小学校時代の、微細な記憶が湧いてきて　・・・・・
探してみたら、ありました！
右の写真が実物です。　　　　　　
何とまあ、昔の記憶でしょうか？
図柄の構図が、実に大胆で面白い！
大仏さんと、上を飛ぶ飛行機。　そして、彼方の富士山！

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