ヒゲの婚活～出会い

父親から、１０年先のスケジュールを言い渡された高校生ヒゲ。
当時は、一人息子が親の事業を継ぐのは、当たり前とされた時代です。
まあ、止むを得ないでしょう。
只、敷かれた既定のレールを、その通りに歩めばイイのです。
なんてありがたい事でしょう！？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
史上最も厳しい受験戦争時代の６８年。
勉強に追われているハズの高校生三年生のヒゲに、ある依頼が舞い込んだ。
市内高校の数学クラブで、発表会を兼ねて懇親会をする段取りです。
当時、数学クラブなんて部は、県立高校の３校だけにしかありません。
聴いただけで、難しそうな堅苦しいイメージのクラブですもの。
ヒゲは、受け入れ校のホスト役になったんです。
そして、その日が来ました。

発表会終了後の懇親会は、百人一首のかるた等交えての和やかムードに。
暫くの後、ヒゲを、手招きするグループが見えました。
近寄ると、何やら碁石が在って、ゲームみたいです。
　　　　　　　　　　　　　
しかも、その中心に居るのは女性。
周りいる男性達は、しょぼくれているような？
その女性は、他校の女部長。
おとなしい顔して、ゲームを演ろうとヒゲを煽っているのです。
ムカつきました。（笑）

当時もう既に、日本タイトルを云々するところまで行っていたヒゲ。
その俺様に、ゲームで挑戦するだと～？　（怒）
しかも、相手は女子高校生。
大人がかかって来ても相手にならないのに！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
しかし、ムカついても怒ることはありませんでした。
なにしろ、相手の部長は、ヒゲ高校生の好みのタイプだったからです。（笑）
そうそう、挑まれて断るようなヒゲではありません。
と云うより、嬉しくて、にやけながら椅子に座ったのです。
そして、相手（？）は、机の上に碁石を置いて、説明を始めた。
　　　　　　　　　　　
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～～～　　つづく　　～～～
　　　　　　　　　　
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