田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

羽生名人、王位戦に負けて五冠王を逃がす

2008-09-28 17:40:22 | ヒゲの盤上の世界
大山名人が五冠王の時でした。
ヒゲは、予備校入学前に、ひとつ 『 やり残した 』 事を果たしに、南熊本に向かいました。
その男は、将棋前田道場に居るはずだ。
当時、熊日新聞で 『 熊本県、初のプロ棋士か! 』 と騒がれている前田裕司君だ。
大人相手に、バッタバッタとなぎ倒して居りました。

「 ハイ、次! 」 ヒゲの番です。 「 先生、御願いします。 」
前田 「 ウム 」
戦型は、当時の最新名人戦 『 大山VS山田 』 をなぞっていきました。
ヒゲ “ ・・・ホォーッ、さすがプロを目指すだけあるたい。最新定跡は知っとるたい・・・ ”
しかし、そこまででした。

前田 「 もう、いっちょう ( 一局)! 」
先程までの早指しは、影を潜めました。
再び同じ戦型をたどります。 しかし、変化手順には、まるで対応出来ません。
その当時の熊本県では、定跡の上っつらだけ覚えておけば充分。
変化手順の必要な相手など、誰もいる筈はなかったのですが・・・?

ヒゲが立ち上がろうとすると、 前田 「 ま、待て! もう、いっちょう。 」
ヒゲに、断る理由(ワケ)などあるハズもなく・・・。
前田君は、今度は一手一手慎重に進めました。
顔は、もう茹でダコ並みに 『 真っ赤 』 になっていました。

前田 “ ・・・こ、こっ、これは何だ? 大人の有段者さえ相手にならないこの俺が、
      この名もない薄汚れた高校生に3タテくらうとは!!・・・ ” と思ったか?
ヒゲ  「 どうも、有難うございました。 」 と席を立ちました。
道場の帰り途、
ヒゲ “ ・・・ 前田君、覚えときいや。
        市井には、家の事情でプロ棋士になれないものも居るとよ。
        もっと、大事に将棋を指してね! ・・・ ”

          そして、時は流れ
                  前田裕司君は、A級八段に登り、
                        ヒゲは、大酒飲み八段になった。
         
           
               《 当時、ヒゲ愛用の駒と女房手作りの駒袋 》

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