東北地方では 雪解けが始まると山に分け入って山菜取りに出かけ 日々のお惣菜になるようだ。
私も野山で山菜を摘んで食卓に載せるのが大好きだ。2月になると 我が家の庭の隅で蕗の薹が頭をもたげてくる。 わずかな株数なのでとてもそれを採る気にはならないが 春一番の使者のような気がする。2月も終わるころ 早春の花に会いに山麓を歩くとあちこちで蕗の薹が出ている。まだ出たばかりの蕗の薹は形もよく少しもらって帰る。ヨモギもやっと芽を出してきた。これらを天ぷらにするのだがとてもおいしい。 今年も我が家に集まった人たちに フキノトウの揚げたての天ぷらを出したら「おいしい」と喜んでくれた。 「うちの庭にも生えてるけれど食べたことがなかった。」とのこと。3月に入ると 近くの土手などでにょこにょこと生えてくるので少し頂く。ヨモギの新芽も天ぷらにおいしい。
次に出てくるのが土筆の坊や。これは子供のころから友達と土筆摘みに行くのが楽しみでした。まだ住宅の近くに野原が残る小さな町に住んでいましたが なぜか電車の線路わきにたくさん生えるので 小さな子供たち4,5人で線路に沿ってずーっと歩いて 所々にある小さな鉄橋は 電車の来ないのを見計らって枕木の上を渡ります。スリル満点。今の親たちが見たら「危ない」と目を回すことでしょう。土筆は袴を取るのが面倒ですが 今年も油炒めにしておいしく頂きました。
こごみは 全国に生えるそうだが この辺りではあまり見かけない。以前知り合いが 大和郡山で地元の人にもらったのを山間の貸農園に植えたら増えすぎて、、、と言って株を分けてくださった。 我が家でも毎年4月に入ると伸びてきて楽しませてくれる。くるりんと巻いた新芽がかわいい。これは私の特にお気に入り。 東北地方の宿では 供されることが多い春の味。 天婦羅のほか おひたしの胡麻和えがおいしい。
最近 わらび取りには行かなくなった というより 昔のようにわらびに出会うことがほとんどなくなった。 岩湧山頂にはたくさん生えることが知られているが そこまで行く元気がなくなった。 大勢の人がわらび取りを楽しむに反し あまり採取されないのが ゼンマイだ。 わらびに先駆けて 湿った渓流沿いでは 綿をかぶったゼンマイが元気よく伸びてきている。 一株から出てくる新芽は全部摘んでしまうと枯れてしまうので 数本ずつ頂く。先日も30本ばかりもらってきて 早速あく抜きをして太陽に干す。半乾きになったところで両手でもんでまた干す。これで 1回分のビビンバが作れます。
イタドリも これからはどこにでも生え あくを抜いて油炒めにすると 大好評です。そのほか タラの芽は山菜の王様、ですが コシアブラはタラの芽よりもおいしいとも言われますね。どちらも たいてい先客が先にとってしまってなかなか手に入りません。 シオデ ウドもおいしいようですが あまりお目にかかりません。 シオデは「山に生えるアスパラ」だそうです。食べてみたいなぁ、、、
手元に 友人にもらった1冊の本があります。「山野草カラー百科」 とあります。それを見ていると 今の時期、野草の新芽は ほとんど食べれるようです。 食べる、薬になる、楽しむ など アウトドアにはいい教科書です。 しかし 野草の中に毒草もあります。それを 「間違いやすい有毒植物」として付録のパンフレットになっています。 身近な有毒植物は キツネノボタン、キケマン、ムラサキケマン、ハシリドコロ、ドクゼリ、シキミ、ツルシキミ、レンゲツツジ、アセビ、トリカブト、レイジンソウ、センニンソウ、ノウルシ、トウダイグサ、サワギキョウ、チョウセンアサガオ などは決して口にしないように。