スーパーアスリートの報酬
クリスティアノ・ロナルド。ポルトガル代表。2008年、バロンドール(世界最優秀選手)とFIFA年間最優秀選手のダブル受賞に選ばれました。この2冠に最近輝いた選手に、ブラジルのロナウジーニョがいます。
この二人に限らずスーパーアスリートに共通するのは、その才能によって一族の「小王国」を築いたということです。貧しい家に生まれながら、類まれな才能と努力により、一般人には眼もくらむような巨額報酬を得ているのです。仮に30歳で引退しても、特別贅沢せずにごく世間並みの、ちょっと人より裕福な暮らしでいいなら、何もすることなく「一族小王国」を今後一生養っていけるだけの所得を稼いでいます。(日本円で年俸何十億か、何百億か、あまりに私たち庶民とは桁違いなので、憶えていません。年収567万8千912円とか、身近な金額なら1円単位まで憶えているのですが。)
ロナルドやロナウジーニョなど、超有名なサッカー選手が話題になると、親族一族・友人が、広大な土地とひとつの大きな屋敷の中で、幸せそうにいっしょに集まっている様子が、テレビで紹介されたりしています。スーパーアスリートの巨額報酬の例は、もちろんこの二人の例だけではないでしょう。たまたまテレビで紹介されたのを挙げたまでですが、特に貧しかった家庭に育ったアスリートほど、自分の才能だけで、自分が愛し自分を愛してくれている人たちとともに豊かに安心して暮らせることは、これほどの幸せはないでしょう(個人の考え方と将来の生き方は別として)。
日本の引退選手のライフプラン
ところで、26歳と29歳 ―。 何の年齢だか分かりますか? 日本のJリーグ選手とプロ野球選手の平均引退年齢だそうです。いや、カズだって40歳でもやってるし、あの中田ヒデだって30過ぎまでやっていたろう。イチローや松井だって35~36歳でも大リーグでまだやっていける・・・。
そうです、超一流選手は40歳近くまで、あるいは40歳すぎても現役でやっていけるのです。思ったより平均引退年齢が若いのは、プロの世界に入ったものの、数年たたないうちに自分の才能、実力に見切りをつけて、去って行かざるを得ない人があまりにたくさんいるということです。華やかな世界にい続ける選手は、ほんの人握りなのです。
日本のサッカー界では、いくら一流選手になったとしても、ロナルドやロナウジーニョのように、「一族小王国」を養えるだけの報酬はめったにもらえないでしょう。それに、新人選手の数年間は、普通のサラリーマンがもらう初任給より少なかったりすることもあります。だからこそ、辞めて行かざるをえないのでしょうが・・・。
引退した選手は、第二の人生のライフプランをどう考えていけばいいでしょうか。おそらく、中学・高校時代から、自分が打ち込んできたスポーツを中心に生き方を考えてきたことでしょう。ライフプランについて言えば、現役引退時点で白紙になってしまっているのではと思います。この人たちには、引退後の就職活動という実践的な指導も確かに必要でしょう。実際、Jリーグでは転職支援の専門組織(キャリアサポートセンター)ができているようです。しかし、それだけではなく、根本的なライフプランの考え方、お金の運用の仕方など、長い眼で見れば専門家(ファイナンシャル・プランナーなど)のアドバイスも必要だと思います。
無名で引退した人の中には、今も迷える人生を模索している人も少なくないのかもしれません。競技生活から、早く「普通」の人生に切り替えられればいいと思います。