春. 夏. 秋. 冬. 河童の散歩

八王子の与太郎河童、
つまづき、すべって転んで、たちあがり・・。
明日も、滑って、転んで・・。

もらい水に、ねむの木

2019-07-07 19:12:06 | Extra
 
 
真昼の決闘のゲーリークーパーがガンベルトから、
ピストルを抜いて引き金を引くまで、0.6秒だったとして、
日本のアクションスター、宍戸錠が対抗した速さは0.8秒。
男の子なら、だれでも夢中になる、拳銃ごっこ。
西部劇が好き、チャンバラ映画が好き、
昼は、暗くなるまで、まず帰らない。
夜はこっそり映画館へ。
ガキ大将で、少々問題児。

板柵の井戸から、砂を散らして湧く水が、
坂道にあった敷地を流れていた。
畑作業に行く人たちは、
水を飲み、やかんに入れ、
少しの世間話しをするのが、
息抜きになるのだと・・。


近所で奉公をしていた、

炊事の廃物を天秤棒で桶を担ぐ、
きれいな姉さんが来る。
「てるちゃん」
夏休み、一人になると、

畑仕事によく連れてってもらった。
おっとりした優しさは、
母親以上に
かあさんと思った・・。
うさぎのエサのハコベも一緒に摘んでもらった。

板柵の井戸には、トマトが胡瓜が、茄子が、
いつも冷えていた。畑帰りの人たちが、
勝手に入れていく。
サクランボが一杯の時もあった。
その井戸にかぶさるように、咲いていたのが、
「合歓」

ガキ大将が、鼓動を早くして、
しぼんでいく花をみて、
素直な心地にさせ、天秤棒を置いて傍にいた、
姉さんの手を握らせたのが、
「ねむの木」
ガキ大将、誰にも言ったことがない、
井戸を「合歓の井戸」
合歓の木を「てるちゃんの木」

淡い優しさも有ったガキ大将、10歳。
 

 
 
 
 
 
 
コメント
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