今回、抜栓したイタリアワインはカピテル クローチェ(”Capitel Croce” Veneto Bianco I.G.T.)2007です。畑はモンテ ゾッペガ区画の中、ガルガネガ100%で造られています。ソアーヴェの呼称を名乗れますが、敢えて外しています。畑の手入れから醸造まで熟すロベルト アンセルミさんはソアーヴェに対する思い入れが強過ぎる人でもあります。
イタリアの白ワインは、以前、フレッシュ感を楽しむものだ、と考えていました。ある時、5年ほどデットストックになっていたヴェルディッキオは思いの外、新しい展開を見せてくれました。そこから、熟成感を楽しめそうな銘柄を選定し、ストックを始めました。
7年間セラーにストックされたカピテル クローチェはミネラリーでミネオラ オレンジのような柑橘系の香りに藤の花、サンブーコのふっくりと厚みのある香りはとても艶やかです。シルクのベールで隠されたような奥床しい酸と苦さの凹凸を滑らかに研ぎ澄まされたほろ苦さは華やかに造り込まれています。前面に目立つような果実味はもう少し落ち着いて欲しいと思いました。