イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

甲府 酒折 甲州 バレル 2012

2013-11-19 09:43:40 | ブログ

Koshu 今回はイタリアワインではなく、山梨県の酒折 甲州 “バレル”2012です。
金柑に文旦のような危うい味と香りがあり、白い花のわずかな香りがあります。上品で爽やかな酸に桃のニュアンスのある果実味は非常に繊細です。この価格なので多くの要素は望めないにしても。しかし、構成はしっかりしています。最初はアルコールの存在感が希薄でワインかな、と思って飲み進むうちに、段々とドライブ感が出てきます。以前にも書いたような気がしますが。この繊細で危ういワインを、ヨーロッパや英語圏の人達に、理解が出来るのだろうかと思っています。甲州にある香りや味わいのフイニィシュのディテールが曖昧で、危うい部分は、私は日本的で好きなのですが。味わいの希薄なワインと捉えると悲しい気分になります。
昨日は余市ケルナー“グランポレール”を抜栓しました。このワインも1000円半ばのワインなので、多くのことは望めませんが。充分に楽しむことが出来ました。しかし、その前の日のケルナーが期待外れ、リリースされた時に感じた。3~4年後が楽しみに思われたのですが、閉じているのか、味わいが消えているのか判断に迷う状態でした。しばらくセラーに放置することに決めました。


リジーニ ブルネッロ ディ モンタルチーノ1997

2013-11-12 08:53:45 | ブログ

Brunello 今回抜栓をしたイタリアワインは、リジーニ社のブルネッロ ディ モンタルチーノ (Brunello di Montalcino)1997です。
香りは優雅なブーケ。酸は舌の上で淡雪が解けるような余韻を残し、タンニンはゆっくりと舌の中に染まっていくように消え、フルーティーな金平糖のような果実味には凛とした優雅さがあります。飲んでいる最中に何だか、ビル エバンスの「自己との対話」を聞きたくなりました。ビル エバンスのようにピアノを通して会話する。しかし、凛として優雅な味わいが、確かにそこにあるが、思いを寄せるだけで、ちっともワインは語りかけてはくれない。ボキャブラリーと創造力の無さが、どうしても、これ以上に話を膨らませることが出来ない。何と、もどかしいことか。何時もなら、1本で済むところが、ついつい他のアルコールにも手を付け、次の日は二日酔い。あ~しんどいな。


carbonara

2013-11-09 22:30:22 | ブログ
Carbonara 先月より風干をしていた、グアンチアーレが程よく熟成したのでカルボナーラを作ってみました。パスタは昨日に続き道産小麦で、中力粉の“きたほなみ”で打ってみました。
写真に写っているスライスした2枚のグアンチアーレは左が2割ほど水分を飛ばしてから厨房にラップで包まれて置かれ、右はパッキングをされたお肉です。常温で置かれていたグアンチアーレは腐敗することなく1ヶ月間の熟成を経てくれました。生ハムの類は塩で持ちをよくするのではなく、水分活性を起こさせない状態にするために、塩漬けをし、風干をする作業であることが解りました。次回は塩抜きを少し長くするつもりです。
道産小麦の“きたほなみ”は、今までの小麦の中で初めて美味しいと感じました。麺の仕上がりも雪のような白さで、つるつると咽喉を滑っていきます。ピッツァ用の生地もこねてみましたが、これも良好でした。これならば、イタリアの00番から切り替えてもいいとさえ思っています。

道産小麦 ゆめちから

2013-11-08 22:06:33 | ブログ
100 Photo サンプルで頂いた道産小麦の“ゆめちから”でパンを焼きました。型が無いので、発酵させ俵型に成型し直してからオーブンで焼きました。酵母は白神酵母でオリーブオイルと塩で練りました。食味はとてもよく、パンを食べてる充実感があります。これならフォカッチャ用にしてもよいし、自宅で食べる食パンを焼いてもよいと考えています。
毎日のように紙面をにぎわしている食材に関するニュース。呆れるのは中国産のアサリを北海道産に偽装と書かれていました。これは、北海道産のアサリは布目浅利といって、貝殻の模様が地味でだれでも見分けがつきます。ですから、そのことを知らないコックが遠く離れた北海道産としたのではないかと思います。もう一つはオマールエビを伊勢エビと表示していたメニューも、具足煮かお造りにしても、あの鋏をどう処理していたのか見ものであります。かなり昔になりますが、在る世界的に有名な芸術家が、美食家の私は伊勢えびを取り寄せて食べていると、持ち上げたのがオマールエビでした。芸術家としては、超一流でも、バカ舌も超一流だとその時は思いました。先回取り上げたサクラマスも、私の見間違いであればいいのですが。もし銀鮭だとしたら、頭を下げて済まされる問題でないと思います。まして、去年はサクラマスの型が小さく、板マスを仲買の店先で見る機会がなかったような気がします。後出てくるとすれば、ビーフ シチューです。デミグラスソースの自家製、これは時間が掛かり手間暇の苦労が多い割にソースの評価が少ない。個人経営の店も多く、洋食屋さんの数も減っているので、大きな話にはならないと思いますが。それにしても、洋食屋さんの美味しいビーフシチューが食べたくなりました。しかし思いつく店が出てこない。