今回、抜栓したイタリアワインはアリアニコ デル ヴルトゥレ レ マンフレディ(Aglianico del Vulture Re Manfredi)2010です。今年5月に入荷したワインですが。先のバローロやブルネッロの例があるので、状態を確認するため味わうことにしました。もう一つの理由は塩野七海著「皇帝フリードリッヒ2世の生涯」の上巻を読み終え、息子の名前を拝借したワインを思い出したからです。
酸は落ち着いていますが。タンニンはまだ荒さが目立っています。あと半年から1年くらいで静穏でバランスの良い味わいになると思います。以前なら5年くらいエイジングをしなければ、このような状態になってはくれませんでした。
マラスキーノ チェリー、桑の実、シナモン、オレンジピールの香りがあります。お茶目な優しい酸に今はまだ荒々しさが残るしっかりとした厚みのある滑らかなタンニン、輪郭にあいまいさのない豊かな果実味は申し分のない気持ちにさせられますアフターテイストの心地よさ、余韻もそこそこに快く美味しかったな、と感じました。
今回のイタリアワインは、モンテ物産のクラブ アル カルチェのフェアーの実施のために導入したフォンタナフレッダ社のバローロです。125ミリリットルで2000円の価格が付いていますが。2杯以上で1杯を1800円でお出ししています。
このバローロは2010年にリニューアルしたワインです。試飲会で初対面した時は、エイジングの必要性を感じませんでした。これならば、フェアーに参加してもいいと思いました。それに、ワインが売れ残っても、3年後5年後の状態にも興味があったからです。
先日のブルネッロ、今回のバローロのようにエイジングの必要性が無い、と。何だか、楽しみを奪われたような気にさせられます。無駄なストックを抱えなくても良い利点もあるのだが、心中複雑です。
ワインリストのコメントは以下のように書きました。
昔ながらに様々の畑(海抜300~400m)のネッビオーロ100%をステンレス タンクでアルコール発酵とマロラクティック発酵の後、フランス産とスラヴォニア産の大樽で24ヶ月間の熟成をされます。スパイス(シナモン、クローブ、ナツメグ)とミネラリーな香りを上塗りするように桑の実、ラズベリー、タバコ、サワークリームのふっくらした上品な香り。穏やかに透明感のある酸とタンニン、重層的で弾力のある果実味は調和の良いグルーヴ感とグラデーションの鮮やかな味わいがあり。心地よいスパイシーなアフターテイストにゆったりと長い余韻を残します。
今回、抜栓したイタリアワインはヴァッレ ダオスタ プティ アルヴィーヌ “ヴィーニェ ロヴェッタ”(Valle d’Aosta Petite Arvine Vigne Rovettaz) 2010です。以前に試飲した時は、ミネラリーな香りをはっきりと感じられるようになれば、と思っていました。今まさに思わず笑みがこぼれる状態になっています。フローラルでフルーティーな香りや味わいの後に、さっと吹き抜けるようにミネラリーを感じます。バランスの良さにスケールの大きさ、テクスチャーの豊かさはしみじみと美味いな、と感じました。ワインのフレッシュ感は充分にあります。これからの熟成していく過程は解りませんが。このままの状態を保ちつつ、香りの輪郭がさらにくっきりし、モリモリを湧きあがるスケールの大きい味わいなってくれること願うばかりです。