鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

桜樹に牛図鐔 乙柳軒味墨 Miboku(Kiyonobu) Tsuba

2011-10-03 | 鍔の歴史
桜樹に牛図鐔 


桜樹に牛図鐔 乙柳軒味墨(花押)

 浜野家四代清信(きよのぶ)の作品。奈良派では安親に始まる鄙びた農村風景に題を求めた作を製作しており、この流れは多くの流派に影響を及ぼしている。この鐔において農夫を描かないのは、この鄙びた景色に瀟洒な風合いを求めたからであろう、表裏にわたって桜を描き、主題は牛と桜の二者であることを鮮明にしている。朧銀地高彫金赤銅色絵。政随に始まる浜野家の当主は乙柳軒を用いている。74ミリ。