唐草文図鐔 (鍔の歴史)
唐草文図鐔 古金工
室町時代から戦国時代にかけての鐔で、四方に猪目が透かされた太刀鐔のような木瓜形をしているが、小柄笄の櫃穴が設けられており、打刀拵のものであることが判る。山銅地を薄手に仕立て、石目地を全面に打ち施して、渦巻きとも唐草とも言いがたい文様を毛彫、あるいは文様打ち込みの手法で施している。簡素な表現ながら味わい深いのは時代性であろう。時が積み重なって山銅に自然な色合いを生じさせているのである。
さて、この唐草文の不定形な組み合わせ、あるいは構成は、如何なる意味を含んでいるものだろうか。文字や梵字を暗示しているようにも感じられるし、獅子など霊獣を想わせる部分もある。単に文様を施してものとは考えられない。そのような不思議さも魅力である。83ミリ。
唐草文図鐔 古金工
室町時代から戦国時代にかけての鐔で、四方に猪目が透かされた太刀鐔のような木瓜形をしているが、小柄笄の櫃穴が設けられており、打刀拵のものであることが判る。山銅地を薄手に仕立て、石目地を全面に打ち施して、渦巻きとも唐草とも言いがたい文様を毛彫、あるいは文様打ち込みの手法で施している。簡素な表現ながら味わい深いのは時代性であろう。時が積み重なって山銅に自然な色合いを生じさせているのである。
さて、この唐草文の不定形な組み合わせ、あるいは構成は、如何なる意味を含んでいるものだろうか。文字や梵字を暗示しているようにも感じられるし、獅子など霊獣を想わせる部分もある。単に文様を施してものとは考えられない。そのような不思議さも魅力である。83ミリ。