鹿図鐔 (鍔の歴史)


鹿図鐔 乙柳軒味墨政芳(花押)
政芳は浜野家の五代目。この鐔は鉄地高彫に金朧銀の象嵌の手法。風景図をも得意とした奈良派だが、この作を見る限りは奈良の風合いは薄れている。時代は幕末、新たな作風を望まれてのものであろう。ただ、精巧で精密な彫刻技術は確かにあり、鹿、川、遠くの山並み、立ち木という四つの風景の素材がバランスを保っている。様々な金工流派が技を競い合い、個性的な作品を創造しようと切磋琢磨していた頃の作である。78ミリ。


鹿図鐔 乙柳軒味墨政芳(花押)
政芳は浜野家の五代目。この鐔は鉄地高彫に金朧銀の象嵌の手法。風景図をも得意とした奈良派だが、この作を見る限りは奈良の風合いは薄れている。時代は幕末、新たな作風を望まれてのものであろう。ただ、精巧で精密な彫刻技術は確かにあり、鹿、川、遠くの山並み、立ち木という四つの風景の素材がバランスを保っている。様々な金工流派が技を競い合い、個性的な作品を創造しようと切磋琢磨していた頃の作である。78ミリ。