九年母図鐔 (鍔の歴史)
九年母図鐔 埋忠明壽
素銅地に赤銅平象嵌で九年母を墨絵表現した作。古紙を意図したものであろう、地金の表面には意図的に凹凸を付けており、茶に染まった古い絵画を見るような雰囲気。この鐔の製作の当初から明壽は意図していたものであろう、先に紹介した真鍮地の九年母図鐔も同じ風合いである。描かれている図柄だけでなく地にも景色が生まれている。古金工や美濃彫に写実的な植物図が多数ありながらも、精巧な描写を求めてはいない。単純な線と面のみによる表現ながら、何と味わい深いものであろうか。80ミリ。
九年母図鐔 埋忠明壽
素銅地に赤銅平象嵌で九年母を墨絵表現した作。古紙を意図したものであろう、地金の表面には意図的に凹凸を付けており、茶に染まった古い絵画を見るような雰囲気。この鐔の製作の当初から明壽は意図していたものであろう、先に紹介した真鍮地の九年母図鐔も同じ風合いである。描かれている図柄だけでなく地にも景色が生まれている。古金工や美濃彫に写実的な植物図が多数ありながらも、精巧な描写を求めてはいない。単純な線と面のみによる表現ながら、何と味わい深いものであろうか。80ミリ。