吾輩は設備設計である

設備設計という仕事に云十年。理不尽なこと自分のぷち自慢、失敗談などを書いています

空調機戦国時代 その1

2006-02-01 13:08:59 | Weblog
今から20年前   ファンコイルユニット方式の全盛時代

(ファンコイルユニットは中央に冷凍機を置いてそこからポンプで冷水や温水を各部屋のファンコイルユニットに流して熱交換させ冷暖房するものをいう)

でもその時代に何が起ったか

・ゼネコンのTQC活動
・価格破壊
・全体的技術力低下
・水漏れやクレームに対する異常な恐怖感

で 今から15年前

空冷パッケージ型空調機の全盛に加えてビルマルチのパッケージ型空調機という画期的な商品の出現で いわゆる直膨式の全盛時代に突入していくわけである

(直膨式というのは家庭用エアコンに代表される冷媒ガスそのものを細い銅管で各部屋に導いてその冷媒を蒸発させその潜熱を利用して空調するもの)


これで施工者は随分楽になった

何故ならもし配管が悪くてガスが抜けてもエアコンの効きが悪くなるだけで水が漏れたり臭いがしてりする訳ではない ミニクレームで済むし次から仕事が来ない程までいかないからである
しかも
・配管をメーカーのマニュアルどおりにつなげば取りあえず設計も施工もできる
・附帯の技術は殆ど不要
・ビルマルチにいたっては1台の室外機で数部屋の対応が出来てしかも個別に制御が出来る

しかしである
ここでメーカーの勝ち組負け組みが出現
しかもある勝ち組(仮にD社とする)のモノマネをして他社が追随したものだから
価格破壊がすさまじい

→ そしたら利益が減って優秀な技術者がリストラされ
→悪循環である  →空調機は時代の寵児の座から転がり落ちてゆく

でもここで
大きな出来事がおきる 環境問題を発端とした1997年の京都議定書である
冷媒ガスでR12が使用できなくなり、その波はR22にもやがて押し寄せ新冷媒の開発が待たれた
そこでD社がR407Cという冷媒を開発、ここでD社は勝ち組としての地位を不動のもとした  かのように見えたのである

       つづく
コメント (1)
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