さざえのつぶやき

音楽活動を中心に、日頃の思ったこと感じたことを日記のように綴っていこうと思います。

銭湯を思い出す

2008年06月27日 | 下手の歌好きソングライターのつぶやき
昼夜逆転生活の中でただひとつだけ、気持ちいいなと思うことがある。
朝に入る風呂・・・窓ガラスから明るい日が差し、とても開放感にあふれて気持ちいいのである。
この感じ・・・そう、昔よく通ってた銭湯の元旦の朝風呂によく似た感じだ。

僕は22歳まで吉野郡大淀町というところに住んでいて、小さい頃は、おばあちゃんが薪をくべながら炊いていた風呂に入っていたのだが、おばあちゃんが亡くなってからはずっと、近所の銭湯に通っていた。
中学生の頃は確か190円くらいだったように思う、それから220円くらいに値上がりしたのかな? 現在では400円近くするらしいが、貧乏な我が家では、二日に一回しか行かない事もあったんじゃないかな・・・(苦笑)
近所のノンちゃん(男です)がいつも、「ながやん、いこか~」って洗面器とタオルを持って夜になると誘いにきてた時期もあったな。
中学生ともなると、長身の僕は、番台を越して見えてしまう女性側の脱衣場を見ないように気を使いながら(まあ、見てしまったとしても、若い女性ばかりとは限らないし・・・)自分が脱ぐときは、「こら、おばちゃん・・・こっち見やんといて!」と思いながら脱ぐ(苦笑)
何回か、その番台におばちゃんじゃなくてその娘さんが交代で座ってたことがあって、あのときはさすがに恥ずかしかった記憶がある。

漢数字で書かれた下駄箱の木製の札というか鍵、脱衣場のロッカーは、アルミ製のゴムがついた鍵で、それを失くさないように腕にはめて風呂に入る。 そうするといつもの時間にいつもの顔ぶれ・・・他人の迷惑考えずにひたすら「熱い~熱い~」を繰り返しながらザボザボと水を足し続けては風呂をぬるくしようとするクソオヤジ、背中にアートを背負う中華屋の店長、自動車教習所の先生、電気屋のおっさん、金物屋の息子、同級生といろんな面子が同じ銭湯という空間のなかで裸になって、それぞれの立場を脱ぎ捨てた格好で顔をあわす・・・僕はあの空間がすごく今懐かしく思う。 「おとうちゃん!石鹸放って~」と女子浴場から誰かの声・・・「いくぞ~うまいこと取れよ~」と言っては天井部分が空いている壁をまたぐように投げるオヤジ。 頭を洗ってる最中に、俺の足元にわざと熱湯や冷水を流してはいたずらするノンちゃんと俺。 懐かしいなあ~

風呂からの帰り、シャッターの閉まった商店街をブラブラ歩きながら、学校のこと、友達のこと、女のこと、アニメの話をしながら帰る。
途中、カップヌードルの自販機なんかがあって、誘惑されるが我慢して帰るんだよな。
そんな銭湯も、正月の元旦は朝風呂があって、番台のおばちゃんと「おめでとうございます。」を交わしながら柚子の浮かんだ風呂に入る・・・これが気持ちよかった!! 今じゃスーパー銭湯だとか、極楽湯だとか名前がついた大きな銭湯があるが、あれは好きじゃない・・・こういう町の庶民が通う銭湯こそが、銭湯なのだ。
あの風呂屋・・・いまでもあるんかなあ・・・行ってみたい。