さざえのつぶやき

音楽活動を中心に、日頃の思ったこと感じたことを日記のように綴っていこうと思います。

布団の中のタクト棒

2019年02月03日 | 下手の歌好きソングライターのつぶやき
いつも酔いつぶれた親父の鼾はうるさかった。せまい二間しかないあばら家に、家族5人は川の字に寝てたからね・・・俺はいつもラジカセにヘッドホンをして、映画音楽やアニメのサントラ盤を大音量で聴きながら、落ちて来そうな天井にむかって、指揮棒を振って眠りを誘っていた。 そんな事さえ鮮明に思い出すのは、感受性とかいうんじゃなく、そこには強烈な匂いだとか、音だとか、湿り気があって、それが今でも体の一部に刻み込まれているからだろう。

ツタヤディスカスで懐かしい映画やアニメを最近レンタルしまくって観ている。 俺らはテレビが教科書だった、学校だけでは教われない、「勇気」「根性」「夢」「正義」「恋愛」そんなものが、学園ドラマやアニメ、特撮から教わったものだ。 深夜、テレビ放送が終わるとラジオに切り替え、ラジオからはそれこそ思春期のバイブルであるエッチなトークだとか、涙する感動話、そして心熱くなる音楽が流れていた。 俺は今年54歳・・・ちょうど親父が亡くなった歳になるところだ。 会社ではそれなりの役職を与えてもらい、それなりの振る舞いをしているつもりだが、仕事離れて家に帰ると、相変わらずの趣向品に囲まれた自分の部屋に閉じこもってはノスタル爺さんになるのだ。



誰になんと思われようが、この歳になっても少年時代に観たり聴いたりしたアニメや音楽は、いま観ても聴いても興奮し、感動し、そして涙する。 それが幼稚に思われようが、くだらなく思われようが、俺にとっては宝物であり、この身体と心を形成してくれた要素であり、細胞であり、エネルギーなんだ。 また、昔の友と夜更けまであの時代を語り明かしたい・・・ちょうどブログ書き終わり、ヘッドホンに流れる曲は「歓びの賛歌」(交響組曲 宇宙海賊キャプテン・ハーロック)ひさしぶりにタクト棒を振って夢に入ろう。