中学・高校時代、僕の趣味はもっぱらFMラジオからのエアチェックだった。
「エアチェック」( テレビやラジオといった電波媒体を、ビデオテープやカセットテープ に記録し、後から聴いて楽しむこと)って言葉も今では使わなくなったようだが、現在のようなデジタルオーディオ家電がなかった時代でも、ラジカセとカセットテープがあれば、僕のような音楽好き人間は十分楽しめた。 録音したカセットテープのインデックスカードには、手書きでタイトルや曲目を記入する場合もあれば、アルファベットロゴのシールを「ゴシゴシ」と擦り写しては、自分なりのオリジナルベストテープの出来上がりを堪能していた。 ちなみに僕は「TDK」派じゃなく「maxell」派で、FM雑誌は「FMファン」じゃなくて「FMレコパル」派だった。(わかるかなぁ~わかんね~だろうなぁ~)
そんな頃からの癖・趣向だろうか、いまでも自分が大切とする身の回りの物については、こだわりの整理方法があって、特に音楽ソフトについては、僕のことをよく知る者には半ば呆れ顔で見られるくらいこだわってる部分がある。
年末に押入れの奥にあったLPレコードを処分した。 処分といっても棄てたわけじゃない、ちゃんとした中古レコード店に持っていったのだ。 ただ、高価なものは10年以上も昔にディスクユニオンという関東の大手レコードショップに買い取ってもらい、その時の買取価格はなんと24万円!! そりゃビートルズをはじめとするいろんなアーティストのアルバムと日本の70年代フォークアルバムが中心だったから当然。 だから今回は一枚100円にもならないような価格で30枚ほど・・・残したのは僕にとって本当に大切な「チューリップ」のアルバムばかり。 さて、残したところでレコードプレーヤーもないし、中途半端な安価でプレーヤーを買っても、せっかくの盤に傷がつくだけ・・・ということで考え付いたのがこれ、そのアルバムと同じ再発されたCDをレンタルしてきたり、人から借りてきたものをCD-Rにコピー、そのCDをわざわざLPレコードジャケットに挟み込んでしまうのだ。
そうすることで、そのアルバムを聴きたいときには、わざわざLPレコードジャケットからそのCDを出して聴くことになる。 と同時にジャケットの中のライナーノーツや歌詞に触れることも出来るのである。 なんと楽しいことか!!(苦笑)
レコードを聴くには、大切にジャケットから取り出し、静電気防止スプレーをかけ、ターンテーブルにそっと置き、そっとレコード針を置いて構えて聴く・・・この構えて聴いたり、それまでの手間がよかったのだ! 音楽をステレオで聴くということは「嗜み」であって、何か他事をするときに何でもいいからBGMで流すといった音楽だけじゃなかったのだ。 なんかこう書くと、昭和の時代に未練たらたらのノスタル爺いみたいに思われるが、思えばいいさ!(笑) そんな素敵な時代を経験して来たんだ!自慢だ。
ネットで僕と同じようなCDコレクターがどんな考えを持っているのかを調べてみた。
やはり一番は多量に増えつつあるCDの収納方法。 最近ではいろんな会社からCD専門ラックが発売されていて、ジャケットを飾りつつ出仕入れ便利なものなど数多くのインテリアラックがある。 僕はそこまでお金をかける余裕が今はないので、昔からやってきたCD本体をコンパクトにする方法をあれこれ試している。
CDソフトケースと呼ばれる代物は、タワーレコードなんかでもよく販売されているFlash Disc Ranchから発売のものが有名で、最近ではMEDIA PASSやコクヨからも出されていて、僕は価格的にも機能的にも考えたどりついたのがキディトレインから発売されているCDソフトケース・アナログタイプである。
0.07mmのPPフィルムとエンボス加工された不織布袋だけのもので、極薄で透明なフィルムからは、ジャケットが綺麗に見えて、2枚組アルバムも余裕で歌詞カード・帯まで挿入出来る。 仕上がりはまるでLPレコード感覚で扱えるのが魅力だ。
http://cdsoftcase.com/ (フラッシュディスクランチ参考)
http://www.kiddy.co.jp/music/index.html (キディトレイン参考)
さて、各コレクターさんのブログやホームページを見て考えさせられたことだが、これから先、CDは存続するのだろうか? いや、どう考えても消える可能性の方が高いように思える。 いまや悲しいかな音楽はダウンロードで購入して、音の悪い嘘っぱち音質の圧縮音源で持ち運ばれている。 それはまるで、衣服やアクセサリーのように、お出かけ前のファッションの一部のような扱いで、流行の音楽を持ち歩くだけ・・・すべての人がそうだとは言わないが、楽曲そのものに対する関心や趣向なんかなく、ただ「みんなが聴いてるから、流行ってるから聴く」だけの扱い・・・でまた製作していく業界も同じで、そのほうが儲かる、ビジネスになるから粗製濫造する。 アーティストもダウンロードが主流だからCDが売れない・・・だからライブ・コンサートで稼ぐしかない・・・でも今までのように派手にバンド編成では赤字になる・・・アコースティックライブと名付けてソロで活動しよう・・・と必然的にこうなるわけで。
CDの販売が消えてゆけば、CD自体の価値観がコレクターには生まれるから、それはそれでいいのかも知れないけどね。 なんだか寂しくなっていくよなぁ・・・。
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