感染拡大が続く、新型コロナ感染症。
感染症対策の他、ワクチンについても学ぶことが多かった。感染症の専門家・臨床医、ワクチン学会の会長の談話記事などを丹念に追っていたからだ。
先ず、「ワクチンを接種しても感染した。ワクチンには効果がない。」と良く言われる。だがワクチンは感染しにくくしたり、感染しても重症化しないために接種するものだ。
次に、「ワクチンの副反応による死者が多い」という人が多い。だが副反応と接種後の有害事象とは区別する必要がある。ワクチン接種後の健康悪化や死亡については、同条件で、ワクチンを接種した人たちとワクチンを接種しなかった人たちの、比較で、ワクチン接種者の健康悪化や死亡例が、明確に高ければ、ワクチンが原因と推測できる。そういう観点で見ればワクチンが原因の死亡例は世界で確認されていない。(新型コロナワクチンの場合)
また、ワクチンの副反応には医療措置が可能なこと。新型コロナワクチンの副反応で一番多いのは、アナフィラキシーショックと発熱だ。アナフィラキシーショックは接種後30分以内に起こるから、接種直後に接種会場で様子を見る。アドレナリンの投与で対処ができる。発熱は市販の解熱剤で、腕の痛みなどは体を休めることで対応できる。
最後に、ワクチン学会の会長談話から知ったこと。日本ではワクチンの接種の推奨や、ワクチンへの理解の啓発が空白な期間が40年続いている。これは政府の責任だ。
追加。ワクチンの接種が進んでいるキューバでは、ワクチンは自分のためだけでなく、パンデミックを抑え込んで、後の世代のために接種するという考えが強いそうだ。
日本は欧米に比べワクチンへの忌避感情が強い。ワクチンへの正確な理解が広がるのを期待したい。それがあれば、コロナ禍にも意義があったと言えるだろう。