「星座α」第13回歌会 於)ホテルモントレ
1・歌会:
・短歌の素材:
「裸木が露わに見える霧が晴れたあとの里山」「窓に向かって歩む冬の蝿」
「山茶花の花の蜜を吸う鵯」「列車の窓から外を見ながら広がる思い」
「放射線の影響で出来た巨大な蕪」「昼の光を受ける窓、夜の闇に光を放つ窓」
「限りある時間、膨らむ梅の蕾」「紅白と年越しライブの明けた元日の朝」
「竣工したビルのある町」「700万球の電飾のテーマ」
「七草に一つ足りない思いがけない味の粥」「雨の降る冬枯れの林の紅梅」
「時間の次元が異なるように背を丸めて歩む老い人」「大雪の雪かき」
・主な論点:
「言葉に手垢が着いていないか」「明確に表現しないで読者に寄りかかってはいないか」
「上手い言い方だが読者に寄りかかっている」
「捉えどころは良いが視線がハッキリしていない」「どんな思いなのか明確でない」
「動詞が多いと印象が拡散する」「事実と詩的真実とは違う」「自分にどう引き付けるか」
「時間の流れをさりげなく入れられないか」「焦点を一つに絞れないか」
「一首の内容によっては擬人法も生きる」「元旦=1月1日の朝、元日=1月1日」
「カ行ガ行の音は音が固い」「『べし』は推量の他に断定の意味もあるので要注意」
「事実をその通りに定型に収めるのでなく言葉は磨かなくてはいけない」
かなり突っ込んだ話がされて充実した論議だった。
2、新年会:
ホテルモントレの隨縁亭(和食レストラン)
料理長が様々な工夫をした料理に舌鼓を打ちながら、様々な話をした。
(特に尾崎左永子主筆の話は珠玉のものだった。)
・短歌をやめようと思った経験
・短歌が止められなかった経験
・印象的なアドバイス
・5,7,5,7,7の定型のしぶとさ
・海外滞在からみた日本語の美しさ
3、締め
参加者全員で記念撮影をして、僕が締めの話をした。
「今年は斎藤茂吉の没後60年。しかも『剣の滴』を贈って、若手歌人が多くいることが分かった。短歌の将来はそう暗いものではない。さあ一本締め。」
4、「星座」の選者にならないかとの打診があって、引き受けた。現在の選者からのバトンタッチである。翌日投稿歌が送られて来て、一気に選歌と添削を行った。「星座」には選者の作品批評が毎号あるが、僕の通信は「橅の木通信」とした。このブログでも順次紹介していきたい。
「星座α」ホームページ:URL
http://www.seiza”alpha.jp