岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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如是我聞の歌:尾崎左永子の短歌

2022年12月05日 16時36分33秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・如是我聞黒つぐみ啼くから松の風の動きに何を知るべき

「尾崎左永子八十八歌」所収。2015年の「色紙展」の出品作。この段階での代表歌だ。

 初句の「如是我聞」とは「自分はこのように伝え聞いている」の意。

 「風の動きに何かを知る」と伝え聞いたのだろうか。

 「から松」の「個別具体的」な「場所」は「捨象」されている。佐藤佐太郎の言う「表現の限定」、作者の言う「言葉の削ぎ落し」。

 作者は博学だ。短歌はもちろん日本の古典文学、香道、さらに放送詩。それでもなお、何か新しいものを知ろうとする。その意欲が感じられる。




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