憲法問題の焦点:9条改憲と緊急事態条項と。
憲法問題が二点に渡り浮上している。9条改憲と緊急事態条項がそれである。
先ず9条改憲.日本国憲法の第九条に「自衛隊を明記する」ことだ。憲法9条には三つの重点がある。戦争放棄、戦力の不保持、交戦権の否定。「国際紛争の解決手段としての戦争を放棄する。」国際紛争は外交で解決させるという基本姿勢がある。それを支えるのが、戦力の不保持、と交戦権の否定だ。
ここに「前条の規定に関わらず、自衛のための組織として自衛隊を設置する」という条文を追加するという改憲内容だ。しかしここには大きな問題がある。法律には後日追加された内容が優先するという原則がある。追加条文が、前の三項目に優先する。これで、戦争放棄、戦力の不保持、交戦権の否定が空文化する。
「集団的自衛権の一部の行使」が閣議決定により容認された。後方支援に限るという限定つきだ。自衛隊が憲法に明記されて憲法9条が空文化すると、集団的自衛権が全面的に行使できるようになる。ここが問題の核心だ。
次に緊急事態条項。これは自民党の憲法草案によれば、内閣総理大臣が「緊急事態」と判断しさえすれば、議会の議決を経ずに、法律と同じ効力をもつ政令を内閣が制定できるというもの。これは、議会を形骸化させる。「国会議員の任期延長」「法律の停止」も可能だ。これぞナチスの手法。ナチスは「全権委任法」を国民投票で成立させ、「ワイマール憲法」を停止させ、ヒットラーを終身総統に任命した。憲法を無視した立憲主義に反する行為だが、多数決で合法的に独裁政権を樹立した。
「大規模災害」などの時に「緊急事態条項」が必要と主張しているが、「大規模災害」の場合は、むしろ地方に権限を委譲し地域の実情に合った災害復旧が求められる。これは表現の自由を侵しかねない。だから日本ペンクラブが「災害を口実に憲法を変えてもいいのか」という声明をだしているのだ。
全国の統一署名が「改憲発議をさせない」新署名になったのはここに理由がある。
これは日本国憲法に関して重大な局面を迎えているのを示している。
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