新型コロナウイルス対策の問題点(8)「緊急事態宣言」
新型コロナウイルスの緊急事態を内閣総理大臣が発令した。その記者会見をつぶさに見たのだが問題点が山積みである。
曰く、「あなたたちの行動にかかっています。」政府の責任は如何に。
緊急経済対策として108兆円が発表されたが、これは実施した場合の期待値を示したもの。複数の国会議員が内実を精査した。政府の出費は40兆円弱であり、その半分は郵便貯金などを使った財政投融資。国家予算からは20兆円弱しか出されていない。
所得補償、休業補償はなし。現金給付があるが所得制限が厳しく、自己申告制。支払われる人はごく限られている。欧米の所得補償はすでに記事にしたが、これにくらぶべくもない。
所得補償、休業補償がないから、相変わらず通勤ラッシュが続いている。「三密を避ける」・密集、密閉、密接。だがその最たるものの通勤ラッシュが解消されず、パチンコ屋が営業自粛からはずされている。
東京では、ネットカフェが営業自粛に入れられたが、東京にはネットカフェに寝泊まりする「ネットカフェ難民」が4000人いる。東京都の用意した居住施設は500人分しかない。これらの人たちはどこへ行ったらよいのだろう。路上生活者が増えるのではないかと心配される。
個人事業主、芸術家の生活も逼迫している。社会福祉協議会などの融資窓口は予約してもすぐには融資がおりないばかりか、手続きだけで数日かかる。楽器を質屋に入れて金策している演奏者もいるが。その質屋も営業自粛となってしまった。
これらのことを考えると、庶民の暮らしを知った上での対策とは考えにくい。「緊急事態宣言」が出されたことでむしろ暮らしにくく、感染拡大の防止から遠ざかってしまったように見える。
世帯当たり布製のマスク二枚を配布するというのは、愚策も愚策。海外から失笑を買っている。
#マスク二枚でごまかすな #自粛と給付はセットだろ
これがツイッターの#のトレンドになってしまった。多くの人に不安を与えるだけの内容のない、お願いばかりの「緊急事態令」これでは政府の責任が問われるだろう。