岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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「運河の会」:東京歌会2015年4月

2015年04月14日 23時59分59秒 | 歌会の記録(かまくら歌会・星座・星座α・運河)
「運河の会」東京歌会 2015年4月12日 於)早稲田奉仕園セミナーハウス

 「運河の会」東京歌会の活気はあいかわらずだ。JR山の手線に遅れがあったが、定刻通り開催された。そして活気は、冒頭の佐瀬本雄代表の言葉に現れている。

「この作品は出来上っている作品だが、もう一段上を視野に入れて、発言します。」

 確かに主席者の全員が上達した。意味のない感覚だけの作品は一つもない。みな、何を感じ、何を表現したいのか、心の中で確かめながら、作品を作っている。

 参加者は10人で、いつもより少なかったが、それぞれ独自性のある作品だった。叙景歌あり、心理詠あり、旅行詠もあった。一首について、司会者が二人ほど指名し、あとは自由に発言する。「詩人の聲」で現代詩を学んだことと、『星座』『星座α』の選歌添削、毎月最低三回の歌会(作品批評会)に出席することで、作品批評の基準が鮮明になり、語感も磨かれてきたように思う。

 僕が指摘したところは、佐瀬代表も指摘していたから、当を得た批評だったと思う。論点「主題を絞れ」「余分な言葉はないか」「表現は的確か」などだ。批評するときに、他人の作品は客観的に見える。だが自分の作品を客観的に見るのは難しい。自分では見えないものが見える。これが歌会の効用だろう。しかも佐瀬代表は、国文学の文法にくわしい。

 「ここは研究会であり、自分の発言は、個人の感想だ。」

 という言葉で参加者は励まされる。

 僕は、前日の「かながわサロン」同様に、第四歌集の主題に密接に関係する作品を出詠した。やはり自分で気づかなかったことに気づかされる。改作案もその場で出来た。

 そしてもう一つの歌会の効用。着眼点の新しい発見。参加者の作品を見て、自分ならこう見て、こう表現する。こんなことを考える。ボキャブラリーが増えるのも効用の一つだ。


 だいぶ日が長くなってきて、四時の閉会のあとの懇談会も明るいうちに行えた。そこでは、方言、終戦直後の様子などを話しあった。

 帰りに早稲田界隈の古本屋を覗いたら、探していた書籍が見つかったので購入した。





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