岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

角川「短歌」2021年10月号に寄稿しました。相聞7首より。

2021年10月23日 01時31分00秒 | 岩田亨の作品紹介
奈美との時間(3首抄)

・汝(なれ)はいま大人の表情見せたりき紫式部のいろ淡き日に

 奈美は匿名だが、僕よりかなり年下。まだ幼い。その表情は時に大人びてくる。その奈美とどういう関係かは問題ではない。

・夜の道に吹き寄せられし落葉踏み乾ける音が闇夜に響く

 これは叙景歌にはいるだろうが、心理詠と考えてもらっていい。僕の心が荒んでいるのだ。

・氷雨降る駅のホームに汝(なれ)を待つ別離を告ぐる言葉さがして
 
 奈美との人間関係は短期間だったが、送る時には心にしみた。

 【相聞といえば恋愛の歌と考えがちだが、親しい人への信愛の情を表現しる表現領域だ】




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