岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

星座α29号:新作5首

2022年07月06日 23時30分02秒 | 岩田亨の作品紹介
・戦争のありさまつぶさに見る時に意外な人より電話かかり来

 ウクライナ戦争が始まった直後に詠んだ作品。僕は戦後世代だが、戦争をこれほど身近に感じたの、未だかつてない。


・自らを僕と呼びたる女性歌手男の心を歌いあげたり

 FBを始めて友人が増えた。詩人、歌人、俳人、作家、ピアニスト、歌手、音楽家、政治家、労働運動・市民運動に関わる人。様々だがその中のひとり。

・朝刊の一面に開戦の記事のありくまなく読みて丁寧に畳む

 記憶に間違いがなければ、2022年3月24日の朝刊だった。まさかこういう記事をよむことになろうとは、思いもよらなかった。

・朝刊の見出しのみ見て放りたり気持のはれぬ一日(ひとひ)の始め

 戦争の記事が毎日のように報道される。被害者を思い、難民を思う。これでは気が滅入る。

・春の野に花摘む汝(なれ)を近く見て言葉かけずに佇むわれぞ

 気が滅入る日々が続いたが、やっと詠めた相聞のひとつ。


【戦争がおこると平常心を失う。恐ろしいことである。戦争でイケイケドンドンという心理がはいり込む心の隙ができる自覚したい。】

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