フェイスブックには様々なグループがある。「ジャズ音楽の会」「国府弘子クラブ」その他幾つかのグループに入っている。グループは、本人の意思で入るのだが、フェイスブックの友達から「入会させられる」こともある。初めは驚いたが、紹介されて体験入会すると思えば違和感はない。いやならやめればいいのだ。
そんなグループの中に「ラッパのマークの秘密の花園」というのがある。「紹介されて体験入会」したのだが、退会しようと思っている。
グループの目的は「日本で唯一の左派と右派が論議出来るサイト」という触れ込みだった。そこでは安倍支持者と、護憲平和を訴える人が、様々な議論をしている。歴史認識(「従軍慰安婦、南京事件を認めるかどうか)、日本の安全保障の在り方、沖縄問題。
始めは、熱心に意見を投稿していたのだが、近頃馬鹿馬鹿しくなってきた。「従軍慰安婦」の問題。右派は、歴史学の学問的成果を全く顧みない。裁判所の判例を無視する。それに対し数人で、歴史資料、判例、国際条約を示し、「従軍慰安婦に強制性があった」「国家としての賠償は放棄されているが、個人が日本政府に賠償を求める権利が存在する」ことも認めさせた。
だが彼らに考えを変える意思はない。論争に負ければ、「非国民」「売国奴」「アカ」「クソサヨク」といった罵声が飛んでくる。
どうもおかしいと思っていたら、「このサイトは、幸福の科学が立ち上げた」というコメントをした人がいた。口をすべらせたと思ったのか、コメントは、すぐに削除された。
そこで疑問が解けた。北海道の苫小牧で、幸福の科学の信者が「従軍慰安婦」を問題として採り上げないように、国連への請願署名を集めていた。また幸福の科学が、作った政党、「幸福実現党」は、国防軍設立、核武装を主張している極右政党だ。
その幸福の科学と安倍晋三支持者が野合しているのだ。幸福の科学にとっては、市民権を得る機会。安倍支持者にとっては、極右思想を拡散する機会。お互いに利用価値があろう。
「右派」を名乗る会員が何とも特殊だ。祖父が旧日本軍の憲兵で、祖父は悪いことをするはずがないと思い込んでいる人間。自身はカナダ国籍で、息子がアメリカ国籍を持っている外国人。南米の日系人。これらの人は、自分の肉親を庇う、自分の父祖の地へのノスタルジアが、偏狭な、ナショナリズムと結びついている。
そこに新興宗教のカルト的要素が加わるのだから始末に悪い。戦前の特高まがいの発想、恫喝もある。果敢に論戦している人が何人かいる。だが論争する意義はほとんどない。
むしろ「下からのファシズム運動」という性格が強い。グループの管理人は女性名だが、彼女のタイムラインに記事はない。
沖縄では、基地に反対する運動を妨害し、「アメリカの兵隊さん、ありがとう。」という「市民運動」を展開している。右派の主な論客が、複数のアカウントと複数の名前を持っている。朝日新聞の記事にあった。
「そういう典型的ネトウヨは複数投稿するから、実数はそれほど多くない。相手にしないことが一番。だが言うべきことは、キッパリと言うべきだ。」
まさにその通りだと思う。言うべきことは言いつくした。どの問題でも、彼らの人権意識が希薄なのも指摘した。これ以上、付き合う必要はなかろう。
だが一つ学んだ。こういう運動が、国民の多数を組織し、大多数の支持をとりつけた時に、「多数決によってファシズムが形成される。」議会制民主主義の元でも、ファシズムが形成されうるのだ。
繰り返しになるが、このグループの名は「ラッパのマークの秘密の花園」という。「ラッパのマーク」は「正露丸」のトレードマークだ。そして元々の名は「征露丸」。「ロシアを征伐する」という意味だった。日本が国策を誤り、軍国主義に走ったときに作られた薬品だ。
ここに書いた僕の推測におそらく間違いはないだろう。
ナチスも選挙で政権につき、全権委任法も選挙で承認された。心に留め置こうと思う。
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