岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

星座α29号・作品批評:茂吉と佐太郎の歌論に学んで

2022年07月11日 11時08分03秒 | 作品批評:茂吉と佐太郎の歌論に学んで
叙情の深さと感覚の鋭さ
 
 戦争が始まった。私などショックが大きく、新作がほとんど詠めなくなってしまったのだが、会員諸氏の健詠ぶりに驚かされた。

・(思いを文字に書きゆく歌)
・(小舟のような心の歌)
 境涯詠をまず2首。生きて来れば、忸怩たる思いのいくつかはあるだろう。それを愚痴でなく作品化したがよい。1首目の下の句の言い切りと、2首目の上の句の比喩が効いている。

・(風に気配を感じる歌)
・(梅の実がかすかに揺れる歌)
 叙景歌を2首。景が顕ち、視覚、触覚が敏感なのがよい。作者は心を研ぎ澄ましているのだろうか。

 ・(カステラにブランデーの歌)
 ・(桜の老木の歌)
 ・(春の雨の歌)
 独自性を強く感じるものを3首。1首目は独特な作風となり、2首目は風格を感じる。3首目は下の句の捉え方が独特で深い。

・(琥珀の光る歌)
・(ガラス戸に写った自分の顔の歌)
 1首目、透明感があり、2首目は自己凝視が深い。

・(ティーカップの中に崩れ行くものの歌)
 下の句が深く、表現が巧みである。




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