「運河」東京歌会 於:早稲田奉仕園会議室
東日本大震災から一年。一同、黙祷をしてから、歌会にはいった。
1・短歌の素材:
「立春に紅梅の暖廉にかえる」「未明より降りだした雪」「泳ぎながら見る雪富士」
「襲名後の舞台に上る勘九郎」「雛の日に作った寿司」「笹の小山に消え残る雪」
「山頂より見る連山」「降る雪のまにまに見える寒椿」「二月二十九日の雪」
「曇る窓より見える高速道路」「田老の巨大防潮堤」「銀座で開くクラス会」
「空気濃密な部屋」「クヌギ林の芽吹き」「スノーボードをする少年」
など、叙景歌あり人事あり季節のせいか雪を題材とした短歌が多かった。
2・論点:
「全部言ってしまってはいないか」「曖昧な表現はないか」「作者の位置が明確か」
「言葉を入れ替えると感受が伝わる」「字余りが過ぎると不自然」
「視覚と聴覚とが混ざっていないか」「結句により成功も失敗もする」。
3・その他:
・僕の歌集「剣の滴」の作品を抄出して冊子を作って頂けることになった。「オリオンの剣」の時に次ぐもので、楽しみだ。