岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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夕霧峠の歌:尾崎左永子の短歌

2022年11月24日 15時46分13秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・秋草の花みな濡れて霧になびく夕霧岬といふ道を越ゆ

「尾崎左永子八十八歌」所収。歌集では「夕霧岬」これで作者は歌壇で最も権威のある賞を受賞している。その歌集の表題歌である。2015年の色紙展」の出品作品。この段階での代表歌だ。

「秋草」の「個別具体的」な名称は「捨象」されている。佐藤佐太郎の言う「表現の限定」、作者の言う「言葉の削ぎ落し」。

 「夕霧岬」は実際に石川県にある。斎藤茂吉の直弟子の梶井氏の住んで居る金沢市に近い。作者が梶井氏と懇意だから、度々、梶井氏と同行している。その関係で峠の知ったのだろう。

また上の句から下の句への転換は「序破急」の「破」、「起承転結」の「転」である。

そして全体が「悲しさ・寂しさ」を「象徴」しているように思う。






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