岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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透明の香の歌:尾崎左永子の短歌

2022年11月23日 16時57分14秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・光さへ透明の香を持つならんこの青豁(あおたに)に羊歯ほぐれゆく

 「尾崎左永子八十八歌」所収 2015年に開催された「色紙展」の出品作品。この段階での代表歌だ。

「光が透明の香を持つだろう」に作者の発見がある。独自性のある「感受」とも言える。

「青豁」の「個別具体的」な場所は「捨象」されている。佐藤佐太郎の言う「表現の限定」、作者の言う「言葉の削ぎ落し」。

 また、上の句から下の句への転換は「序破急」の「破」、「起承転結」の「転」だ。全体的に「悲しさ」を象徴しているような作品だ。



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