岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

闘いで腕が痛む歌:尾崎左永子の短歌

2022年10月05日 20時39分39秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・闘ひはただ書き継ぎて生きんのみ暁となりてわが腕痛む

「彩紅帖」所収。

 作者の生き方は「闘い」の連続だったのだろう。このブログにも「闘いの歌」を収録した。2首とも、短歌界に復帰した前後のもの。前者は執筆活動で「わたしもその標的のひとりに加えて欲しい」といわれたのはすでに書いた。 

そしてこの作品「闘い」といえど様々ある。
 
「執筆活動の闘い」「平和を願う闘い」(作者は東京大空襲の経験者・8・15を語る歌人のつどいにも参加していた。)「人間関係の軋轢」もあろう。

 それを「捨象」し「表現の限定」「言葉の削ぎ落し」をしている。

 2句以下が、鬼気迫る・作者の心情を、「象徴」している。

 「表現の限定」「象徴性」佐藤佐太郎の学びなだがら、独自性のある作品となった。




最新の画像もっと見る