・闘ひはただ書き継ぎて生きんのみ暁となりてわが腕痛む
「彩紅帖」所収。
作者の生き方は「闘い」の連続だったのだろう。このブログにも「闘いの歌」を収録した。2首とも、短歌界に復帰した前後のもの。前者は執筆活動で「わたしもその標的のひとりに加えて欲しい」といわれたのはすでに書いた。
そしてこの作品「闘い」といえど様々ある。
「執筆活動の闘い」「平和を願う闘い」(作者は東京大空襲の経験者・8・15を語る歌人のつどいにも参加していた。)「人間関係の軋轢」もあろう。
それを「捨象」し「表現の限定」「言葉の削ぎ落し」をしている。
2句以下が、鬼気迫る・作者の心情を、「象徴」している。
「表現の限定」「象徴性」佐藤佐太郎の学びなだがら、独自性のある作品となった。
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