僕の住んでいる団地は500世帯(400世帯余)。これが第一住宅と呼ばれる団地で第四住宅まである。そのほかに戸建ての住宅もあり全体で4000世帯になる。これが霧が丘という一つの街を構成している。
この地域に自治会が五つある。管理組合は四つ。全体で連合自治会がある。居住者が多いので意思決定が難しい。少子高齢化で三つあった小学校が一つに統合された。そのとき住民の意見が割れた。行政の決定で一校に統合されたが、管理組合はそうはいかない。団地の共有部分は共同所有だ。鉄筋のマンションはメンテナンスが良ければ100年はもつといわれる。だがメンテナンスには費用がかかる。これが管理費でまかなわれる。
年金生活の人が増え、管理費の負担が大きいひともいる。長く住むつもりがなくてメンテナンスに興味がない人もいる。
だが樹木も樹齢40年近くになり、ソメイヨシノなどは植え替えの時期にきている。またこの団地は造成の前は湿地や荒れ地たったため定期的な施肥の必要もある。僕は植栽理事だからこれに関係する。
植え替えにも伐採にも賛否両論だ。木を一本伐採するにも時間をかけて話し合う。納得できる結論がでるまで。多数決で押し通せない。多数で強行採決でもすれば理事は全員解任だ。だから時間をかけて話し合う。
また多数の意見が必ずしも正しいとは限らない。ヒットラーのナチスは選挙で多数を得て独裁政権となった。ドイツの国民の多数が独裁を望んだ、または許容した。多数の意見で憲法を無効にした。だから多数の意見でも憲法を改正せずに無効にするのは戦後厳しくいましめられている。これが立憲主義である。
安倍総理が言うように、立憲主義は絶対王政の時代のものではない。だから改憲派も含めて大多数の憲法学者、全国すべての弁護士会が戦争法に反対しているのだ。立憲主義の理解できない首相というのは珍しい。というより危険だ。
アメリカのメディアは安倍内閣を「ファシスト政権」と呼んでいたところもあった。香港などの英語圏では「ファシストに日本人が如何にプロテストするのか」注目している。新宿の街頭で香港のドキュメンタリー映画の撮影があったときにそういわれた。(菅・岸田内閣はこの線上にある)
多数決が常に正しいならば「地球は回っている」と言ったガリレオに対する火あぶりの判決が正しかったことになる。多数決で独裁政権が生まれることもある。これを肝に銘じておきたい。