岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

花の香の歌:尾崎左永子の短歌

2022年12月09日 23時49分42秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・影のごとつき(原作は漢字表示)くるものは人ならず闇に沈丁の香を曳く

「尾崎左永子八十八歌」所収。2015年に開催された「色紙展」の出品作。この時点の代表歌だ。

「美しい叙景歌」だ。

「沈丁」は「沈丁花」のこと。咲いている「個別具体的」な「場所」は「捨象」されている。佐藤佐太郎の言う「表現の限定」、作者の言う「言葉の削ぎ落し」。

また。上の句から下の句への転換は「序破急」の「破」、「起承転結」の「転」

つまり、「起承転結」の初句が「起」、二句は「承」」下の句への転換は転結」、「転」下の句全体が「結」

上の句全体が「序破急」の序破急の「序破急」の「序」、の下の句への転換うが「破」であり、下の句全体が「急」なのだ。



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