岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

遠白波の歌:斎藤茂吉の短歌

2022年12月08日 18時10分04秒 | 斎藤茂吉の短歌を読む
・まかかよふ真夏なぎさに寄る波の遠白波の走るたまゆら

「あらたま」所収。

この作品には「佐藤佐太郎の『茂吉秀歌』」、「塚本邦男の『茂吉秀歌・あらたま』、長澤一作の「斎藤茂吉の秀歌」にも記載はない。

 しかし僕には印象的な作品だ。「遠白波」という造語に惹かれるのだ。斎藤茂吉の作品には「造語」がいくつかある。

「逆白波」「遠のこがらし」。「造語」を作れるのは、言葉にたいする「感性」が敏感なのだ。
「美しい叙景歌」だ。

 僕が短歌を始めたころ、尾崎左永子から「造語」もどんどん作りなさい、と言われた。

 僕はまだ一つしか作っていない。第一歌集「夜の林檎」の「夕波がしら」だけだ。斎藤茂吉は「造語」の名手でもあったのだ。



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