
昔から建築保存に結構関わってきた。その中で、いつも、脱力感を味わってきたのが、保存運動者と建物所有者との意見の隔たりだ。
建築物を保存するかしないかは、どんな基準があるのだろう?
国宝に指定されている富貴寺は、総榧と聞く。
国宝になるには、それなりの理由があるはずだ。宮崎県に国宝がないのは、残念なことだけど・・・。(宮崎から出土した国宝はあるけれど)国宝と呼ばれる建物で民家は、全国でも国宝になっていない。ゼロなのだ。文化的基準が民家に対しては、低いのかもしれない。
今は、登録有形文化財と言う制度がある。重文と違って敷居は、低い。でも、宮崎県は、全国で登録件数が一番低いのだ。
単に古いから残せ!と声を上げるのではなく、どのような歴史がその建物にあるのか、その建物の特徴を的確に把握することのできる人材育成が急務と感じている。
これも地道な活動が必要だ。
日向古材本店の仕事を通じてそんな建築に関する人の輪ができると素晴らしい地域になるような気がしてならない。