「選挙なら100議席減」 解散恐怖 政権の求心力!?(産経新聞) - goo ニュース
民主党若手が「ガソリン値上げ阻止」と書いたプラカードを手に続々と国会に集結した30日午前。国会横の
憲政記念館では、
自民党の中川昭一元政調会長が主宰する「真・保守政策研究会」が約300人を集めて中国の人権状況を考えるシンポジウムを開いていた。
テンジン・テトン・チベット亡命政府元主席相「中国によるチベット弾圧は日増しに強まり、ラサの火葬場には毎日のようにトラックでチベット人の遺体が運び込まれている」
チベット関係者らが次々に窮状を訴える中、突如どよめきが起きた。麻生太郎前幹事長が姿を現したからだった。少し遅れて再びどよめいた。今度は安倍晋三前首相だった。
5月6日に中国の胡錦濤国家主席の来日を控え、2人がシンポジウムに出席したことは、中国との融和路線を続ける福田康夫首相への強烈な牽制(けんせい)だといえる。
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ガソリン値下げ騒動、衆院山口2区補選敗北、後期高齢者医療制度への批判、景気失速-。政権を取り巻く環境が厳しさを増す中、首相が胡主席との会談でチ
ベットや毒ギョーザ問題で毅然(きぜん)とした姿勢を示さなければ逆風はさらに強まる。麻生氏らがそう読んでも不思議はない。
野党の攻勢に加え、与党の「福田離れ」も確実に進んでいる。30日の衆院再議決は民主党が欠席戦術をとったため大きな混乱はなかったが、「混乱の序章にすぎない」との見方が強い。
次に来る大きなヤマ場は5月13日に予定される道路整備特措法案の衆院再議決だ。揮発油税を10年間道路特定財源と定めるこの法案は今年度の予算執行に
欠かせないが、首相が掲げる来年度からの道路特定財源の一般財源化方針と矛盾する。参院で法案修正が困難なため首相は一般財源化方針を閣議決定し、国民の
理解を得たい考えだが、民主党は参院で首相の問責決議を可決し、一気に政権を追い込む構えを見せる。
首相は30日の会見で「野党の人にはよけいな混乱を起こさないよう対応してもらいたい」と余裕をみせる場面もあり、「サミットまでこらえれば首相の展望は広がる」(閣僚経験者)との見方もある。
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もう一つのヤマ場は会期末(6月15日)に訪れる。今国会の政府提出法案は79本。成立は24本、30日現在で衆院に29本、参院に26本が残る。この
うち会期末までに参院送付60日を超え、衆院再議決が可能なのは4本。参院の残り22本を成立させるには6月末まで会期延長し、3度目の再議決に踏み切る
しかない。
この時点で内閣支持率がさらに下落していたら、自民党内に首相の「サミット花道論」が強まることは避けられないだろう。
これを封じようとする動きもある。森喜朗元首相と青木幹雄前参院議員会長は27日夕、首相公邸を訪れ、首相に会期延長せずにサミット前に内閣改造するよ
うに説いたとされる。人心一新による政権浮揚が狙える上、麻生氏らを閣内に取り込めば倒閣の動きを封じることができるからだ。
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だが、落とし穴がある。参院が会期末で廃案にすれば、次期国会で政府は一から再提出を迫られる。参院が法案の継続審議に応じて会期を閉じても、参院先議
のため、次期国会で法案を即座に否決する公算が大きい。そうなれば同一国会で同一法案を審議しない「一事不再議の原則」で、法案の再提出が不可能となりか
ねない。
幾重ものハードルを越える秘策は見あたらない。首相の唯一の求心力は「解散への恐怖感」となってしまった感がある。小泉純一郎元首相は30日の本会議場で、そんな自民党議員の心理を見透かしたかのようにこう言い放った。
「まあ、総選挙をやったら自民党は100議席は減らすだろうな!」
(石橋文登)
保守記事.330 福田、吼える
保守記事.330-2 民主党が好きだ!というわけではないと思うが