Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

乱と鏡(ニシキキュウセン)

2018-07-16 20:44:46 | ベラ科

灼熱~で、ベタ凪~な日が続いてますやんばるです。

本日もコンディション良好な真夏日でした。

次の週末に台風が接近する予報もでたりしてますが、まだ数日はこのコンディションで楽しめそうです。

風は東。快晴。

■■

『承久の乱』ってご存じですか?

鎌倉時代の承久3年(1221年)に、後鳥羽上皇が鎌倉幕府執権の北条義時に対して討伐の兵を挙げた兵乱です。

まあ、後鳥羽上皇は敗れてしまうのですが。

この兵乱は、日本史上初の朝廷と武家政権の間で起きた武力による争いなのだとか。

そして実は争いによって、北条義時は朝廷を武力で倒した唯一の武将として名を残しているのだそう。

この後朝廷を監視するための幕府の出先機関、『六波羅探題』が京都に設置されたりして、朝廷と幕府の力関係が完全に逆転してしまった切っ掛けでもあります。

この件は少し置いておいて…

『万華鏡』ってご存じですよね?

内部に鏡を張った筒を通して、移動するビーズなどの着色された細片が描き出す図形模様を見て楽しむ玩具。

そもそもはスコットランドの科学者、ディヴィッド・ブリュースターが偏向の実験の途中で発見したものなのだとか。

江戸時代には、既に日本に輸入されていたのだそう。

万華鏡は英語でカレイドスコープ(kaleidoscope)ですが、このカレイド(kaleido)は古代ギリシャ語の『kal(美しい)』と『eidos(形)』からできた造語で、kaleidoscopeは『美しい形を観賞する装置』という意味になるのだとか。

ところで、『承久の乱』と『万華鏡』にはある共通するキーワードがあるのですか、思いつきますか?

実は承久の乱では、日本史上初めて『錦の御旗』すなわち朝敵を討伐する証として官軍が掲げる旗が使用されたのだそうです。

そして万華鏡は、別名『錦眼鏡』とも呼ばれたりします。

そう、キーワードは『錦』です…。

■■

さて…

〈ベラ科カンムリベラ亜科ホンベラ属ニシキキュウセン Halichoeres biocellatus 18年6月8日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

『錦』は、様々な色糸を用いて織り出された絹織物の総称。または、その絹織物のように鮮やかで美しいもの指して用いる言葉。

本種は雄と雌で体色・模様が違いますが、どちらも『錦』に相応しい鮮やかな美しさを持っていると思えます。

学名種小名は、『二つの小さな眼のある』の意。

画像の幼魚や雌の背鰭にある2個の眼上斑のことでしょうね。

 

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百眼巨人(ホシテンス)

2018-02-09 18:57:47 | ベラ科

久しぶりに過ごしやすい感じだった本日のやんばるです。

日差しも十分だったし、後半は南寄りの風になって、気温も20℃まで上がりましたし。

インターバルも寒さに震えることなく、心地よく過ごせました。

風は北東のち南東。曇のち晴れ。

■■

その巨人は全身に100の眼を持ち、それらの眼は交代で眠るのだそう。つまり巨人自身は眠らないのだという。その眼のいくつかは背後にも向けられているため、巨人には時間的にも空間的にも死角がないのだそうです。

これは、ギリシャ神話に登場する〈アルゴス〉という名の百眼巨人のこと。

彼はギリシャ神話の主神〈ゼウス〉の正妻である〈へーラー〉に使えていました。そして〈へーラー〉の命を受けて、様々な英雄的な活躍をした巨人です。

ところがその後、〈ゼウス〉の不倫問題を巡る〈へーラー〉との諍いに巻き込まれ、なんだかんだで〈ゼウス〉の部下の〈ヘルメース〉に首を切り落とされて殺されてしまうという、かわいそうな巨人でもあります。

〈へーラー〉はアルゴスの死後、彼を悼んで百個の眼を取り外し、自身の飼っていたクジャクの尾羽根に飾ったのだとか。こうしてクジャクはその尾羽根にたくさんの眼を持つ姿になったのだそうです。

不倫って、神話の時代からあったんですねぇ…。

■■

さて…

〈ベラ科モチノウオ亜科テンス属ホシテンス Xyrichtys pavo 18年1月8日 沖縄島新里〉

画像は幼魚。

学名種小名は『クジャク』の意。

成魚の色合いがクジャクのよう、ということのようですが、僕的には今一つしっくりこない感が…。

眼の数も圧倒的に少ないですしね。

ところで、クジャクは「イヤーン、イヤーン」と鳴くのだそう。

百眼巨人が首を切り落とされるときに「イヤーン、イヤーン」と泣いたという……

……伝説はもちろんありません。

 

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壊色を纏う(ケサガケベラ)

2018-02-05 19:15:20 | ベラ科

寒い…そして雨…、な本日のやんばるです。

最高気温が12℃…。

明日は日差しがありそうなので、体感は少し温かく感じられるかなぁ…。

週の後半になれば、気温が上がりそうな予報です。

風は北西。雨。

■■

『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』

なんて諺がありますが、これは江戸時代の〈寺請制度〉といものが背景にあるのだとか。

江戸幕府が僧侶を通じた民衆管理を法制化したものだそうで、そのため僧侶の権力が強まり、汚職の温床にもなったよう。

それで、この当時に実際に僧侶を憎む人も多かったといわれているのだとか。

そしてお坊さんを憎いと思うあまり、そのお坊さんが身に着けている袈裟まで憎くなるというわけですね。

つまりはこの二つは、僧侶といえば袈裟、袈裟といえば僧侶、というような切っても切れない関係。

特に日本に伝わったあとの仏教においては、僧侶を表す装飾的な衣装で、僧侶の位階や特権を表すものになったそうです。

ということは、本来は違ったわけです。

袈裟はサンスクリット語の『カシャーヤ』を音訳したもので、『壊色』を意味します。

壊色とは、染め直された(これを染壊というのだそう)色のこと。

出家僧侶は財産等の私有物を持つことを禁止されていたので、その衣装も捨てられたぼろ布を綴り合わせて、染め直して身に纏っていたのだそうです。

今と大きく違う感じですね。こんなものなら、坊主が憎くても袈裟まで憎くならないだろうな。

いやこんな感じなら、そもそも僧侶自体を憎くならないですね。

■■

さて…

〈ベラ科タキベラ亜科タキベラ属ケサガケベラ Bodianus mesothorax 18年1月8日 沖縄島新里〉

画像は幼魚。

変化系幼魚で、だから所謂袈裟懸け模様はまだ纏っていません。散々袈裟の話をしておいてなんですが…。

まあ見ようによっては、布きれを綴り合わせた本来の袈裟を纏っているように思えたりも……。

学名種小名は『中庸の胸の』の意。

中庸とは、かたよることなく、常に変わらないこと。過不足なく調和がとれていること。またそのさま。

そんなような胸をしているのでしょうか…、ってどんな胸でしょう。

 

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にわび…(トモシビイトヒキベラ)

2017-10-16 19:28:02 | ベラ科

台風20号は予報通り西進し、熱帯低気圧になりました。

それと入れ替わるように台風21号が発生…。

こちらは発達しながら北上しそうです。

まだ遙か南の海上なので、その進路もハッキリとしていませんが、次の週末辺りに影響が出るかもしれません。

それはさておき本日は気持ちのいい空模様、なかなかにムシッとした真夏日だったやんばるです。

風は南東~東。晴れときどき曇。

■■

『火』とは、熱と光を出す現象のこと。

化学的には、物質の燃焼(急激な酸化)に伴って発生する現象、あるいは燃焼の一部と考えられている現象のことなのだとか。

ヒト属の火の使用の開始は170万年前~20万年前までの広範囲で諸説あるそうです。

何にしても、火の使用によってヒトの生活は劇的に変化したのは確かなことでしょう。

熱は調理や暖房に。

そして光は明かり、すなわち灯火(ともしび)として。

ヒトが初めて用いた灯火は、たき火であっただろうといわれています。

たき火は、古くは『庭燎(にわび)』と呼ばれ、夜間庭で焚いた照明。

『庭燎とは、宮中の庭で、夜中参内の諸臣のために焚いたかがり火』という解説もありますけど、これは平安の頃のことでしょうか。

灯火は、実用的な役割だけではありませんよね。

記紀の『天岩戸』の挿話で登場して以来、儀式的に重要な役割を担うことも。

また、たき火を眺めていると、ゆったりとした気持ちになったりしますよね。

たき火の炎の揺れには1/fゆらぎがあり、癒やしやリラックス効果があるのだそうですよ。

■■

さて…

〈ベラ科モチノウオ亜科イトヒキベラ属トモシビイトヒキベラ Cirrhilabrus melanomarginaus 17年9月4日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

雄の背鰭軟条部の鮮やかな朱色を、灯火に見立てたのが和名の由来なのだそう。

だから画像の個体は、まだ〈トモシビ〉を纏っていません。

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

学名種小名は『黒い縁取りのある』の意。

成魚背鰭外縁部の暗色縦帯のことでしょうから、この特徴もまだ纏っていなかったり…。

 

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桜の樹の下…(オグロベラ)

2017-03-10 19:48:41 | ベラ科

雨交じりの一日だったやんばるです。

気温も低めだったので、体感的には少し厳し~感じに…。

明日まではこんな感じが続きそう。

その後はググッと気温が上がってくれそうですけど。

風は北東。曇のち雨が降ったり止んだり。

■■

今朝のTVの天気予報で、桜の開花予想を目にしました。

そんな季節なんですね。今月の20日過ぎ辺りから、各地で桜が開花するような予想でした。

といっても、当地ではもうとっくに開花してますが…。

気象庁の発表によると、那覇で1月14日に開花したそうですから。

もっともこの桜は、〈ヒカンザクラ〉ですけど。

一般的に〈桜〉といえば、それは〈ソメイヨシノ〉ですよね。

ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラが交雑してできたハイブリッドなのだとか。

そしてすべてのソメイヨシノは単一の樹を始源とするクローンなのだそう。

そのために、すべてのソメイヨシノが一斉に咲き、一斉に散るのだとか。

でもそれこそが、ソメイヨシノの最大の魅力だと思えるのですがどうでしょう。

■■

さて…

〈ベラ科カンムリベラ亜科オグロベラ属オグロベラ Pseudojuloides cerasinus 16年2月4日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

幼魚のみが纏う線条模様が綺麗です。

■■

学名種小名は『桜の、桜の樹の』の意。

桜の…、だと咲き誇る花々や、舞い散る花々の美しい光景が思い浮かびます。

でも桜の樹の…、だとおどろおどろしいイメージが浮かんだり。

梶井基次郎の〈桜の樹の下には〉の影響ですね。

『桜の樹の下には屍体が埋まっている!』

という有名すぎる一文の印象が、強すぎるので……。

 

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南の島の娘(シチセンムスメベラ)

2017-02-07 19:35:55 | ベラ科

特に寒さは強くありませんでしたが、期待したほどの日差しもなかった…

そんな本日のやんばるです。

海はうねりありでしたが、それも特に強くもなく。

ただ週の後半にかけて、強すぎる寒さが迫っているようで…。

最低気温10℃、最高気温15℃なんて数字が予想されていたり。

まあこの冬はここまでの寒さはまだなかったので、とうとう来たかって感じですね。

風は北東。曇ときどき日差し。

〈ベラ科カンムリベラ亜科カンムリベラ属シチセンムスメベラ Coris batuensis 17年1月11日 沖縄島安和グスク〉

画像は幼魚。

幼魚ステージのときにのみ纏う鮮やかな赤い斑点模様が綺麗です。

■■

〈ムスメ〉は〈娘〉ですよね。

〈娘〉の〈むす〉は『生す・産す(むす)』で、「生じる」「発生する」「生まれる」を意味するのだとか。

〈め〉は『女(め)』で、〈生まれる女〉つまりは親子関係における女の子を表しているのだそう。

これはもちろん〈息子〉と対になっていて、〈息子〉の〈むす〉も同じ意味なのだとか。

因みに、『君が代』の歌詞の「苔のむすまで」の〈むす〉とも同じなのだそうです。

〈娘〉には『未婚の若い女性』という意味もありますけど、〈息子〉には『未婚の若い男性』という意味は見当たりません。

〈未婚の若い女性〉つまりは〈産むことのできる女性〉という意味も含んでいるのではないか…とかは考えすぎかな…。

■■

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

学名種小名の語尾には[ensis]があり、これはタイプ産地を表す接尾辞ですね。

本種のタイプ産地はインドネシアのBatu島。

南国の島の娘…という感じですか。

と書くと、まもなく公開されるディズニーのアニメーションの主人公がイメージされたり…。

 

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配偶子としての閃光(イナズマベラ)

2017-01-13 20:12:00 | ベラ科

北風強めで寒~い本日のやんばるです。

まあ、日本中が寒いようですが…。

まだ2~3日この寒さが続きそう。

24℃の海水が温~く感じる週末になりそうです。

風は北~北西。雨のち曇。

〈ベラ科カンムリベラ亜科ホンベラ属イナズマベラ Halichoeres nebulosus 16年11月28日 沖縄島安和グスク〉

画像は幼魚。

まだ色彩・模様を纏い始めたばかりです。

■■

イナズマは現代では『稲妻』と書きますが、その昔は『稲夫』とも書いたのだそうです。

もちろん『稲夫』と書いても〈イナズマ〉と読みます。

元々の大和言葉の〈いなずま〉は、〈いなづま〉でもあります。

因みにこのPCでも、〈いなずま〉からでも〈いなづま〉からでも『稲妻』に変換できます。

〈つま〉の部分は、夫婦や恋人が互いに相手を呼ぶ言葉で、つまり男女に関係なく配偶者を表す言葉なのだとか。

古代、稲が開花し結実する時期に、雨に伴い雷がよく発生したため、雷光が稲を実らせるという信仰が生まれたのだそう。

それで、雷光のことを稲のつま(配偶者)という意味で『稲夫』と呼び、現在はつまの字に妻を用いる『稲妻』になったということ。

古代には稲妻は『稲交接』とも呼ばれ、元来の意味は「稲の夫」だったとか。

で、僕の勝手なイメージですが、雷光は稲の配偶者というよりは、稲を実らせるための配偶子と考えられていたのではないでしょうか。

「稲の夫」ですから、この閃光は雄側の小さな配偶子でしょうね。

それが稲、つまり雌側の大きな配偶子と出会うために交接している。

古代の人は、雷の閃光を見てそんなことを思っていたのではないでしょうか。

雄側がピカッと一瞬だけ光って消えるというのがなんというか……。

■■

え~と、さて…

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

雷は、雲と雲の間、あるいは雲と地上との間の放電によって、光と音を発生する自然現象。

すると雲あるいは曇り空とは強い繋がりがあるということでしょうか。

本種の学名種小名は『曇った』の意。

繋がってますか…? 微妙すぎますか…。

 

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笑顔の祭り…(セジロノドグロベラ)

2016-10-21 18:58:32 | ベラ科

相変わらず暑~い日が続いてますやんばるです。

強く鋭い陽光にタップリと湿った南風…、もちろん真夏日。

夏っぽい不安定な空模様で、ときおりザーと雨が降ったりしてますが、それでも暑い…。

10月の真夏日の日数(那覇)は、これまで15日が最高記録だったそう。

しかしながら、今年は今日で14日に達していて、このままの予想だと20日を越えそうなのだとか。

まだまだ、当地の夏は終わりそうにありません…。

風は南。晴れ、一時雨。

〈ベラ科カンムリベラ亜科ノドグロベラ属セジロノドグロベラ Macropharyngodon negrosensis 16年9月5日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

フィリピンで4番目に大きな島には、〈微笑みの都市〉と呼ばれる都市があるのだそう。

そしてそこでは〈微笑みの都市〉を象徴するお祭りが、毎年開催されているのだとか。

不遇な出来事が続いていた25年前に、皆を元気にしよう、相次ぐ不運から抜け出そうとして始まったお祭りなだそう。

その祭りの名は〈マスカラ・フェスティバル〉

マスカラとは、『大勢の顔』という意味だそうで、カラフルな仮面とカラフルな衣装を纏ったたくさんのダンサーが、ラテンのリズムで踊るのだとか。

興味にある方は、〈マスカラ祭り〉で画像検索してください。

たくさんのカラフルな笑顔の仮面に出会えるはずです。

かなりハッピーな気分にさせてくれますよ。

さてこの〈微笑みの都市〉バコロドがある島の名は、ネグロス島。

で、本種の学名種小名は『ネグロス島の』の意。

ネグロス島の近海でタイプ種が採取されたのでしょうか。

もうこれからは、本種を観るとカラフルなスマイルを連想せずにはいられなくなってしまったなぁ…。

 

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まだできない…(ヒレグロベラ&キツネベラ)

2016-06-28 18:53:42 | ベラ科

連続して発生した熱帯低気圧は、結局どちらも台風1号にはならず…。

これはいよいよ7月まで発生しないのかなぁ…。

ただ発生したとしても、太平洋高気圧の張り出しが強く、沖縄島に近づけそうにありませんが。

その高気圧の勢力のために、沖縄近海の海水温は高温のまま推移している模様。

サンゴが心配です…。

いや、サンゴだけではなく人間にも影響が。

高い海水温のせいで夜になっても気温が下がらず、夜間熱中症に注意が必要なのだそう。

暑すぎる夏になってきたやんばるです。

風は南。晴天。

〈ベラ科タキベラ亜科タキベラ属ヒレグロベラ Bodianus loxozonus 16年5月11日 沖縄島安和グスク〉

画像は幼魚。

本種には、幼魚ステージの姿がとてもよく似た近縁種がいます。

〈ベラ科タキベラ亜科タキベラ属キツネベラ Bodianus bilunulatus 16年5月9日 沖縄島安和〉

画像はもちろん幼魚。

この2種は成魚もそんなにかけ離れた姿をしているわけではありませんが、それでも幼魚は相似的なくらいに…。

そして同じ時期に出会う印象。

もう生存戦略的な意味を感じずにはいられませんよね。

混泳している印象はまったくありませんが、それでもほぼ同じ姿を纏うことで、有利に働く何かの効果が得られるのでしょうか。

日本産のタキベラ属は16種いるのに、何故この2種にだけ、このような淘汰圧的なことが起こったのでしょう。

あるいはこの色彩・配色に意味があって、この2種がそれを手に入れたという可能性はどうでしょう。

けれどこの2種はここからの成長過程のステージも、とてもよく似た姿をしています。

だからやっぱり、相似的であることに意味があるのでしょうね。

 

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気持ちいい陽気(ヤマシロベラ)

2016-03-04 18:44:12 | ベラ科

日差したっぷりで、気持ちのいい陽気になった本日のやんばるです。

暖かい風は南寄りで、夏っぽかったり…。

朝一で雨に降られましたが、ごく短時間に強く降る雨で、それも夏っぽかったり…。

なんにしても、春爛漫な感じの一日でした。

風は東~南東。晴れ、一瞬だけ雨。

〈ベラ科カンムリベラ亜科シラタキベラダマシ属ヤマシロベラ Pseudcoris yamashiroi 16年2月3日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

山城とは、険阻な山を利用して築かれた城。

本種も険しい地形に造られた城のような形態……な訳はなく、名字の山城が和名の由来。

学名種小名も、〈 yamashiro + i 〉 つまりは山城さんへの献名ですね。

山城は沖縄県に多い名字で、沖縄の名字ランキング第10位だったり。

電話帳の掲載件数によると山城さんの数は2382人だそうで、那覇市が最も多く372人なのだそう。

というわけで、件の山城さん、那覇市で英語の先生をしていた方なのだとか。

本種は当地に縁の深い魚だったり。

ちなみに…

その昔、京都府の南部は山城国と呼ばれていました。日本の地方行政区分が令制国だった頃の話。

で、この地は僕の出身地。

そういう意味で、僕的にも縁を感じたり感じなかったり…。

まあ、どちらにしてもごくごく薄い縁でしょうが…。

 

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三度目の…(キツネベラ)

2016-02-23 18:38:26 | ベラ科

前半少し雨交じりでしたが、過ごしやすい暖かさっだ本日のやんばるです。

今日は十六日際(ジュールクニチー)。

グソー(あの世)の正月といわれ、新正月・旧正月に続いて、当地では三度目の正月行事ごとをする日。

お正月が三度もあるのか、と驚いてはいけません。

二十日正月(ハチカソーグヮチ)という四度目の正月もありますから…。

風は南西のち北西。雨のち曇。

〈ベラ科タキベラ亜科タキベラ属キツネベラ Bodianus bilunulatus 15年1月8日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『二つの新月』の意。

画像のような幼魚の黒い横帯が、成長とともに下の方から消えて上部に楕円黒班が残ります。

これが新月のことなのでしょうね。両側の尾丙部に黒い月を纏ったベラです。

さて…

月はご存じの通り地球の衛星。

地球の衛星は一つだけですけど、宇宙には二つ以上の衛星を持つ惑星がいくつもあります。

例えば木星は67個、土星は64個だったり。

試しに、『衛星が二つの惑星』というキーワードで検索してみると……

ヒットしたのは、地球でした。

なんでも2006年11月~2007年9月までの間に、太陽を公転している小惑星が地球接近時にその重力に捕らわれ、地球を3周しているのだとか。

つまり一時的に地球の衛星が二つになっていたというわけ。

この小惑星は、2028年に再び地球の一時的な衛星になる可能性があるのだそう。

10年前に地球の衛星が2個になってたときがあったなんて、全然知りませんでした。

 

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明日はもう…(ホシテンス)

2015-11-30 18:25:16 | ベラ科

11月の最終日は日差しタップリな日になったやんばるです。

まあ風もたっぷりな感じでしたが…。

明日からはもう師走、年末ですねぇ。

早速明日の夜には忘年会が……。

風は北東。晴れ。

〈ベラ科モチノウオ亜科テンス属ホシテンス Xyrichtys pavo 15年10月26日 沖縄島安和ナナ〉

画像は幼魚。

学名種小名は『クジャク』

画像のような幼魚はもちろん、成魚の姿からもクジャク的なものは発見できないのですが。

クジャクの雄はその美しい羽にたくさんの目玉模様を持っていますが、本種の方は若魚時代の背鰭に二個、成魚になってからの体側上部に一個…。

眼状班は共通項とはいえないですよね。

クジャクは『ランナウェイプロセス』と『ハンディキャップ理論』という性淘汰・自然淘汰の学説を持ってますが、本種の方にはそういう説に関係するような生態があるという話も聞きませんし…。

クジャクはその食性から仏教の信仰対象に取り入れられたりもしてますが、もしや本種も仏教の信仰対象になってたりするとか?

まさかね…。

 

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寒い…(ニシキキュウセン)

2015-11-27 17:56:53 | ベラ科

寒い…、そして寒い…、な本日のやんばるです。

今日の最低気温が17℃。

最高気温が18℃。

1℃って、上がったとはいえないですよね。

なんでも1月下旬並みだったとか。

突然真冬がきた感じです。

新しいロクハンができあがってたのに、受け取りに行ってなくて…。

今日の帰りに慌てて取りに行きました。

もっとも、明日からはまた暖かくなっていくみたいですけどね…。

風は北。晴れときどき曇。

〈ベラ科カンムリベラ亜科キュウセン属ニシキキュウセン Halichoeres biocellatus 15年10月22日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『二つの目玉模様』の意。

雌や幼魚の背鰭に二個の眼状班がありますから。

二つの目玉って、なにかすごく当たり前のような気がしたりもしますが、これは人間的な感覚でしょうか。

例えばクモなら、8個の目を持つ種が一般的ですから。

さらには幼魚には尾丙部にもう一つ丸い黒色班がありますから、三つの目玉になってるようにも思えたり。

 

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上下動…(カマスベラ)

2015-09-12 18:24:59 | ベラ科

本日の早朝は、涼しいを通り越して肌寒~い感じに。

放射冷却していたのだそうで…。

放射冷却するということは雲がまったくなかったということで、空は澄んだブルーでした。

遠くからアカショウビンの鳴音が聞こえてきて、気持ちいい~一日の始まりだったり。

で、そこからぐんぐん気温が上がって、日中は真夏日に。

寒暖の上下動が激しい、この頃のやんばるです。

風はおおむね北。快晴。

〈ベラ科カンムリベラ亜科カマスベラ属カマスベラ Cheilio inermis 15年7月23日 沖縄島新里〉

画像は幼魚。

学名種小名は『肘掛けのない、権限のない、武装していない、丸腰の』って意。

どれも???って感じですが、ほかにも意味はあって『刺針のない、トゲがない』ことを表したりも。

まあ、こっちのことなのでしょうが、何のトゲのことなのかなぁ…。

検索ってみたけど、判明せず。

さらにここまでのくだりは、前回カマスベラの幼魚をアップしたときに書いたこととほとんど同じなことに気づいたり…。

しかも画像の撮影時期もほぼ同じだったり…。

まったく成長も学習もしてないなぁ……。

話はガラリと変わって…

和名の方はカマスに似たベラだからカマスベラ。

本家カマスは、サンマよりも早く秋の訪れを告げる魚なのだとか。

茄子と同様に、『秋カマスは嫁に食わすな』という諺があるほど、秋には脂がのって白身の上品な味になるのだそう。

そういえば、最近よく水中でカマスに出会ってたりするなぁ。

秋の訪れを告げられてたりするのかな。

もっとも最近よく出会ってるのはオニカマスですけど。

オニカマスも、上品な味になってたりするのかな……。

 

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凪凪…(シロタスキベラ)

2015-08-04 18:25:04 | ベラ科

眺めてるだけで幸せな気分になるような凪が続いてますやんばるです。

陸上は猛烈に暑いけれど、夏っぽさが増幅されてそれも気持ちよかったり。

しかしながら最強クラスの猛烈な13号がヒタヒタと接近中。

予想進路によると八重山の西側を北上しそうですが、それでも明後日の沖縄島の波高は6m。

今日の鏡のような水面からは、ちょっと信じられないくらい…。

まあ7月後半から潜りまくってて、左耳に激痛が張り付いてるので、僕的にはいいタイミングなのかもしれませんが。

海水温がまた上昇しすぎてる感があったりもしますし。

風は北東。快晴。

〈ベラ科カンムリベラ亜科シロタスキベラ属シロタスキベラ Hologymnosus doliatus 15年6月16日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

成魚とは、体色・模様がまったく違う変化型幼魚。

ベラ科の幼魚は、目立つ色彩で不思議な動きをするものが多い印象ですが、この子もそう。

頭と尾を交互に上下に振るように動いてみたり、逆立ち姿勢のまま揺られてみたり。

赤褐色の縦縞と相まって、被写体としては非常に目に付きます。

きっと何かを模していると思えるのですが…何だろう…。

ところで、2~3個体でこの不思議な動きをしてる本種幼魚たちに出会うこともありますが、その姿はコミカルに踊ってるように見えたりも。

 

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