Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

衣に垂れ下がる飾り(シロブチハタ)

2022-11-22 19:48:57 | ハタ科

気持ちのいい青空で始まり、お昼過ぎにはちょうどいい曇り空になり、午後からはたっぷりの雨模様になった本日のやんばるです。

まあ風は南寄りで、気温は夏日でしたけど。

この先も日によってガラリと変わる空模様になりそう。

気温は夏日前後で推移しそうです。

風は南東~南。晴れのち曇、のち雨。

■■

『縁』

『えん』あるいは『ふち』あるいは『へり』あるいは『よる』あるいは『ゆかり』あるいは『えにし』あるいは『よすが』……

と様々な読み方が出来るこの漢字。

もともとは『ふち・へり』の意味だったのだとか。つまり物のまわりの部分。ふちどりしたりして他と区別出来るような周囲の部分のこと。

『縁』という漢字は『衣の周囲に垂れ下がる飾り』を表現したといわれているのだとか。

つくりの部分が頭の大きなブタを形どっていて、大きなブタほどお腹が膨らんでいるので、『垂れ下がる』という意味があるのだそう。

それに糸を組み合わせることによって、前述のような表現になったのだとか。

そしてこの衣と飾りの関係をとらえて、『つながり・めぐり合わせ・かかわり合い・結びつき』等を表す意味へと派生したのだそうです。

何だか、豊かで深い言葉に思えたり……。

■■

さてこの子の『ふち』は……

〈ハタ科ハタ亜科マハタ属シロブチハタ Epinephelus maculatus 22年10月21日 沖縄島安和〉

学名種小名は『斑点のある』の意。

この斑模様は眼径大の黒色円形斑のことで、和名のシロブチは『白斑』ではなく『白縁』なのだとか。

それは黒色円形斑の周りが白く縁取られて網目状になっていることに因んでいるそうです。

でも背部に目立つ白色斑もあるんですけどねぇ……。

 

 

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white spot(ハクテンハタ)

2022-10-18 10:57:56 | ハタ科

昨日の午後から断続的に強雨が……、夜には北寄りの風が強まり……、本日は11月並の気温……。

というややコンディションハードな一日になったやんばるです。

まあ、明日からはまた気温が上昇し、週の後半には晴れ空の夏日になりそうですけど。

日差しぶりにガッツリ雨に降られた感じで、それはそれで新鮮でしたけど、やっぱり晴れ空の方がいいですから……。

風は強めの北~北東。雨のち曇。

■■

『白点』

鋼材に生じる破壊の原因となる欠陥のこと。破面に白斑を生じることからこの名前があるのだとか。

あるいは……

胡粉や白墨で加点した訓点のこと。

胡粉? 白墨? 訓点? って感じになりました? 僕はなりました。

胡粉とは、東洋画に用いられる白色顔料の一種。貝殻を焼いて粉末にしたものだそうで、ようは日本画の絵具。

白墨とは、高温度で粉末にした焼石膏を棒状に固めたもの。ようは黒板に字を書くのに使うチョークのことです。ところで今も学校では黒板とかチョークって使われているのでしょうか?

訓点とは、漢文訓読のために原漢文に記入した文字や符号の総称。句読点、返り点、送り仮名、振り仮名なんかですね。

なんでも漢文訓読は飛鳥時代からあったそうで、仏教伝来と共に漢文の読解が必要になったということなのでしょうか。

現在型の学校教育における漢文訓読法は、明治の末年に確立されたのだそう。それまでは地域によって異なるスタイルの漢文訓読が行われていたのだとか。

というか、今も学校で漢文訓読ってやっているのでしょうか?

僕は遙か昔にやった記憶がうっすらと残っていますが、今はたぶん読めないだろうなぁ……。

■■

で、白点といえば……

〈ハタ科マハタ属ハクテンハタ Epinephelus coeruleopunctatus 22年9月12日 沖縄島安和〉

画像は幼魚~中成魚って感じでしょうか。

学名種小名は『青い(黒ずんだ)斑点のある』の意。

和名と斑点の色が違うのですが……。

 

 

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斑紅葉(ムラモミジハナダイ)

2022-01-11 20:10:15 | ハタ科

雨で始まった今日は時間と共に青空が広がる一日になりました。

ただ風はどんどん強まっていき、気温もどんどん下がる一方。

海のコンディションも陸のコンディションも厳し~感じに…。

明日は朝から晴れそうですが、今日と同じように寒~い一日になりそう。

風は弱まるので、体感は違ってくるかもしれませんが…。

風は北西、後半やや強め。雨のち曇、のち晴れ。

■■

『紅葉』

『こうよう』と読んだり、『もみじ』と読んだり。

植物の緑葉が秋に紅色に変わる現象のこと。あるいはその紅色になった葉のことですね。

メカニズム的には、葉にできるアントシアンなどの色素が、離層の形成によって移動を妨げられ蓄積して起こると考えられているのだとか。

まあ、葉の中に赤い色素が作られると言うことですね。

何故赤い色素が作られるのかをザックリ言うと、秋になると光合成で得られるエネルギーより葉を維持するエネルギーの方が大きくなるので、葉を落とした方がエネルギー効率が良くなるわけです。で、葉を落とすのですがその際になんだかんだで有害物質が生産されてしまうのだそう。で、その有害物質の生産を抑制するために葉を赤く染めるのだとか。

つまり自身(葉以外の組織)を守るためなのですね。その姿を愛でて、僕らは愉しんでいるわけです。ちょっと申し訳ない気も…。

『紅葉』を『こうよう』と読むのは分かりますが、『もみじ』と読むのはどうしてでしょう?

『もみじ』というのは、草木の葉が赤、または黄色になるという意味の『もみず』という動詞に由来しているのだとか。

さらに『もみず』は染め物の『揉み出づ(もみいづ)』が語源なのだそう。

つまり染色したように紅く染まるからということのようです。

『紅葉』は秋と冬の季語。様々な表し方がありますね。『初紅葉』や『薄紅葉』、『照る紅葉』とか『散り紅葉』とかも。

そして『斑紅葉(むらもみじ)』という言葉も。

『斑紅葉』とは木々が色の濃いところ薄いところと、まだらに紅葉している様子を意味するのだそうです。

■■

むらもみじって綺麗な響きに思えるのですが…

〈ハタ科ハナダイ亜科イズハナダイ属ムラモミジハナダイ Plectranthias longimanus 21年11月4日 沖縄島安和〉

学名種小名は『長い手の』の意。

学名Plectranthias longimanusは、少し前までチビハナダイという和名でした。

2019年にチビハナダイの学名がPlectranthias nanusになり、P longimanusにはムラモミジハナダイという和名が与えられました。

 

 

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昔は刀、今は電話(キハッソク)

2020-10-13 19:10:48 | ハタ科

風は北からの涼風ですが、それを上回る鋭い日差しで暑さの方が勝っていた本日のやんばるです。

何だかあちらこちらにポコポコ熱低が発生してたり、する予想だったり、台風にまで発達してたり…な感じですが、沖縄島には直接的には影響してません。

波の予報はここ最近ずっと波高に『うねりあり』がくっついてますけど、これは間接的な影響でしょうか。

もっとも、うねりはそんなに強くなく、凪の範疇と言ってもいいようなレベルですが。

数日前からオオシマゼミの鳴音が盛大に聞こえるようになり、その点では秋の深まりを感じたり…。

風は北~北東。晴れ。

■■

『世帯』

住居および生計を同じくする者の集まり。あるいは、一戸を構えて独立の生計を立てること。または、生活に必要な家屋と家具。

『世帯を持つ』とか『世帯道具』なんて言葉もありますね。

同じ意味に『所帯』という言葉がありますが、こちらが元々で、明治期に『所帯』が転化して使用されるようになったのが『世帯』なのだとか。

その『所帯』の本来の意味は、『身に帯びているもの』のことで、持っている財産や得ている地位などのことを差していたのだそう。

所領・官職・身分を表すのが原義で、これらの字面からも何となく推測できますが、その語源は鎌倉時代の荘園における土地財産を意味していたのだとか。

帯にはそもそも着物を身体に固定するという機能の他に、道具を装用するという機能があり、その歴史は衣類自体よりも古いと考えられているのだそう。

初期の形態としては、裸体に腰紐を巻き、そこに狩猟に用いる道具を差していたことが始まりなのだとか。

まさに太古から人類は帯を巻いていた、って感じですか。

身に帯びる物と言えば、一昔前なら刀ですね。身体に最も近いところに置くので、『刀を帯びる』と言うのだそう。

今なら携帯電話ですね。腰には差しませんが。というか携帯電話という言葉もそろそろ死語でしょうか…。

電話=スマホな時代ですから…。

■■

さて…

〈ハタ科ハタ亜科キハッソク属キハッソク Diploprion bifasciatum 20年8月21日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『二つの帯のある』の意。

成魚では眼と体中央付近に暗藍色の黄帯を纏っています。

この子はまだ帯びていませんね…。

 

 

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歯の動詞化(ハナゴイ)

2019-08-20 20:28:10 | ハタ科

早朝までは雨交じりでしたが、日中は陽光が鋭かった本日のやんばるです。

熱帯低気圧が東シナ海を北上中なのですが、特にそれを感じることもなく…。

また南の海上には、もう一つ熱帯低気圧が。

こちらは数日以内に台風に発達しそうです。

沖縄島には接近しない予想ですけど。

風は南東。晴れときどき曇。

■■

『瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして思はゆ 何処より 来りしものぞ眼交に もとな懸かりて 安眠し寝さむ』

万葉集の、山上憶良の長歌です。

瓜を食べても栗を食べても我が子のことを思い出す。遠くにいても目に浮かんで安眠もできない。という感じの歌。我が子を愛して止まない気持ちを歌っているのだそう。

この歌の『瓜食めば』や『栗食めば』の『食め』は、『食む』のことで、『はむ』と読んで『食べる』という意味。

なんでもこの言葉は、『歯』が動詞化した言葉だと考えられているのだとか。

サボる・メモる・ミスるみたいに外来語+るで動詞化するのと同じような感じでしょうか。

食べることを意味する言葉には、他にも『食う』がありますよね。

これは『くわえる』から転じた言葉なのだとか。するとこちらは略語的な感じなのでしょうか。

『食べる』そのものは『給う』から変化したもので、これはもとを辿れば宮中の女房詞なのだそう。

つまり『食べる』はかなりお上品な言葉だったらしく、下々のもは『食む』を使っていたのだそうです。

『食う』や『食む』より『食べる』の方がお上品な表現だというのは、まあ今でも同じですよね。

肉食動物は『食う』、草食動物は『食む』というイメージがあるのですが、僕だけでしょうか。

例えば『虎が肉を食う』、『牛が草をはむ』みたいなイメージなんですが…。

■■

さて…

〈ハタ科ハナダイ亜科ナガハナダイ属ハナゴイ Pseudanthias pascalus 19年7月2日 沖縄島崎山〉

画像は幼魚。

学名種小名は、意味不明。

『意味不明』という意味ではなく、意味が不明ということ。トウアカクマノミと同じパターンですね。

おそらく pascalis の誤植なのだとか。で pascalis はというと、『草をはむ』の意。

うーん、この学名でも意味がよく解らないのですけど…。

本種が食べるのは、カイアシ類・プランクトン・甲殻類の幼生・魚の卵などです。

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見る・視る・観る(キンギョハナダイ)

2018-12-31 19:06:51 | ハタ科

朝と夕方にどんより雨交じり…、という感じの空模様が続いてますやんばるです。

年が明けてもこんな感じが続きそう。

冷え込みはだいぶやわらぎ、風も弱まりつつあります。

風は北東。曇一時弱雨。

■■

人の情報入力の大部分は視覚からの入力なのだとか。大部分というのがどのくらいかというと諸説あって、80パーセントだとか83パーセントだとか87パーセントだとか…、とにかく8割から9割は目から情報を得ているわけです。

生物がいつ視覚的な能力を身につけたかは定かではないようですが、爆発的な進化を遂げたのは、約5億2000万年前のカンブリア紀なのだそう。

いわゆるカンブリア爆発と呼ばれる現象のなかで、目が生存に有利な機関として進化と多様化を進めたのだそう。

日本語で目を使う基本的な入力行為には、『見る』と『視る』と『観る』がありますね。

『見る』は物の形や色を感じたり、状態を判断したりすること。

『視る』は対象を注目して見る。対象物を認識すること。

『観る』は念を入れてものを見る。ぐるりを見回すこと。

といった感じの使い分けのよう。

水中では、まずは見て、次に視て、そして観る。という感じではないしょうか。

■■

というわけで…

〈ハタ科ハナダイ亜科ナガハナダイ属キンギョハナダイ Pseudanthias squamipinnis 18年12月3日 沖縄島安和〉

人間の場合には、目は非言語コミュニケーションの役割も大きく担っていますよね。

魚と見つめ合っても、知性を感じずにはいられません。

 

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色が褪せて綺麗になる(キンギョハナダイ)

2018-07-20 19:00:45 | ハタ科

台風10号が接近中の沖縄島です。

最接近は…、というか明日の午前中に沖縄島を横断しそうです。

久しぶりの直撃台風になりそう。

足早に去ってくれそうですが…。

風は北東。晴れときどき曇、ときどき雨。

■■

和金型、琉金型、出目金型、和蘭型、蘭鋳型、ピンポンパール型、等々。

上記は金魚の品種の型です。それぞれの型に、さらに細かな品種があるわけです。その数は100種類以上なのだとか。

金魚はこれからの季節、とても身近な存在になりますよね。お祭りや夜店の金魚すくいで。

ご存じかもしれませんが、金魚は鮒(フナ)の突然変異を観賞用に育種したもの。

そのスタートは鮒の突然変異である緋鮒(ヒブナ)なのだとか。

緋鮒とは突然変異で黒色色素を失い赤変した個体群。黄色素胞は有しているため、黄色やオレンジ色をしています。

これを改良した金魚も、孵化してからしばらくの間は鮒と同じく黒色をしているのだそう。

その後褪色現象と呼ばれる現象によって、徐々に赤い色などに変化していくのだとか。

色が褪せて綺麗な色彩になるって、何か不思議な感じがします。

原産国は中国で、室町時代に日本伝来し、江戸時代に日本での養殖が大々的に始まったのだそうです。

金魚は英語でゴールドフィッシュと呼ばれていて、学名種小名も auratus で、これは『金色の』という意味です。

つまり中国語の金魚が、そのまま世界中に広まったということのよう。

因みに金魚に学名をつけたのは、スウェーデンの生物学者カール・フォン・リンネです。

図鑑を開くと必ず学名が記載されていますが、その生物の学名を属名と種小名の2語のラテン語で表す二名法を体系づけたのは、このリンネです。

また界・門・綱・目・科・属・種という現在一般的に使われている階層的分類体系の基礎を作ったのも彼です。

これらの業績により、リンネは『分類学の父』と呼ばれています。

■■

さて…

〈ハタ科ハナダイ亜科ナガハナダイ属キンギョハナダイ Pseudanthias squamipinnis 18年6月8日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『 sqama 鱗+ pinna 鰭』の意.

背鰭3~10棘間の鰭膜は交互に棘先端付近まで鱗で被われることが、本種の特徴です。

 

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帯びる(アカハタ)

2018-04-06 19:50:00 | ハタ科

後半雨交じり…な本日のやんばるです。

午後の遅くに前線通過で風が廻りました。

というわけで明日は少しだけ季節が停滞する感じ…。

まあ、すぐに夏日な日々に戻りそうですけど。

風は南~南西、のち西~北西。晴れのち曇、そして雨。

■■

北欧神話には、『トール』という名の神がいます。

北欧神話最強の戦神で、雷神・農耕神でもあるのだとか。

燃えるような目と赤髪の大男で、稲妻を象徴する『ミョルニル』といわれるハンマーを武器に戦うのだそう。

なんだか『マイティー・ソー』みたいだな…と思ったら、マイティ・ソーのベースはこのトールなのだとか。

また彼は、腹に『メギンギョルズ』という帯を身に着けているのだそう。

これは〈力帯〉で、これを締めるとトールの神力が2倍になるのだとか。

所謂パワーアップアイテムですね。

帯といえば衣服というか装身具というイメージですが、その始まりは衣類自体より古く、そこに狩猟で用いる道具を挿していたのだそう。

そういう機能は武士の時代でもそうで、彼らは日本刀を帯に挿して携行していました。すなわち、刀を帯びていたわけです。

『帯びる』とは、『身体の最も近いところに置くこと、身に着けること』の意味です。

そして現在、僕らも侍のように常に帯びています。…電話を。

〈携帯電話〉の帯はまさにこの『帯びる』のことですよね。

まあ帯を締めてそに挿している、なんて人はそうそういないと思いますけど。

■■

さて…

〈ハタ科ハタ亜科マハタ属アカハタ Epinephelus fasciatus 18年3月2日 沖縄島安和〉

画像はまだ幼い個体。

学名種小名は『帯のある・帯状斑紋のある』の意。

体側に纏う濃赤色の横帯模様からでしょうね。

本種は隣接的雌雄同体(異時的雌雄同体)魚。そして雌性先熟の魚。つまり雌から雄に性転換する魚です。

この子はたぶんまだ女の子ですから、身に着けている帯は装身具のほうかなぁ…とか思えたり…。

 

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トリニク(カシワハナダイ)

2018-02-26 19:26:52 | ハタ科

朝はドンヨリでしたけど、時間と共に気持ちのいい青空になった本日のやんばるです。

風はヒンヤリでしたが、陽光のおかげで過ごしやすい一日になりました。

段段と日が長くなっているのを感じ、気温も温かくなっているのを感じるこの頃。

今週末は夏日になる予報になってたりします…。

風は北~北東。曇のち晴れ。

■■

『かしわ』と聞いて何が浮かびますか。

サッカーチームですか、植物ですか、それとも鶏肉ですか。

僕は京都出身でして、鶏肉のことは普通に『かしわ』と言ってましたし、むしろ『かしわ』としか言わなかったのですが、これが誰にでも通じる言葉ではないということを沖縄で暮らすようになって知りました。地域とジェネレーションとの二つの壁に阻まれて、通じないことがたびたびありましたから。

『かしわ』は本来鶏肉を指すのではなく、『羽毛が茶褐色の鶏』のことを指す言葉だったのだとか。つまり鶏の種類というか品種というかを指す言葉だったというわけ。

柏餅に使う柏の葉の色に似ていることが由来なのだそう。現在は『かしわ』のことを『黄鶏』と書きますが、これは当て字のよう。

また鶏肉を『かしわ』という別名で呼ぶのは、方言だけでなく隠語でもあるのだとか。

食肉を禁止されていた時代に、肉の名称を普通に呼ぶことが出来なかったので、植物に例えて呼んだのだそう。

『かしわ』以外にも猪肉なら『ぼたん』、鹿肉なら『もみじ』、馬肉なら『さくら』なんて隠語があります。

因みに上記の肉を、全部食べたことがありますか? 僕はあります。お肉全般大好きですから。

ところで、ここまでに『鶏肉』という漢字が何度か出てきましたが、これを何と読んでましたか?

『とりにく』と読んでました?

『鶏』という字は『けい』あるいは『にわとり』としか読めません。だから本当は『鶏肉』は『とりにく』とは読めません…でした。

しかし『鶏肉』を『とりにく』と読むことが浸透しているため、平成13年から14年にかけてマスコミ各社で話し合い、『鶏肉』を『とりにく』と読むことにしようと決めたのだそう。つまり『鶏肉』を『とりにく』と読むのは、放送用語なのだそうです。

■■

さて…

〈ハタ科ハナダイ亜科ナガハナダイ属カシワハナダイ Pseudanthias cooperi 18年1月25日 沖縄島安和〉

画像は雄個体。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

こちらは雌個体。

このポイントでの生息数が少ないせいなのか、1対1のペアで暮らしてます。

最初の質問に戻りましょう。『かしわ』から何を思い浮かべますか。

サッカーチーム、植物、それとも鶏肉?

本種の和名の『かしわ』は高知県柏島の『柏』だそうです。

 

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取り替え…(シロブチハタ)

2017-09-15 19:30:01 | ハタ科

ず~と18号の強風域から抜け出せない状態が続いてます沖縄島です。

夕方の台風情報によると、時速6キロだとか。

ジョギングで追い抜けますね…。

明後日まで強風域に入ったままになりそうな予報です。

長いなぁ……。

風は南。概ね曇。

■■

今年のイグ・ノーベル賞が14日に発表されました。

イグ・ノーベル賞とは、『人を笑わせ、そして考えさせてくれる研究』に与えられる賞です。

ノーベル賞のパロディですが、もちろんその研究内容は大真面目。

まあ、だからこそ笑ってしまうのですが…。

今年の生物学賞を受賞したのは日本人の研究チームで、〈トリカヘチャタテ〉の交尾に関する研究での受賞です。

チャタテムシの仲間であるこの虫は、なんと雌が〈ペニス〉のような生殖器官を持ち、それを使って交尾をするのだとか。

研究者はこの虫の生態を詳しく観察し、実際に雌雄の交尾器官が逆転して機能することを解明したのだそう。

『交尾するトリカヘチャタテ』で画像検索すると、その様子が確認できます。

まさに究極の〈肉食系女子〉…。

交尾時間は40~70時間だそうで、その間この体長約3ミリの虫の交尾をず~と観察していたのでしょうか。

その情熱がすごいと思えたり…。

和名の『トリカヘチャタテ』の『トリカヘ』は、男女の入れ替わりを描いた平安時代の古典『とりかへばや物語』から獲ったのだそうで、このセンスもいいなぁと思えたりも…。

■■

さて…

〈ハタ科ハタ亜科マハタ属シロブチハタ Epinephelus maculatus 17年8月8日 沖縄島新里〉

画像は幼魚。

ハタ科の多くが隣接的雌雄同体魚、すなわち性転換する魚です。

本種も雌性先熟(雌として成熟し、のちに雄に性転換)する魚なのだそう。

前述の〈トリカヘチャタテ〉ほどのインパクトはないかもしれませんが、こちらは自身のなかで性別を取り替えることのできる魚です。

哺乳類は性染色体によって性が決定されますが、性転換する魚たちは、その性染色体を持たないのだそうです。

■■

名前のほうは…

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

学名種小名は『斑点のある』の意。

体側に密に分布する眼形大の黒色円形斑の模様からでしょうか。

和名の『シロブチ』は漢字にすると『白縁』なのだそう。

黒色円形斑が網目状に白く縁取られているところからなのだとか。

幼魚のときほどよく目立つ白斑のこと、つまり『白い斑(ぶち)』からかと思っていたのですけど…。

 

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少しずつ…(ベニハナダイ)

2017-04-07 18:59:45 | ハタ科

早朝の雨の後は曇ベースの一日だったやんばるです。

でも南からの風はタップリと湿っていて、そのムシムシ感が気持ちよかったり…。

週末は夏日になりそうな予報です。

風はやや強めの南。曇。

■■

どのくらい昔の話なのかは知りませんが、男性が女性に口紅をプレゼントするときに、「少しずつ取り戻したい」という言葉が添えられた…なんていう時代があったのだとか。

この意味わかります?

女性がその口紅を引きますよね。そして男性とあることをすると、男性は口紅を少しずつ取り戻せるわけです。

まあ、つまりキスのことですよね。しかも何度もキスをしたいという意味ですよね。

ものすごく気障だと思いますけど、こういう表現のしかたってちょっといいなぁ…とか思えたりも。

現在は様々な色彩の口紅ですが、そもそもは紅色。

それはキク科の紅花で染めた鮮やかな赤色のこと。

また紅色は〈くれないいろ〉とも読みます。

日本では古来から染料として利用していた藍色を、色に関係なく染料の意味で〈藍〉と読んでいたのだそう。

くれないとは〈呉の藍〉、すなわち〈呉の染料〉という意味のよう。

呉の国、つまり中国から伝えられたようです。

原産地はエジプトだそうですから、ユーラシア大陸を横断して、日本に伝わったのでしょうか。

■■

さて…

〈ハタ科ハナダイ亜科ナガハナダイ属ベニハナダイ Pseudanthias sp. 17年3月7日 沖縄島安和〉

画像はまだ幼魚。

深所のハナダイなのですが、この個体は-18mで撮影しました。

幼魚だからでしょうか…。

学名種小名は、まだありません。

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

 

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not the flower but the …(ハナゴンベ)

2016-09-13 19:04:37 | ハタ科

中心気圧900hPaの猛烈な台風14号からなのか、少々うねりありな本日のやんばるです。

しかし空は青色。風は夏色。

暑気持ちいい~一日でした。

14号からのうねりは数日続きそう。

そして16号がとても気になる……。

風は東~南東。晴れ。

〈ハタ科ハナダイ亜科ハナゴンベ属ハナゴンベ Serranocirrhitus latus 16年7月28日 沖縄島ホーシュー〉

画像はやや幼い個体。

ハナゴンベのハナは〈花〉でしょうか。

それとも〈華〉でしょうか。

僕には〈華〉に思えたり…。

華やかあるいは華麗なという意味で。

つまり

not the flower but the splendid…

という感じかな。

まあ magnificent でもいいかなという気もしますが。

それに〈華〉という文字には妖しさやかぶいた印象もあったり。

つまりちょっと行き過ぎた華麗さ、という感じかな…。

まあハナダイ亜科の魚には、異様なほど綺麗な種が他にもたくさんいますけどね。

学名種小名は『幅の広い』の意。

きっと体高のことなのでしょうか。成魚は横から見ると、ほぼ卵型ですから。

発見から約30年間ゴンベ科に誤同定されていたのも、その辺りが一因になっていたのでしょうか。

そういう経歴もまた、かぶいている印象に加わっていたり…。

 

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小夏からの…(キハッソク)

2015-11-09 18:42:43 | ハタ科

昨日は立冬だったそうで…。

暦の上では冬が始まったようですが、ここ数日ポカポカを通り越して普通に暑い日が続いてますやんばるです。

まあ毎年立冬の頃は、沖縄島は移動性高気圧に覆われて暑くなったりしますから、立冬=戻り夏ってイメージだったり。

本日の前半もゆる~~い南風。日差しは強く海はベタ凪…。

いわゆる十月小夏(ジュウグヮチナチグワー)ってやつ。

ポイントのすぐ沖の方を、カヤックが軽やかに滑ってました。

後半は雨交じりになりましたが、それでもヒンヤリ感はなく…。

もっとも、小夏は今日までで明日は少々ヒンヤリしそうです。

風はゆるい南~南西のち北。晴れのち一時雨。

〈ハタ科ハタ亜科キハッソク属キハッソク Diploprion bifasciatum 15年9月18日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『二色の縞模様』の意。

確かに成魚は黄色と黒の縞模様。

画像の子はまだ縞模様を纏っていませんので、バイカラーって感じですが。

ところでこの学名を見たとき、わざわざ二色って言う必要あるのかなぁ、縞模様って二色の模様じゃないの、なんて思ってみたりしたのですが…。

よく考えたら、三色以上の縞模様もありますね。

例えば理髪店のサインポールなんかは三色縞模様ですもんね…。

あとふと思ったのですが、黄色と黒の縞模様って今もタイガースカラーとして通じますか…。

 

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流星群(ケラマハナダイ)

2015-10-21 18:26:35 | ハタ科

曇の予想に反して、十分な陽光を浴びられた本日のやんばるです。

台風24号は熱帯低気圧に変わりましたが、週末にかけて沖縄島の南の海上を大東島の方へと進むよう。

沖縄島への影響は、どうかな…。特にないような気が…。

南部の方はともかく、本部海域は今も台風の影響は受けてませんし、たぶん今後も影響は出ないと思われたり。

まあ、雨が降るくらいかな。

さて…

今夜はオリオン座流星群が極大を迎える夜なのだそう。

さっき空を見たらガッツリ曇ってましたが、流星観賞できるかなぁ…。

それ以前に眠気との戦いに負けそうですが…。

風は北東。晴れときどき曇。

〈ハタ科ハナダイ亜科ナガハナダイ属ケラマハナダイ Pseudanthias hypselosoma 15年9月7日 沖縄島安和グスク〉

画像は幼魚。

そして当然雌個体。雌性先熟ですから。

学名種小名は『高い身体』の意。

背が高いってこと、というか体高が高いってことでしょうね。

で、何より高い、あるいは誰より高いのか。

アカオビハナダイよりってことなのでしょうね。

本種とアカオビハナダイは隣り合う種。つまりは近似種。

二種の違いの一つに、側線下方横列鱗数というのがあって、本種は18~19、アカオビハナダイは16~17。

体高に関わる鱗の数が多いわけですから、自然体高も高くなるはず。

2枚分ですけど。

 

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陽光は溢れてます…(オオモンハタ)

2015-01-12 18:03:22 | ハタ科

連休最終日は少々風が強まったやんばるです。

ただ風向はよろしく、海はいい感じ。

連休を通して海況は上々でした。

何より、日差しがタップリタップリで…。

陸上も水中も、風景に陽光が溢れてる感じでした。

この季節は特に、水中が明るいほどありがたく感じたり…。

風は北東。晴天。

〈ハタ科ハタ亜科マハタ属オオモンハタ Epinephelus areolatus 14年12月18日 沖縄島安和湾奥〉

画像はまだ幼魚。

 

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