Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

太子が与えた称号(シノビイロウミウシ属の1種)

2022-05-31 20:14:01 | ウミウシ

昨日までと打って変わり、たっぷりと雨が降った本日のやんばるです。

ときどき雷の鳴音も聞こえたり…。

明日からも雨交じりな週間予報。

特に明日の夜から明後日にかけてはまたどっさりと降りそうな予報です。

風は西のち北東。雨。

■■

『しのび(忍)』

目立たないようにすること。隠れて人目を避けること。忍者の略。

戦国時代、多くの忍者が各地の大名の配下として敵地に潜入したのだとか。

そしてそこで情報を集めたり、破壊工作を行ったりもしたのだそう。

スパイ、あるいは特殊部隊って感じでしょうか。

『忍』という字は心に刃と書きますが、これは『心臓に刃物が突きつけられるような危機的な状況であっても動じずに冷静に考え、自分の意思を変えない強い心』という意味なのだとか。

そう江戸時代の忍術書に記されているのだそうです。

つまりミッションインポッシブルな感じですね…たぶん…。

忍の起源には諸説あるそうですが、一説によると聖徳太子に仕えた大伴細人(おおとものさびと)に太子が『志能便(しのび)』という称号を与えたのがはじまりだとされているのだとか。

聖徳太子に用いられ、飛鳥時代に活躍した日本で初めての忍者とされている人物なのだそう。

しかし実はこれは個人名ではなく、大伴家に仕えていた忍者集団の総称であるという意見もあるのだそうです。

ところで忍者といえば僕的には『カムイ外伝』ですが、今どきはカムイといえば『ゴールデン…』のイメージの方がマジョリティなんでしょうか…。

■■

さて、こちらのシノビは色彩豊かで目立っています…

〈イロウミウシ科シノビイロウミウシ属の1種 Thorunna sp. 22年3月21日 沖縄島安和〉

どう見ても忍んでいるようには見えません…。

 

 

 

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濃厚な牛乳(ヘリシロイロウミウシ)

2022-05-24 20:18:15 | ウミウシ

雨交じりの空模様でしたけど、風はほぼ無風…。で、気持ちのいい凪のコンディションだった本日のやんばるです。

明日以降も雨交じりな空模様が数日続きそう。

でも期間の後半には晴れアイコンが見られたり…。

気温も真夏日になるかも…的な感じになってます。

風は東~南東。雨が降ったり止んだり。

■■

企業にはそれぞれ『コーポレートカラー』なるものがあるのだとか。

企業イメージを印象づけるために使われている色のことなのだそう。

つまりある色またはある色の組み合わせを見ただけで、特定の企業を思い浮かべてしまうというもの。

例えばバイクメーカーのカワサキならライムグリーン。1960年代後半にアメリカでレース活動をする際にカワサキのマシンに採用された色ですが、ライムグリーンはアメリカでは不吉な色とされていたのだとか。あえてその色を採用することでカワサキのマシンを印象づける目的があったのだそう。その結果何度も勝利したカワサキのマシンは『グリーンモンスター』と呼ばれて畏怖されたのだそうです。

身近なところではコンビニ。例えば僕がほぼ毎日行くコンビニは青と白。こう言えばそれがどのコンビニかがパッとイメージ出来るのではないでしょうか。

青い看板に白いミルク缶が描かれているあのコンビニ…。そう、ローソンです。

ちなみにローソンはもともと牛乳屋さんだったのであの看板なのだとか。そして1939年にアメリカのオハイオ州に設立された際に取り付けられた看板の色が青だったのだそう。

これ、牛乳屋さんだから青だったのでしょうか。

心理補色というのがありまして、青い色を見つめたあとに白い色を見つめると、青の補色である黄色が残像として現れるのだとか。この黄色の補色残像が、白い牛乳を濃厚に見せる効果があるのだそうです。

今でも牛乳は青いパーケージの商品が多いのだそうですよ。

■■

さてこの黄色には何かの効果があるのでしょうか…

〈イロウミウシ科メレンゲウミウシ属ヘリシロイロウミウシ Ardeadoris angustolutea 22年3月21日 沖縄島安和〉

学名種小名は『細い黄色、幅の狭い黄色』の意。

外套膜最外周が薄い黄味を帯びています。

それならヘリキでは? とか思ってしまったり…。

 

 

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三矢の教え(シロタスキベラ)

2022-05-17 20:08:34 | ベラ科

ここ数日季節が停滞…というか後ずさりしてるやんばるです。

本日も北寄りの風で冷たい雨が…。

まあ、雨量は多くはなく風速も強くはなかったので、海のコンディションはまずまずでしたけど。

明日以降はまた気温が上がりそう。

雨交じりでも夏日の日が続きそうです。

風は北~北東。雨のち曇。

■■

『三本の矢』

何人もの人間が協力すれば、強い力を発揮出来るというたとえ。アベ※※クスの方ではありません。

戦国武将の毛利元就が、臨終の際に三人の息子を呼び授けたという教え。

息子たちに三本の矢を持ってこさせ、「一本一本の矢は細くても、一束にすれば折るのは難しくなる」と述べ、兄弟が力を合わせて行動するようにと遺言したのだとか。

もっともこれは史実ではなく、元就が書いた『三子教訓状』という文書がもととなった逸話なのだそう。

まあ、ありがちなことですね。

実際には息子の一人は元就より8年も早く亡くなっていて、元就の臨終に立ち会うことは不可能だったそうです。

ところで毛利元就は戦国時代一二を争う策略家だったのだとか。

中国地方の『桶狭間の戦い』といわれる『厳島の戦い』では、合戦の前から、そして合戦中にも数々の策略を繰り出し、下剋上を果たしたのだそう。

デマやスパイ等々の策略を駆使して、4千の戦力で3万の大軍に勝利したのだそうです。

前述の『三子教訓状』は重要文化財に指定されており、山口県の毛利博物館に所蔵されています。

■■

さて、策略といえば…

〈ベラ科カンムリベラ亜科シロタスキベラ属シロタスキベラ Hologymnosus doliatus 22年3月4日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

成魚とは体色・模様が違う変化型の幼魚です。

学名種小名は『詐欺、策略』の意。

どうしてこんな学名なんでしょう?

実は腹黒いやつなんでしょうか…。

 

 

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をとめ(キシマオトメウミウシ)

2022-05-10 19:49:02 | ウミウシ

雨も雨っぽさもない一日だった本日のやんばるです。

梅雨の中休み的な…。まあ、今日だけですけど。

明日からはまた雨交じりの日が続きそう。

一日中シトシトと降るような空模様ではない、いわゆる沖縄的梅雨空が続きそうです。

風は北西~北東。曇のち晴れ。

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『天津風 雲の通い路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ』

古今集の歌。

天の風よ、雲の道を閉ざしてくれ。乙女たちの舞い踊る姿をもうしばらくここに留めるために。って感じの歌です。

ここに出てくる乙女とは、宮中行事で踊る舞姫のことなのだとか。未婚の少女です。

この少女たちを天女に見立てている歌なのだそう。そのくらい美しい舞姿だったのでしょうか。

『乙女』には『年の若い女性、未婚の女性、少女』の他に、『宮中行事で五節の舞を舞う舞姫』の意味もあるのだそうです。

歌の作者は僧正遍照という人物。六歌仙の一人で出家する前の呼び名である『深草少将』のほうがピンとくるのではないでしょうか。

小野小町に恋をして花を持って通い続けたという伝説が残っていたりする人物です。

『乙女(おとめ)』はもともと『おとこ』の対義語だったのだとか。つまり『おとことおんな』ではなく『おとことおとめ』だったのだそう。

『おんな』は『おみな』が語源の言葉で、年配の女性を表し、対義語は『おきな』だったのだそう。

対して『おとこ(をとこ)』と『おとめ(をとめ)』は未婚の若い男女を意味したのだとか。

それがやがて男性一般を『おとこ』、女性一般を『おんな』というように変化したのだそう。

そして『おとめ』は、単に若いだけではなく汚れを知らない純真なイメージを伴うようになったのだそうです。

■■

さて、おとめといえば…

〈タテジマウミウシ科オトメウミウシ属キシマオトメウミウシ Dermatobranchus albus 22年3月4日 沖縄島安和〉

学名種小名は『白い』の意。

乙女といいつつ、実際は両性具有ですが…。

 

 

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だて(ミナミダテハゼ)

2022-05-03 20:46:17 | ハゼ科

GWの後半は、尻上がりに気持ちのいい空模様になる一日で始まったやんばるです。

風は少しヒンヤリしてましたけど、陽光とのバランスは丁度良い感じ。

ただ明日からはまた日差しの乏しい、あるいは雨交じりの日が続きそう…。

でもGW最後の週末は夏日を超える気温になりそうです。

風は北東。曇のち晴れ。

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『伊達』

意気や侠気をひけらかすこと。人目を引く派手な服装や振る舞いをすること。見栄を張ること。

好みがしゃれていること。考えがさばけていること。そしてこれらのさま。

一説によると、そもそもの語源は意気を示すこと、人目につくようにすることの意の『立つ』の連用形である『立て』からなのだとか。

そしてその行為を『だてをする』と言ったのだそう。

この『だて』に『伊達』の漢字があてられたのは、戦国時代の武将で奥州の独眼竜として有名な伊達政宗に由来しているのだとか。

秀吉に命じられた朝鮮出兵の際に、黒ベースに赤と金を配した戦装束に統一した軍を率いて京都の中心街を行進したのだそう。

それを見た京都の人たちが斬新でしゃれた格好だと感嘆して、『伊達者』という言葉が生まれたのだとか。まあ、これも一説ですが。

また正宗は秀吉に服従の挨拶をしたときも、死装束で面会したというエピソードが残っているのだそうで、これは『死んでもいい覚悟で服従します』というアピールらしく、でもまあ本当は死ぬつもりはなかったでしょうから、そういう演出力に長けた人物だったのかもしれません。

因みに大河ドラマの『独眼竜正宗』で、このシーンを見ました。とても印象的なシーンでした。

『伊達』は『豪華』、『華美』、『魅力的』、『見栄』、『粋』などを意味する用語でもあり、この辺りも伊達政宗に繋がっているのではないでしょうか。

■■

さて、当地の伊達者と言えば…

〈ハゼ科ハゼ亜科ダテハゼ属ミナミダテハゼ Amblyeleotris ogasawarensis 22年3月1日 沖縄島安和〉

学名種小名は『小笠原諸島の』の意。

タイプ産地が小笠原諸島父島二見港付近の海岸であることに因んでいます。

被写体としてはスルーされがちですけど、伊達者ですよね?

 

 

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