Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

四度目の…(ニシキフウライウオ)

2016-02-27 18:27:55 | カミソリウオ科

ドンヨリ系の空の色…。

空模様が下り坂だと気温が上がる…はずなんですが、意外と肌寒かった本日のやんばるです。

今日は旧暦1月20日。二十日正月でございます。

当地では四度目の正月。

終わり正月とも呼ばれ、正月飾りの残りを片付ける日なのだそう。

というわけで家を見渡してみましたが、特に何も残ってなかったり。

まあ、最初からほんの少ししか正月飾りをしてなかったですから…。

風は北東~東。曇。

〈カミソリウオ科カミソリウオ属ニシキフウライウオ Solenostmus paradoxus 16年1月15日 沖縄島安和湾奥〉

体の一部又はベースが透明あるいは半透明の生物は、そんなに多くはない印象です。

魚類の幼魚には多いですが、それは除いての話。

魚だけではなく、クラゲ類や蛙や蝶々にも美しい透明種がいたりはしますが…。

生物にとって透明であるということは、どんな戦略があるのでしょう。

例えば非捕食者の立場にある種にとっては、透明であることはある種の隠蔽擬態になりそうです。

捕食者の立場にある種にとっても、透明であることは攻撃擬態になりそう。

あれ? すると完全に透明な種は、攻めるにも守るにも有利なのでは。

ならば、自然淘汰で完全に透明な種が、もっともっと増えていてもいいはずなのではないでしょうか。

全身を完全な透明にするのは、難しいのでしょうか。

とれとも完全に透明だとかえって不都合なことってありますでしょうか。

真っ先に思いつくのは繁殖ですね。

完全に透明だと、自身の体の大きさや形の良さ、あるいは模様の見事さや色彩の鮮やかさをアピールできませんからね。

さて本種の模様の色彩には、赤系、黄系、黒系、茶系、などなどがありますが、地色が透明だと何系でも綺麗……。

性的二型な本種は、その綺麗さがペアリングのときの戦略に繋がっていたりするのでしょうか。

なんて、画像を見ながら思ってたり…。

 

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三度目の…(キツネベラ)

2016-02-23 18:38:26 | ベラ科

前半少し雨交じりでしたが、過ごしやすい暖かさっだ本日のやんばるです。

今日は十六日際(ジュールクニチー)。

グソー(あの世)の正月といわれ、新正月・旧正月に続いて、当地では三度目の正月行事ごとをする日。

お正月が三度もあるのか、と驚いてはいけません。

二十日正月(ハチカソーグヮチ)という四度目の正月もありますから…。

風は南西のち北西。雨のち曇。

〈ベラ科タキベラ亜科タキベラ属キツネベラ Bodianus bilunulatus 15年1月8日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『二つの新月』の意。

画像のような幼魚の黒い横帯が、成長とともに下の方から消えて上部に楕円黒班が残ります。

これが新月のことなのでしょうね。両側の尾丙部に黒い月を纏ったベラです。

さて…

月はご存じの通り地球の衛星。

地球の衛星は一つだけですけど、宇宙には二つ以上の衛星を持つ惑星がいくつもあります。

例えば木星は67個、土星は64個だったり。

試しに、『衛星が二つの惑星』というキーワードで検索してみると……

ヒットしたのは、地球でした。

なんでも2006年11月~2007年9月までの間に、太陽を公転している小惑星が地球接近時にその重力に捕らわれ、地球を3周しているのだとか。

つまり一時的に地球の衛星が二つになっていたというわけ。

この小惑星は、2028年に再び地球の一時的な衛星になる可能性があるのだそう。

10年前に地球の衛星が2個になってたときがあったなんて、全然知りませんでした。

 

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雨水(フタスジリュウキュウスズメダイ)

2016-02-19 20:35:22 | スズメダイ科

本日は二十四節気の雨水だそうで…。

雨水とは雪が雨に変わり、雪解けが始まる頃ということだとか。

まあここには解ける雪はありませんが、暖かい一日でした。

このあとは雨が降り、北風が強まり…というこの頃のお決まりのパターンになる予報。

ですが、春の気配はそこここに感じたり…するようなしないような…。

風は南東。曇。

〈スズメダイ科スズメダイ亜科ミスジリュウキュウスズメダイ属フタスジリュウキュウスズメダイ Dascyllus reticulatus 15年12月28日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『網目状の』の意。

成魚の体全体の網目模様からでしょうか。

本種の模様としては、二筋というか二本の帯の方が特徴的に思えますが、それは成長とともに不明瞭になるからでしょうか。

あと網目模様というとミツボシクロスズメダイの成魚も網目模様で、こちらも成長とともに三つの白斑は不明瞭になるのですが……。

ミツボシクロスズメダイの学名種小名は『三つの斑点のある』

例えば本種も、『二つの帯のある』 bifasciatus とか、『二つの線のある』 bilineatus とかいうようなのもあったような気も…したりしなかったり…。

 

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雨の後は…(ヒメハナギンチャク)

2016-02-16 18:25:49 | 水中生物

最低気温が11℃、最高気温が13℃、沖縄的真冬だった本日のやんばるです。

北風が吹き強烈に寒くなり、その後風が弱まると同時にやや暖かくなる。

さらには風が東~南東に変わって気温がぐぐっと上がり、と同時に雨交じりの空模様に。

で、雨が上がると北風が強まりまた寒~い日に…。

そんな感じが繰り返されてるこの頃。

ただ、この冬は寒暖の差がいつもより激しい気がしたり…。

風は北~北西。曇。

〈ハナギンチャク科Pachycerianthus属ヒメハナギンチャク Pachycerianthus magnus 15年12月28日 沖縄島安和〉

小さな小さなイカがいるのですが、わかりますでしょうか。

たぶん大きく育つイカの幼体で、ごく幼い一時期だけ、このヒメハナギンチャクに宿っているのではないでしょうか。

限定的な共生でしょうか。

イカの方には利益がありそうですが、ヒメハナギンチャクの方には……、特に利益はなさそうですね。

かといって害があるとも思えませんから、寄生ではなく片利共生といえるのかもしれません。

あるいは、寄り添い行動・随伴行動・併泳とかに近いのかも。

まあ、ヒメハナギンチャクは泳ぎ回ったりはしませんが。

巨大樹の足下で雨風を凌ぐような、そんな感じにも思えたり。

幼いイカにとっては、このヒメハナギンチャクはとても頼もしい存在なのかもしれません。

ヒメハナギンチャクの学名種小名は『巨大な・偉大な』ですから。

 

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四温中…(コンペイトウウミウシ&オレンジモウミウシ)

2016-02-12 18:33:49 | ウミウシ

雲は多いですが、青空も見えるし日差しもあり…、な本日のやんばるです。

そして風は南から。

湿った感じがとても気持ちいい…。

三寒四温の四温中なこの頃です。

明日はさらに暖かくなり、5月上旬並みの夏日になりそうな予報です。

風は強めの南東~南。曇ときどき晴れ。

〈ツヅレウミウシ科ヒオドシウミウシ属コンペイトウウミウシ Halgerda carlsoni 15年12月28日 沖縄島安和〉

学名種小名は…献名ですね。

和名のコンペイトウは、多数の背面突起を持つその形や、突起先端の橙色から金平糖に例えているということなのでしょうね。

しかし画像の個体は30ミリくらい。

さらに成長すると本種は70ミリに達するそうで、金平糖にしてはずいぶん大きいような…。

とか思いながら潜っていると……

〈ミドリアマモウミウシ科ミドリアマモウミウシ属オレンジモウミウシ Hermaea sp. 15年12月28日 沖縄島安和〉

実際の金平糖サイズのウミウシに出会ったり。

学名種小名のない本種の方が、コンペイトウにふさわしいようにも思えたり……。

もっとも、この画像は体を丸めてまして…

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

体を伸ばすと、金平糖っぽさはかなり薄れてしまいますが。

 

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全域0パーセント(キベリアカイロウミウシ)

2016-02-09 18:46:49 | ウミウシ

気持ちよすぎる空模様だった本日のやんばるです。

今日の降水確率が、沖縄島のみならず、沖縄地方全域で午前・午後を通して0パーセント。

ここまでの快晴は、1ヶ月ぶりなのだそう。

風もごく弱くて、海も凪…。

インターバルにはタップリの陽光で癒やされ、水中ではクジラのソングに癒やされ…って感じの一日でした。

風は弱い北。快晴。

〈イロウミウシ科レンゲウミウシ属キベリアカイロウミウシ Mexichromis pusilla 15年12月24日 沖縄島安和〉

学名種小名は『ごく小さい』の意。

前回のウルトラマンホヤ(通称)の種小名が『小さい』だった。

これはさらに小さいサイズを表す言葉なのでしょう。

もちろんウルトラマンホヤ(通称)よりもさらに小さいということではないですからね、念のため…。

では他のウミウシに比べてごく小さいということなのでしょうか。

例えば同属多種とか。

本種は18mmに達するのだそう。

他のレンゲウミウシ属と比べてどうだろうか。

例えばレンゲウミウシは、22ミリに達するのだそう。

あるいはクリヤイロウミウシは、29ミリに達するのだそう。

確かにごく小さそうです。

あ、でも本種は少し前まではキベリアカイロウミウシ属だったはず。

そしてそのときから種小名は変わっていないはず。

ではさかのぼって、そのときの同属多種と比べたらどうだろう。

例えばレムニスカータ(和名なし)は、15ミリに達するのだそう。

あるいはニタリイロウミウシは、10ミリに達するのだそう。

あら……、レンゲウミウシ属のくだりで止めておけばよかったかな……。

 

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立春過ぎましたけど…(ウミウシカクレエビ&ウルトラマンホヤ)

2016-02-05 18:59:34 | 水中生物

前線通過で、後半風が強まったりした本日のやんばるです。

暦の上では昨日からすでに春ですが、まあフツーに寒い一日でした。

このところ全然暖冬を感じられないなぁ…。

風は北東。雨、一時強雨。

〈テナガエビ科カクレエビ亜科ホンカクレエビ属ウミウシカクレエビ Periclimenes imperator 15年12月24日 沖縄島安和〉

『フォッフォッフォッ』

〈ヘンゲボヤ科ツツボヤ属ウルトラマンホヤ(通称) Clavelina diminuta 15年12月24日 沖縄島安和〉

『シュワッチ』

……

と、ここで終わってもよかったんですが…

ウルトラマンホヤの学名種小名は『二つの小さな』って感じかな。

diが数字の2を表す接頭辞で、minutaが小さなの意。

小さな穴(入水孔と出水孔)が二つありますが、関係ありますかね。

ところで、minutaはminute=『分』の語源。

ということは今風に考えるとこの種小名は『2分』ってことか。

あら、1分足りない…とか思ったり…。

 

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如月(ホシゴンベ)

2016-02-02 19:09:44 | ゴンベ科

2月に入ってヒンヤリした日が続いてますやんばるです。

雨交じりだったりも…。

水温は最強寒波のあと21℃まで下がりましたけど、また22℃を示すようになってます。

おそらくこの辺りがこの冬のボトムなのでしょうね。

もう、明後日には立春ですから…。

風は北東。曇ときどき雨。

〈ゴンベ科ホシゴンベ属ホシゴンベ Paracirrhites forsteri 15年12月24日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

唐突ですが、ホシゴンベの幼魚はバラハタの幼魚に似ているように思えるのです。

背面の赤色、腹部の白色、側面後半の黒色、その組み合わせが。

もちろん、見間違うとか同定に迷った、という経験はありませんけど。

ただ…

過去に枝状サンゴにちょこんと乗っかってるオキゴンベの幼魚を見つけたと思って、近づいてよ~く見たらユカタハタの幼魚だったという経験があります。

オキゴンベの幼魚が、背鰭をねかせてサンゴの隙間に潜んでるようにみえたのです。

あとコクハンアラの幼魚と、ノコギリハギあるいはシマキンチャクフグの模様も、そのパターンが類似してるように思えたりして。

何が言いたいかというと、これって擬態じゃないかなぁ…とか思ってみたり。

コクハンアラの例はちょっと置いとくとして……

ゴンベってうきぶくろを持たないじゃないですか。

だから、泳ぎ回らないじゃないですか。

すると他の魚がそんなに警戒せずに接近しやすいのじゃないかなぁ…とか思えて…

結果としてユカタハタやバラハタの幼魚が、獲物を狙いやすくなるのでは…と思えたわけです。

つまりこれは、ベッカム型擬態、すなわち攻撃擬態の1種ではないだろうかと…。

いつものように妄想ですけど。

 

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