Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

高貴な息女(ヒメクロイトハゼ)

2022-11-29 19:21:37 | ハゼ科

気持ちのいい青空、陽光サンサンで気温はもちろん夏日まで上昇した本日のやんばるです。

たっぷりと日差しを浴びて、ちょっと焼けたかも……。

しかし明日からは陽光の乏しい日々が続きそうです。

一日中雨というわけではなさそなので、雲間から日差しが見られるかもしれませんけど。

沖縄地方は10月中旬頃から長雨と日照不足が続いているのだそうです……。

風は南西。晴天。

■■

『姫』

皇室から公卿、将軍家、大名などの高貴な身分にあった人の息女に用いられた敬称。

あるいは小さく可愛らしいもの、乳児時代の自分の娘を指す場合にも用いられます。

『姫』はもともと中国の姓が由来なのだとか。

中国の姓は5000~6000年前が起源なのだそうで、その属する集落の名、あるいはその集落の長の名が起源だと思われるのだそう。

姓は母系を示すため、最も古い姓は部首に『女』を含むのだとか。

つまり『姫』も最も古い姓の一つというわけ。

その昔中国の姫姓の諸国では、王女・公女は『〇姫』と呼ばれたのだそう。

そのため後世では高貴な女性を『姫』と呼ぶようになったのだそうです。

ところで、本来『姫』という呼称には年齢の制限はなく、日本でも江戸時代までは高齢の者も姫と呼ばれていたのだとか。

しかし童話やファンタジー等の影響により、現在においては『姫』=『幼い・若い女性』というイメージが定着したのだそうです。

まあ確かに姫やプリンセスと言われて、おばあさんのイメージは浮かびませんね……。

■■

さてこちらは小さいを表す方の姫……

〈ハゼ科ハゼ亜科クロイトハゼ属ヒメクロイトハゼ Valenciennea parva 22年10月21日 沖縄島崎本部〉

学名種小名は『小さい』の意。

クロイトハゼよりは小さい種ということですね。

 

 

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衣に垂れ下がる飾り(シロブチハタ)

2022-11-22 19:48:57 | ハタ科

気持ちのいい青空で始まり、お昼過ぎにはちょうどいい曇り空になり、午後からはたっぷりの雨模様になった本日のやんばるです。

まあ風は南寄りで、気温は夏日でしたけど。

この先も日によってガラリと変わる空模様になりそう。

気温は夏日前後で推移しそうです。

風は南東~南。晴れのち曇、のち雨。

■■

『縁』

『えん』あるいは『ふち』あるいは『へり』あるいは『よる』あるいは『ゆかり』あるいは『えにし』あるいは『よすが』……

と様々な読み方が出来るこの漢字。

もともとは『ふち・へり』の意味だったのだとか。つまり物のまわりの部分。ふちどりしたりして他と区別出来るような周囲の部分のこと。

『縁』という漢字は『衣の周囲に垂れ下がる飾り』を表現したといわれているのだとか。

つくりの部分が頭の大きなブタを形どっていて、大きなブタほどお腹が膨らんでいるので、『垂れ下がる』という意味があるのだそう。

それに糸を組み合わせることによって、前述のような表現になったのだとか。

そしてこの衣と飾りの関係をとらえて、『つながり・めぐり合わせ・かかわり合い・結びつき』等を表す意味へと派生したのだそうです。

何だか、豊かで深い言葉に思えたり……。

■■

さてこの子の『ふち』は……

〈ハタ科ハタ亜科マハタ属シロブチハタ Epinephelus maculatus 22年10月21日 沖縄島安和〉

学名種小名は『斑点のある』の意。

この斑模様は眼径大の黒色円形斑のことで、和名のシロブチは『白斑』ではなく『白縁』なのだとか。

それは黒色円形斑の周りが白く縁取られて網目状になっていることに因んでいるそうです。

でも背部に目立つ白色斑もあるんですけどねぇ……。

 

 

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自身と真理(トモシビイトヒキベラ)

2022-11-15 19:34:47 | ベラ科

一日を通してドンヨリな曇り空だった本日のやんばるです。

気温もそんなに上がらず……。

まあ、風がゆるやかだったので、寒さは感じませんでしたけど。

明日も今日のような天気みたい。週末にかけても今一つスッキリと晴れないようです。

ただ明後日以降は夏日の予報になってますけど。

風は概ね北。曇、午後の遅くに一時雨。

■■

『灯火(ともしび)』

もちろん明かりのこと。

火を獲得した人類は、その熱を調理や暖房に利用する傍ら、火から発せられる光を暗い場所を照らす道具として利用しました。

その結果人類の活動空間や活動時間が飛躍的に広がったのだとか。

人類が初めて用いた灯火はおそらく焚火で、それは日本神話の天岩戸の場面にも登場するのだそう。

その後も数々の照明器具を生み出していき、仏教と共に大陸から輸入された蝋燭によって、携帯出来る明かりを手に入れました。

燭台や雪洞(ぼんぼり)、提灯などの灯火具により、蝋燭の灯火は手軽に携行出来るようになったのだそうです。

蝋燭って、最近使ったことあります? 僕はもう何年もないです。

ひょっとしたら仏壇くらいでしか今は使用しないのかも、とか思えたり。

仏壇に灯す蝋燭は『灯明』と呼ぶのだとか。

二本の蝋燭の一方は『自灯明』、もう一方は『法灯明』を表しているのだそう。というかそれなんですか? って感じですね。

『自灯明』は『自分自身を頼りにすること』、『法灯明』は『真理を頼りにすること』という意味があるのだそうです。

ところで今は火事の原因にならないように、仏壇用のLED蝋燭が販売されているのだとか。

仏様的にはLEDの灯明でも良いのでしょうか? 南無……。

■■

さて灯火といえば……

〈ベラ科モチノウオ亜科イトヒキベラ属トモシビイトヒキベラ Cirrhilabrus melanomarginaus 22年9月30日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『黒い縁取りのある』の意。

和名の由来である背鰭軟条部の鮮やかな朱色も、学名の由来である背鰭外縁部の暗色縦帯も共に成魚の特徴。

だからこの子はどちらも纏っていません。

 

 

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mating season(Kyonemichthys rumengani)

2022-11-08 20:41:38 | ヨウジウオ科

一日中ドンヨリ曇りな感じの予報でしたけど、案外青空あり、日差しありだった本日のやんばるです。

日が暮れてからも一部に雲が残ってましたけど、なんとか皆既の時刻には雲が晴れ、赤銅色の月も見られました。

明日明後日は雨交じりの空模様みたい。週末は晴れ空になりそうです。

風は北東。曇一時日差し。

■■

『mate』

メイトという英語には、友達、仲間といった意味があります。クラスメイトとか、チームメイトとか……。

でもこの言葉には別の意味もあります。それは『交尾の相手』という意味なのだとか。

あるいは動詞では『交尾する・繁殖する』という意味もあるのだそう。

というわけでこの言葉に『season』がくっついた『mating season』だと、繁殖するシーズンすなわち発情期、交尾期、繁殖期という意味になります。

2020年のブログで、キオネミクティス・ルメンガニィの交尾期について書きました。

〈ヨウジウオ科ヨウジウオ亜科Kyonemichthys属Kyonemichthys rumengani  22年9月24日 沖縄島安和〉

キオネミクティス・ルメンガニィは、この撮影ポイントでは年間を通して出会うことが出来ますし、ペア個体に出会うこともあり、卵保護個体に出会うこともあります。

でも2020年は9月後半から10月の前半にかけて劇的に出会う個体数が増えたので、この時期に交尾期があったのではないかと推測したわけです。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

しかし2021年には同じ時期(9月後半から10月前半)に、劇的に個体数が増加したという状況にはなりませんでした。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

だから、2020年が何か特別な状況だったのではないかと考え直したりもしました。

ところが……

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

今年2022年再び9月後半から10月前半にかけて出会う個体数が劇的に増えたのです。

その増え方も2020年とほぼ同じ感じに。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

やっぱり、キオネミクティス・ルメンガニィには交尾期があるのでしょうか。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

では何故去年は明確な個体数の増加を観察出来なかったのでしょう。

隔年で起こる現象なのでしょうか?

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

というわけで、来年の9月が待ち遠しかったりしています……。

 

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unknown……

2022-11-01 14:34:14 | 水中生物

朝から雨風ともに強めだった本日のやんばるです。

風は北寄りで気温も上がらず、肌寒~い一日でした。

週の後半にかけても雨交じりの空模様が続きそうですが、気温は上がりそうな予報です。

冬が近づいているのを感じたり……。

風は強めの北東。雨。

■■

「さっぱり分からない」

「実に面白い」

某ミステリー小説、それが映像化されたドラマや映画で主人公の准教授が言う定番のセリフ。

数十年ダイビングをしてきて、それなりに沢山の水中生物に出会ってきましたが、いまだによく分からない生物に出くわします。

分類学上のどのタクソンに属する生物なのか、あるいはもっとぼんやりとしたカテゴリーさえ分からない、まさにさっぱり分からない生物に。

〈22年9月24日 沖縄島安和〉

真横から撮った画像ですが、どっちが頭なのかもよく分かりません。

前後から長く触手のようなものを伸ばしているし、体の真ん中辺りにはウミウシの二次鰓に似たようなものが見受けられたり。

でも触角のようなものは見当たらず、全体的な形はヒラムシに似ていますけど、ヒラムシは前後に触手みたいなのは伸ばしませんよね……。

海岸動物図鑑を片手にこれでもないあれでもないと消去法で絞っていった結果……、気がついたら図鑑の最後のページ。つまりは分からず。

じつはこの生物に出会ったのは初めてではなく、記録によると2013年に一度出会っていました。

そのときに水棲無脊椎動物の研究者に問い合わせたのですが、結果は不明……。

しかし約十年前と今ではデジタルインフラが飛躍的に良くなっていますよね。

というわけで画像検索を……。

結果は、分からず……。思いつく限りのキーワードで検索かけてみましたけど……撃沈。

〈同個体 同日 同ポイント〉

いやもうホント、『さっぱり分からない』状態。

まあだからこそ、『実に面白い』わけなんですが。

 

 

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