Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

猿が食べた桃(ヒラタイミドリガイ)

2021-04-27 20:26:34 | ウミウシ

南寄りの風にしては少しヒンヤリ…と最初は思っていたのですが、時間と共に陽光が鋭くなるとその風が心地よく感じた本日のやんばるです。

ゴールデンなのかゴールデンじゃないのか微妙な感じのウィークが目前ですね。

期間の最初は雨交じりで始まりそうですが、その後は晴れ主体の日が続きそうな予報です。

ところで今夜はピンクムーンなのだそう。恋愛成就の満月なのだそうですよ。

風は南東。晴れ。

■■

中国神話に登場する最高位の女仙人の伝統的な聖誕祭を『蟠桃会』というのだとか。

聖誕祭、つまりはお誕生日会ですね。

この女仙人が主催する長寿と富貴を象徴する宴会で、招かれた神仙が集まって『蟠桃』を食する会なのだそう。

神話の中の蟠桃は、蟠桃園の3600本の桃の木に実っていて、手前の1200本は3000年に一度熟し、これを食べた者は仙人になれ、中ほどの1200本は6000年に一度熟し、これを食べた者は長生不老が得られ、奥の1200本は9000年に一度熟し、これを食べた者は天地のあらん限り生き永らえるとされているのだとか。

中国の古い物語にはこの蟠桃園の管理人に任じられた猿が、蟠桃会に招待されなかったことに腹を立て、蟠桃園の桃を盗み食いした上に蟠桃会で大暴れしたというエピソードがあったりします。

ピンときた方もおられるかも知れませんが、古い物語とは『西遊記』のことで、管理人の猿とは『孫悟空』のことです。悟空は蟠桃園の桃を食べ尽くしたそうですから、不老不死になったということでしょうか。

神話や物語の中だけではなく、実際に蟠桃という桃は売られています。

中国原産のこの桃は、その形がとても特徴的。普通の桃を押し潰したような平たい形をしているのです。

英語では『Donut peach』とも言うそうですが、確かにドーナツの形に似ているようにも見えます。

またドイツ語では『Plattpfirsich』と言うのだそう。これはそのものズバリ、『平たい桃』という意味なのだそうです。

ジューシーで甘~いお味なのだそうですよ。

■■

さて…

〈チドリミドリガイ科ササノハミドリガイ属ヒラタイミドリガイ Bosellia sp. 21年2月16日 沖縄島崎本部〉

その名の通り、扁平な本種には側足もないのだとか。

体のほぼ中央にある白色またはピンクの小斑紋が、なんともチャーミングなウミウシです。

 

 

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金運パワースポット(ゼニガタフシエラガイ)

2021-04-20 18:18:04 | ウミウシ

強い陽光と冷風のコラボレーションが絶妙で心地よかった本日のやんばるです。

南の海上の台風2号は北上を続けていて、現在は非常に強い勢力。

22日辺りから東寄りに進路を変えて、23~24日辺りが沖縄島に最も近づきそうな感じ…。

まあ当初の予想より離れたコースを進みそうで、23日には強い勢力になる模様。

海よりも空模様の方が影響が強そうで、22日は大雨の予報になってます。

風は北東のち東。晴れ。

■■

香川県には見るだけでお金に困らなくなるという金運パワースポットがあるのだとか。

それは香川県観音寺市の琴弾公園にある『銭形砂絵』というスポット。

砂で形作られた縦横約100メートルの『寛永通宝』、つまり江戸時代のお金です。

北大路欣也版『銭形平次』のタイトルバックとして僕は記憶していますけど、これはたぶん世代が違うと分からないですね…。

この『銭形砂絵』のいわれですが…

寛永10年(1633年)に藩主が領内を巡視したときに、村人たちが歓迎のために一夜にして作り上げたのだとか。

しかし寛永通宝が鋳造されたのは寛永13年(1636年)からであり、藩主が巡視したという事実もないのだそう。

つまり上記は一説であり、他にも諸説があって、もともとは違う銭貨であったものが作り替えられたとか、宇宙人によって作られた(信じるか信じないかはあなた次第です)とか…。

まあ、御利益があるならいわれはどんなものでもいいですけど…。

ところで銭形といえば、銭形平次より銭形警部を思い浮かべる方のほうが多いのでは。言わずと知れたルパン三世の宿敵です。

この銭形警部、設定では銭形平次の子孫となっていますけど、『銭形』という名前は、原作者のモンキーパンチ氏の故郷に生息する『ゼニガタアザラシ』が由来なのだそう。

つまり名前が先で、そこから設定が生まれたということのようです。

■■

さて…

〈フシエラガイ科ゼニガタフシエラガイ属ゼニガタフシエラガイ Pleurobranchus forskalii 21年2月16日 沖縄島崎本部〉

背面に白色や暗色の亀甲模様を纏う本種。

和名のゼニガタはその模様を穴あき銭に見立てたということなのでしょうか。

ちなみにこの画像、ウミウシカクレエビが見切れてたりします…。

 

 

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角鹿(ツルガチゴミノウミウシ)

2021-04-13 19:50:08 | ウミウシ

昨日から吹いている南風が湿った空気を運んできて、気持ちのいいムシムシ感になっているやんばるです。

今日は早朝の雨の後、ギンギラギンの陽光がさりげなさの欠片もないほど盛大に降り注ぎ、気温も夏日まで上昇しました。

6月並の陽気だったのだそうです。

明日は、というか今夜からまた北寄りの風になり、少し肌寒くなるかも…。

暖気と寒気が鬩ぎ合っているようで、今週はそれに合わせて気温も上下しそうな予報です。

風は南東のち南西。雨のち晴れ。

■■

『角鹿』

『つぬが』と読むのだそうです。

日本書紀には『都怒我阿羅斯等(つぬがあらひと)』なる古代朝鮮の人物が登場するのだとか。

この人物の額には角があったのだそう。角ってことは、この人物は鬼ですかね。しかし古代朝鮮の国の王子とも記されてるのだそうで、角は渡来人をシンボライズしたものでしょうか…?。

まあそれはともかくこの王子、天皇に仕えるために日本にやって来たとされているのだとか。で、その到着した日本の場所が『角額(つのぬか)』と名付けられたのだそう。

これはもちろん、都怒我阿羅斯等の『額に角』があったからです。その『角額』という地名は、やがて縮まって前述の『角鹿』になったのだとか。一音しか縮まってませんけど…。

さらにその後奈良時代になると、この『角鹿』が『敦賀(つるが)』に改められたのだそうです。

そうこれ、福井県敦賀市の地名の由来です。

敦賀駅前には都怒我阿羅斯等像が建てられているのですが、画像を見る限り角は見当たりません。

V字型の立物の両端が鋭く尖った兜を被ってはいますけど…。

角はどこに行ったのでしょう?

■■

さて…

〈ヨツスジミノウミウシ科トモエミノウミウシ属ツルガチゴミノウミウシ Favorinus tsuruganus 21年2月16日 沖縄島崎本部〉

学名種小名は『敦賀』の意。

1956年に敦賀湾水島で採集されたことに因んでいます。

大きなヒダが3枚ある黒色の触角が特徴的なウミウシです。

 

 

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イライラのいら(バラトゲミノウミウシ)

2021-04-06 20:15:58 | ウミウシ

北寄りの風が心地よく感じるくらいパワフルな陽光をたっぷり浴びられた本日のやんばるです。

今週はこの先も晴れ空が続きそうな予報です。

週末にかけては気温も上がっていきそうです…。

風は北。概ね晴れ。

■■

些細なことで、イライラしてしまうことってありますよね…。

ところでこの『イライラ』の『いら』って何ですか?

イライラする感じって、何か気持ちが掻き乱される感じですから、そういうことに関係するものなのでしょうか。

『イライラ』は漢字にすると『苛苛』ですが、『刺刺』とも書きます。

そう、『イライラ』の『いら』って『刺(トゲ)』のことなんだとか。

『いら』という言葉は古くからある言葉なのだそう。平安時代に書かれた、現存する最古の百科事典『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』にも草のトゲのことを『苛(いら)』と記載しているのだそう。

『苛苛』の意味には焦って心に余裕のないさま、思うようにならなくて感情が高ぶってくるさま、という意味もありますが、本来的には、トゲなどがたくさんでているさま、皮膚や粘膜にちくちくと繰り返し突かれるような小さい刺激やひりひりとしみるような刺激を感じるさま、という意味なのだとか。

うーん、これから苛苛するたびに、トゲトゲの植物を握っているイメージが浮かびそう…。

トゲのある植物といってすぐに思い浮かぶのは、バラではないでしょうか。

『綺麗なバラにはトゲがある』なんて西洋由来のことわざもありますし。

このトゲ、草食動物から身を守るためと考えられているのだとか。

そしてよく見るとバラのトゲは下向きに生えています。バラの原種の多くはつる性植物で、一人で立ち上がることが出来ないのだそう。それでこの下向きのトゲを周囲に引っかけて絡み、伸びていくのだそうです。

苛苛したときには、トゲの方ではなくバラのような花の方を思い浮かべれば、少しは落ち着くかも…。

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さて…

〈ヨツスジミノウミウシ科クセニアウミウシ属バラトゲミノウミウシ Phyllodesmium acanthorhinum 21年2月9日 沖縄島安和〉

学名種小名は『棘+サイ』って感じの意、かな…。

背側突起とその内部の中腸腺が綺麗なウミウシです。

 

 

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