Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

蜜源植物(レンゲウミウシ)

2022-04-26 20:23:19 | ウミウシ

強めの陽光に一時雨、南寄りの風と夏日の気温…。そんな日が続いているやんばるです。

6月並の陽気なのだとか。

梅雨の走り、というかもう初夏って感じです。

明日からGW前半にかけては雨交じりの空模様になりそうな予報。

沖縄の梅雨入りの平年値は5月10日。雨の季節が近づいているようです。

風はやや強めの南。概ね晴れ。

■■

『春の小川は、さらさら行くよ。岸のすみれや、れんげの花に♪』

なんて歌われるように、春はレンゲソウ(蓮華草)の季節ですね。

子供の頃、田植え前の田んぼがレンゲソウに覆われていた風景が記憶にあります。花から花にミツバチが飛び回ってました。

レンゲソウはマメ科の越年草で、蜂蜜の源になる蜜源植物なのだとか。その蜜はクセがなくとても親しみやすいのだそう。

レンゲソウは、その花の姿が蓮の花を連想させるとされ、蓮華草という日本名がついたのだとか。

蓮の花と睡蓮を指して『蓮華』といい、仏教と共に伝来して古くから使われた名前なのだそう。

蓮華は清らかさや聖性の象徴として称えられることが多く、幾つかの宗教でも聖なる花とされています。

例えば仏教では、阿弥陀経において極楽で蓮華が咲き誇る様が語られていることから、仏の象徴として多くの仏具に蓮華があしらわれています。

また『一蓮托生』という言葉はこの辺りの仏語が語源になっているのだそう。

ちなみに中華料理のスプーンみたいな『レンゲ』、正式名称は『散蓮華』というのだそうですが、散った蓮の花びらに似ているところから名付けられたのだとか。

これも日本特有の名称なのだそうです。

■■

さて、レンゲといえば…

〈イロウミウシ科レンゲウミウシ属レンゲウミウシ Mexichromis multituberculata 22年2月22日 沖縄島崎本部〉

学名種小名は『多くの小瘤がある』の意。

背面に先の尖った突起が多数あります。

 

 

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焼いたワイン(ダーベルウミウシ)

2022-04-19 20:03:06 | ウミウシ

午前中に雨が降り、その後もスッキリとしない空模様だった本日のやんばるです。

風は北寄りで、少し肌寒く感じたり…。

明日もスッキリしない空模様のようですが、風はゆるやかで気温も上がりそう。体感は今日よりずっと心地良くなりそうです。

その後もぐずついた天気の日が続きそうですが、気温は夏日以上で推移しそうです。

心地良くムシムシした感じになるのではないでしょうか…。

風は北。曇一時雨、のち曇。

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『ブランデー』

果実酒からつくった蒸留酒の総称。

主に白ブドウのワインを蒸留して樽に入れ、熟成して製造するのだとか。熟成期間を表す符号が用いられていて、よく知られているVSOPなら20~30年熟成させたもの。XOならば44~45年熟成させたものを指すのだそう。

短いもので3~4年、長いものだと70年熟成させるそうで、当然その熟成期間によって味もお値段も大きく違うのだとか。

ブランデーの語源はノルウェー語の『brandeviin』で、これは『焼いたワイン』の意なのだとか。それがオランダ語の『brandewijn』となり、これが英語で『brandy-wine』となり、やがて『wine』がとれて『brandy(ブランデー)』として広まったのだそう。

ブランデーと言えばブランデーグラス。グラスの底を手のひらで包み込むようにして揺らし、手の体温で温めながら香りとともに味わうのが良いとされているのだとか。

ただこれは香りが弱かった時代の名残で、現在のブランデーは温める必要はないとも言われているのだそうです。

前述の通りブランデーは熟成期間によってピンからキリまであります。

有名どころのヘネシーのXOやレミーマルタンのXOなどは手が出しにくいですが、ダーベルのXOなどの手頃な価格帯のブランデーもあります。

ダーベル兄弟社が販売している飲みやすい味わいのフレンチブランデーです。

おうち時間を楽しむにはもってこいかも…。

まあ、下戸の僕が言うのもなんですが…。

■■

で、ダーベルといえば…

〈ネコジタウミウシ科ツガルウミウシ属ダーベルウミウシ Trapania darvelli 22年2月22日 沖縄島崎本部〉

学名種小名は献名ですね。

もちろんダーベル兄弟社とは関係ありません。

あとブランデーとも関係ありません…。

 

 

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雅称は末摘花(ウスクレナイウミウシ)

2022-04-12 20:50:30 | ウミウシ

先週末から夏日が続いているやんばるです。

今日もときどきの曇り空が心地よく感じる日差しでした。

6月並の気温なのだとか…。

弱い風は少し湿っていて、それもまた心地よかったり。

まだ数日こんな日が続きそうな感じです…。

風は南東のち北東。晴れ、ときどき曇。

■■

『なつかしき 色ともなしに なににこの 末摘花を 袖にふりけむ』

源氏物語の主人公、光源氏が作中で詠んだ歌です。

「あれ? 俺なんでこの赤鼻の姫といたしちゃったのかなぁ…」

超訳すとこんな感じの歌。

亡き常陸宮の姫君(つまり皇族の姫君)の噂を聞いた18歳の光源氏は、『零落した悲劇の姫君』という幻想に憧れ、求愛し逢瀬を果たします。

ところがそのあとで姫君の顔を見た光源氏はびっくり…。というのも件の姫君は先の赤い大きく垂れ下がった鼻の、まあ有り体に言えば『不美人』だったのです。

というのが、源氏物語第6帖、『末摘花の巻』のあらすじ。

一見家柄以外に何の取り柄もないようで、でもとても純真な心の持ち主であるこの姫君の一途な思いに、結局光源氏は感動してしまいます。

そして光源氏と晩年まで添い遂げる妻の一人となります。

美男美女揃いの源氏物語の中では異色のキャラクターですが、こういうキャラクターが平穏な晩年を迎えられるところも、源氏物語の面白いところだと思えたり…。

『末摘花』とは光源氏がこの姫君につけたあだ名。

末摘花は紅(くれない)の雅称。紅とはベニバナ(紅花)の異名。

つまり『紅い花』と『紅い鼻』をかけたわけです…。

■■

紅色をくれない色と読むのは古い読み方で、近世以降はべに色と読むのだとか…

〈イロウミウシ科アデヤカイロウミウシ属ウスクレナイウミウシ Goniobranchus sp. 22年2月14日 沖縄島安和〉

薄紅(うすくれない)は、ややくすんだ紅色。

薄さの程度は、桃色に近い色から赤みの強い色まで幅広いのだそう。

画像はまだ幼い個体。

雅な色を纏ったウミウシです。

 

 

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フェルメール・ブルー(セナキルリスズメダイ)

2022-04-05 19:33:56 | スズメダイ科

先週末から一転、週が明けてから気持ちのいい青空の日が続いているやんばるです。

風はヒンヤリとしていますが、日差しがの鋭さの方が強く、寒さは感じません。

まだ数日この空模様が続きそう。

週末は雨交じりのようですが、気温は夏日になりそうな雰囲気です。

風は北東~東。晴れときどき曇。

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『ラピスラズリ』

ラズライトを主成分とし、複数の鉱物が加わった半貴石。しばしば黄鉄鉱の粒を含んで夜空のような輝きを持つのだとか。

ラピスラズリは人類に認知され、利用された鉱物として最古のものとされているのだそう。

古代から宝石として、また顔料のウルトラマリンの原料として珍重されてきました。

ラピスラズリはラテン語で、ラピスは『石』の意、ラズリは現在のアフガニスタン・イスラム共和国にある鉱山の古名なのだとか。

つまりこの鉱山が古代のほとんどのラピスラズリの原産地だったということ。日本では産出しません。

旧約聖書で、モーゼがシナイ山で神より授かったとされる『モーゼの十戒』が刻まれた石版は、ラピスラズリだといわれていたりするのだそう。

さすが最古の宝石…って感じですね。

日本ではラピスラズリは『瑠璃』と呼ばれ、仏教の七宝の一つとされ、仏典にも瑠璃の記述があったりするのだそう。

ラピスラズリを原料とした青色顔料である天然ウルトラマリンは、画家のヨハネス・フェルメールが多用し傑作を残したことから、『フェルメール・ブルー』と称されています。

■■

というわけで、この子の青もフェルメール・ブルー…

〈スズメダイ科ソラスズメダイ亜科ルリスズメダイ属セナキルリスズメダイ Chrysiptera starcki 22年2月7日 沖縄島安和〉

画像はまだ幼い個体。

学名種小名は献名ですね。

最古の宝石のブルーを纏う魚です。

 

 

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