Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

禁色(ウルマカエルアンコウ)

2021-09-14 20:27:56 | カエルアンコウ科

台風14号は遠ざかったところで停滞ぎみになり、まだその余韻がたっぷりと残っているやんばるです。

空模様もすっきりとしない感じです。明日もまだこんな感じが続きそう…。

週末までには空も海も良好な感じになるでしょうけど。

風はやや強めの南西。晴れたり曇ったり、一時雨だったり。

■■

『ふかきくれない』『こきくれない』『こきべに』

これらは漢字にすると全て同じ『深紅』になります。

もちろん普通はこの漢字は『しんく』と読みますね。

字を見て分かるとおり、『深紅』は赤系統の色。平安時代は貴族の着物の色として扱われていたのだとか。

『深紅』は紅花で染め上げる色なのだそうですが、1回の染色では桜色くらいにしか染まらないのだそうで、『深紅』に染め上げるためには12回以上染色しなければならなかったのだとか。

当然『深紅』に染め上げるためには大量の紅花が必要になり、平安時代には『深紅』の着物は贅沢品で貴族の特権と考えられていたのだそう。

そこで『禁色(きんじき)』とされ、身分の低い者は着用を許されない色であったのだそうです。

海外でも『深紅』は古くから王家や貴族に愛用されてきた色なのだとか。

もちろん染色が大変な贅沢品であったこともありますが、『深紅』が権威や崇高さのシンボルとして捉えられていたということもあるのだそうです。

神戸市を舞台にした稲垣足穂の短編『星を造る人』には、中心人物として稀代の魔術師が深紅のマスクつけて登場したりします。

このマスクの色に『深紅』が選ばれているのも、前述のシンボルに繋がるような意味があるのかもしれませんね…。

■■

深紅といえば…

〈カエルアンコウ科カエルアンコウ属ウルマカエルアンコウ Antennarius coccineus 21年7月12日 沖縄島安和〉

画像はまだ幼い個体。

学名種小名は『紅色の、深紅色の』の意。

学名を見る限り、タイプ標本は高貴な深紅色を纏っていたのでしょうね…。

 

 

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わざをき(ハナオコゼ)

2017-05-07 18:39:34 | カエルアンコウ科

前半は強雨を浴び、後半は鋭い日差しを浴びる…、そんな感じだった本日のやんばるです。

終わりよければすべてよし的な感じも…。

まあ、海は一日を通して凪でしたし。

立夏も過ぎて、そろそろ梅雨かなぁ…。

風は北東。雨のち晴天。

■■

『わざをき』という言葉をご存じでしょうか。

古事記や日本書紀を起源とする言葉で、のちにこの言葉にあてられた漢字が『俳優』なのだとか。

だから今でも『俳優』は、〈はいゆう〉だけでなく〈わざをき〉あるいは〈わざをぎ〉と読んだりもするのだそう。

滑稽な動きで神々や人々を楽しませる人のことを意味するのだとか。

そもそも『俳』一文字で役者を意味し、太古の昔には神事や祭事で仮面を付けて踊る人のことを指したのだそう。

芸能に関する言葉をさかのぼると、必ず神事・祭事に辿り着きますねぇ…。

現在の俳優さんも、役という仮面を付けて自分以外の存在になりきり、人々を楽しませる人…という感じですね。

■■

さて…

〈カエルアンコウ科ハナオコゼ属ハナオコゼ Histrio histrio 17年4月7日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

水面付近の流れ藻にくっついている印象の強い本種ですが、この個体は水深-15mの底面にいました。

以前にも似たような状態の個体に出会ったことがありますが、幼魚はこんな感じなのでしょうか。

この後、どういう過程を経て流れ藻に辿り着くのかな…。

■■

学名の意味に行く前に、その並びを…

属名と種小名が同じ綴りの繰り返し、つまり本種の学名はトートニムです。

例えばニシゴリラ(Gorilla gorilla)とか、アメリカバイソン(Bison bison)なんかがそう。

あるいはなんかすごく惜しい感のあるジュゴン(Dugong dugon)とかいうのも…。

トートニムって反復型オノマトペっぽくて、なんか好きなのです。

まあ、それだけです…。

■■

話を戻して…

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

学名種小名は『役者・俳優』の意。

この学名は、獲物を追跡する際の行動を表しているのだとか。

俳優のような追跡の仕方って、どんな感じですか…。

〈わざをき〉的な滑稽な動き?

〈俳〉が表す踊る動き?

 

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卯月(オオモンカエルアンコウ)

2012-04-02 17:54:01 | カエルアンコウ科

ややヒンヤリした週末が過ぎて、南寄りの風で暖かくなった本日の沖縄島です。

空模様も上々で、気持ちいい一日になりました。

あ、昨日ウソつくの忘れた……。

風は強めの南~南東。晴れのち曇。

120402

〈カエルアンコウ科カエルアンコウ属オオモンカエルアンコウ(Antennarius commersoni) 12年2月14日 沖縄島ホーシュー〉

大きすぎて……。

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青空続き(カエルアンコウ属未同定種)

2011-06-18 18:44:41 | カエルアンコウ科

青空から陽光サンサンな本日の沖縄島です。

というかこのところず~っとそんな感じですが…。

スコールにも出会わないなぁ…。

風は南。快晴。

110618

〈カエルアンコウ科カエルアンコウ属未同定種 11年4月26日 沖縄島山川〉

10円コイン大の幼魚です。

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タップリの陽光…(イロカエルアンコウ)

2010-03-11 18:28:49 | カエルアンコウ科

昨日はもう外に出るのをためらうような寒さでしたが、今日は陽光がタップリと降り注いだ沖縄島です。

数字的にはまだ気温は上がりきってないような感じですが、風は弱くて日差しは強く、体感的には気持ちいい気持ちいい…。

海はまだうねりが残ってますけど……。

風はゆる~い北北西。晴天。

100311

〈カエルアンコウ科カエルアンコウ属イロカエルアンコウ(Antennarius pictus) 10年1月21日 沖縄島新里〉

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春の嵐…(オオモンカエルアンコウ)

2009-02-13 18:05:25 | カエルアンコウ科

2月にして夏日になった本日の沖縄島です。

しかし、風が強い強い…。

各地で『春一番』が発表されてるようですが、沖縄もそうなんでしょうか。

風の陰になるポイントでコッテリ潜ってきましたが、エントリーエリアはキレイに凪いでるのに、リーフ外の沖に目を向けると海面が激しくささくれ立ってました。

ダイビング的にはなんの問題もなかったんですが、問題はダイビング後に……。

帰ってきたら、器材洗い場の水槽は吹っ飛ばされ、干し場のもの干し台はなぎ倒されてて…。

立て直して器材干しても、数分後にはまたなぎ倒され…。

せっかくいい天気なのにスーツ乾かせない。うう…。

強烈な南風。快晴の空。

090213

〈カエルアンコウ科カエルアンコウ属オオモンカエルアンコウ(Antennarius commersoni) 08年12月25日 沖縄島レッドビーチ〉

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イサリ…(イロカエルアンコウ)

2008-03-25 19:21:38 | カエルアンコウ科

ポカポカ陽気の沖縄島です。

夕焼け空も綺麗です。ってさっきまで眺めてました。

日が沈むとちょっと肌寒い感じ。日中は夏っぽくなってきましたが、朝晩はまだ…。

風もまだ安定してないし、季節の変わり目まっただ中なこの頃です。

海は凪。快晴。

080325

〈カエルアンコウ科カエルアンコウ属イロカエルアンコウ(Antennarius pictus) 08年2月7日 沖縄島レッドビーチ〉

標準和名がカエルアンコウに改名されるときに、『イサリウオ』ってのはどうか、なんて意見を目にしました。僕はすごくいいと思ったんですが…。

イサリは漁りのことで、エスカルアーを振って捕食する様が漁を連想するってことで。

それに科名、属名にAntenna(アンテナ:触覚)って言葉が入ってるってことは、エスカルアーが形態上の特徴ってことじゃあないのかなあ? カエルっぽい体型より。

もっとも、僕がイサリウオがいいなって思った一番の理由は、図鑑の名前の濁音の点々を修正ペンで消すだけで書き換えなくていいってところですが…。

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名称…(オオモンカエルアンコウ)

2007-08-21 18:46:41 | カエルアンコウ科

今一つスッキリしない天気の沖縄島です。また熱帯低気圧が発生してますし…。

ちょっと前ですが、水産庁の魚介類の名称のガイドラインのことがニュースになってました。

どんなのかっていうと…。

標準和名キアンコウは商品の種名にアンコウと記載しなさい、とか。標準和名ホッコクアカエビはアマエビと記載しなさい、とか。ハマグリ・チョウセンハマグリ・シナハマグリはすべてハマグリと記載しなさい、とか。メガイアワビ・クロアワビ・エゾアワビ・マダカアワビはすべてアワビと記載、とか……。

つまり標準和名だと一般消費者になじみがないので、わかるように表示しようということみたい。後半のやつは商品価値に差がないからということなんでしょう。

標準和名って一般的になじみがないんだ、ということにちょっとショックを感じたり…。

日常的に標準和名がすご~く気になる僕は、マイノリティーなんでしょうか?

まあでもキングサーモンの標準和名が『マスノスケ』だったことは知らなかったけど…。

海はうねりややあり。曇り時々晴れの空。

070821

〈カエルアンコウ科カエルアンコウ属オオモンカエルアンコウ(Antennarius commersoni) 07年7月25日 沖縄島ホーシュー〉

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