Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

賢い女性(トンガリハゼ属の1種)

2019-02-05 20:16:19 | ハゼ科

朝から一日中雨交じりの空模様だった本日のやんばるです。

冷たい雨のお正月になりました。そう、今日は旧正月です。

前線の影響ですっきりしない空模様が続いてますが、明日から少し暖かくなりそう。

立春も過ぎ、暦の上では春ですから…。

風は北東。雨が降ったり止んだり。

■■

世の中にはいろいろなものを蒐集する方がいるようで、イギリスには工事用のコーンを集めている人がいるのだとか。

工事用コーンとは、大抵は赤い色をした三角錐の道路に置かれてるあれです。そのイギリス人はこれまでに137種類のコーンを集めているのだそう。これは実に世界にあるコーンの種類の2/3にあたる種類数なのだとか。

するとコーンは世界中に約200種類あるということですか。というか200種類しかないんですね。意外と少ない印象だったり。

ところで魔女って、コーンによく似た形の帽子、とんがり帽子を被っていますよね。ハロウィンなんかで魔女に仮装するときには欠かせないアイテムだったり。

魔女ってどうしてとんがり帽子を被っているのでしょう。

あの帽子は、三角形の形が角を表しているのだとか。悪魔が山羊のような角を持っているので、その配下であるという意味のシンボルなのだそう。

あるいは、三角という形は魔術の象徴だったという説もあるのだとか。魔女を描写するときに神秘的なものであるというイメージを持たせるために画家が考えたのだそう。

どうもとんがり帽子は、魔女が宗教的に弾圧されたときからのもののよう。つまりそれまでの魔女は、とんがり帽子を被っていなかったようです。

本来の魔女は、薬草などに精通していて民間医療を行うことが出来た『賢い女性』のことを差していたのだとか。ヒーラー的な役割で、産婆的な役割も担っていたのだそう。

ただ出産を助けるだけでなく、生まれた子供が魔物に狙われないようにおまじないをしたり、死産の場合は浄化したりする、といった役割も担っていたのだそうです。

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科トンガリハゼ属の1種 Oplopomops sp. 18年12月17日 沖縄島安和グスク〉

学名の属名は、『武器』・『蓋』・『容貌』という三つが言葉がくっついて出来ています。

どうしてそんな風になったのかは知りませんが、『武器に蓋する容貌』などと繋げてみると、どこか抽象画か前衛アートの作品名みたいに思えてしまったり…。

 

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最小のトラ(カタボシオオモンハゼ)

2019-01-11 18:14:08 | ハゼ科

前半は雨交じり、後半はちらほら晴れ間…という感じだった本日のやんばるです。

後半は南寄りの風になり、過ごしやすい日になりました。

連休初日は今日みたいな感じの空模様のようですが、明後日からは気持ちよく晴れそうです。

風は北東のち南東。弱雨のち曇。

■■

世界で最も小さなトラは、スマトラトラというトラなのだとか。

スマトラトラというトラはトラの亜種で、現存する亜種の中では最も南に生息し、唯一島に生息しているトラでもあるのだそう。

その唯一の島というのは、名前からも分かるように、スマトラ島。インドネシアですね。

メルカトル図法の地図で見ると、スマトラ島は日本と同じくらいの大きさに見えますが、実際には本州の1.9倍の面積なんだとか。島がつくと小さいイメージが浮かんでしまいますが、本州の約2倍ですね。

ちなみに世界で6番目に大きな島なのだそう。う~ん、これはちょっと微妙。素直に「wow!」とは言いにくいな…と思えたりも。

そんな島の熱帯モンスーン林で暮らしているこのスマトラトラは、北方に生息しているアムールトラの雄が体長250~300cmであるのに対して、180cmくらい。アムールトラが300kg程になるのに対して、150kg程度なのだとか。

現在スマトラトラは、国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、絶滅危惧種(CR)としてレッドリストに指定されているのだそう。

その原因は、森林火災や製紙会社の森林伐採によって、スマトラトラの暮らす森林が減少していること。そして毛皮等のために毎年かなりの数のスマトラトラが密猟されていることによるのだそう。

スマトラトラをとらないで。

いやふざけているわけではなく、真面目にそう思うわけです。

■■

さて…

〈ハゼ科ゴビオネルス亜科オオモンハゼ属カタボシオオモンハゼ Gnatholepis cauerensis 18年12月3日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『Cauer 村の』の意。

本種のタイプ産地がスマトラ島南西岸にある Cauer 村であることに因んでいます。

 

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日本人の美意識(ヤツシハゼ)

2018-12-24 19:33:34 | ハゼ科

強めの北風に雨交じり、少し肌寒かった本日のやんばるです。

クリスマス気分が高まる天候…という感じかな。

ホワイトクリスマス、とまではなりませんでしたけど…。

エントリー時に、海水を温~く感じた一日でした。

風は北~北東。曇ときどき弱雨。

■■

『略す』『行儀をくずす』『常と違える』『姿をみすぼらしく変える』『擬装する』『化粧したり、身なりを飾る』

これらの全ての意味を、一つの言葉に置き換えることが出来るのだとか。その言葉は…

『やつし』

なのだそうです。ご存じですか? 日常的に使ったりしますか? まあ、僕はないです。

この言葉、日本の芸術の表現方法を表す言葉なのだとか。日本の文学・美術・芸能の随所に見ることができ、『やつしの美』とも呼ばれているのだそう。

例えば茶道。簡素簡略の境地である日本のわび茶、その精神は『やつし』にあるのだとか。

歌舞伎では、本来の高い身分を隠してみすぼらしい姿に零落し苦難や恋愛を乗り越える演目を『やつし事』というのだそう。

浮世絵では、古典を当世風にアレンジしたものの画題に『やつし』という語が含まれるのだとか。

『やつし』ってどんな美意識なのでしょう。

「かくまでやつしたれど、みにくくなどはあらで」

とこれは『虫めずる姫君』の一文。

「これほどまでにみすぼらしくしているが、見苦しいなどということはない」という意味なのだそう。

つまり姫君の美しさはどんなにみすぼらしい格好をしていても損なわれない、というようなことみたい。

簡素化したり、くずしたり、みすぼらしく変えたりして、あえて不完全なものにしてそこに美しさを見いだす美意識が『やつし』なのだそうです。

日本人特有のふるまいである『謙遜』も、あえて自分を不完全なように見せる『やつし』の美意識からきているのかもしれませんね。

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科ヤツシハゼ属ヤツシハゼ Vanderhorstia phaeosticta 18年11月22日 沖縄島湾奥〉

学名種小名は『灰色の斑の』の意。

派手さはないかもしれませんが、美しいハゼです。

 

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始まりは貝殻(ハタタテシノビハゼ)

2018-10-29 19:20:14 | ハゼ科

風は少しヒンヤリしていましたが、日差しは十分だった本日のやんばるです。

台風26号の影響か、海は少々うねりあり。

予想進路を見てると、この台風Uターンしそうな雰囲気ですが…。

まあ遠からず台風ではなくなるようですけど。

風は北東。晴天。

■■

世界の始まりをご存じですか?

世界は最初、全ての神々の祖先であるたった一人の神と彼が住む大きな貝殻だけでした。

つまりその貝殻が、世界の全てでした。

無限の時間が過ぎたあと、その神は殻を破って外に出て、「誰かいないか?」と尋ねました。もちろん誰も答えません。

神は貝殻の半分を高く高く持ち上げました。それは空になりました。残りの半分を砕くと、それは岩と砂になりました。

神が自分の背骨を引き出し岩の上に置くと、それは山脈になりました。背骨についていたあばら骨は、渓谷や断崖になりました。

神は内臓を引っ張りだし天に投げました。するとそれは白い雲になり、水を蓄え雨を降らせました。

そして筋肉を取り出し、それを使って大地を肥沃なものへと変え、動物や植物が育つようにしました。

脚や腕は大地を強固なものにし、手足の爪からは鱗や甲羅を持つ海の生き物ができました。

神は鳥の羽のようなものを纏っていましたが、その羽をむしり緑の植物を創りました。長い腸からは、エビやロブスターができました。

神の身体はほとんど空洞になってしまい、大量の血液が流れ出てしまいました。その血が朝焼けや夕焼けになり、一部は虹の赤になりました。

こうして、世界に豊穣と肥沃さがもたらされました。そして最後に、神は人間を創りました。

世界中に世界創世の神話がありますが、これはポリネシアの神話です。

この伝説によると、この世界は貝殻と一人の神の身体から出来ているわけです。

この神の名は、『タンガロア』といいます。

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科シノビハゼ属ハタタテシノビハゼ Ctenogobiops tangaroai 18年9月13日 沖縄島安和〉

学名種小名は『タンガロアの』の意。

世界を創ったハゼです…。

 

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ひともじ(ナンヨウミドリハゼ)

2018-09-07 18:48:22 | ハゼ科

強い日差しか強い雨…、メリハリがはっきりした空模様だった本日のやんばるです。

近海にまた熱帯低気圧が…。

今年はホントに多いなぁ…。まあ、海への影響はそんなになさそうですが。

当分の間、不安定な空模様が続きそうです。

風は南東。晴れ、一時雨。

■■

京都の哲学の道沿いには、法然院というお寺があるのだそう。そしてその門には『不許葷酒入山門』と書かれているのだとか。これは「葷酒山門に入るを許さず」ということわざで、「葷菜と酒は修行の妨げになるので、寺に持ち込んではならない」という意味。

お酒は分かるでしょうけど、葷菜ってどんなものか分かります?

葷菜とはニンニクやニラ、タマネギやラッキョウ、あるいはネギのこと。つまりくさい匂い、強い匂いのする野菜のことなのだとか。

そういう野菜は精力がつき心を乱すため、出家したものに対して食することを禁じていたのだそうです。

お坊さんには肉・魚やお酒以外に、食べてはいけない野菜というものもあったのですね。

ネギなんて昔から様々な効能があることが知られていたり、風邪や風邪の予防にも効果的な食材なのにだめなのですね。

昔のお坊さんは風邪をひいたらどうしてたのでしょうね。僕が幼少の頃は、普通に首にネギを巻かれましたけど…。

ネギにはアリシンという物質が含まれていて、揮発性の高いアリシンを吸引することで風邪の治療に効果があるのだとか。

もちろんそんなことは全く知らずに首に巻いていたのですが…。

ネギは別名『ひともじ』ともいうのだそう。

これは、女房言葉なのだとか。といっても現代の女房ではなく、平安から江戸時代の貴族に使えた女性達のこと。

女房言葉には、後に一般に使われるようになった言葉がいろいろとあって、『おかか(かつお節)』や『おなか(腹)』なんかも元々は女房言葉だったのだとか。

あるいは『しゃもじ(杓子)』や『きなこ(ダイズの粉)』もそうなのだそうです。

ネギは人によっては毎日でも口にする野菜ですが、それが葷菜というカテゴリーに属していたりとか、ひともじなんていう別名があったりとか、実は今まで知りませんでした。

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科イソハゼ属ナンヨウミドリハゼ Eviota prasina 18年7月24日 沖縄島新里〉

学名種小名は『ネギ色の、緑色の』の意。

ネギの緑ということは、萌葱色ということでしょうか。

画像の個体は分かりにくいですが、鮮やかな黄緑系の体色をしています。

 

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Herb Wine(アオイソハゼ)

2018-08-27 20:13:56 | ハゼ科

ギラギラの日差しで海は凪。良い感じだった本日のやんばるです。

南から吹く風が心地よくて、もう真夏は過ぎちゃったなぁ…、って感じたり。

しかし洋上ではまた新たな熱帯低気圧が発生してますね。

今年は本当に多いなぁ…。

風は南~南東。晴天。

■■

ヨーロッパのアルコールとしてはワインとビールが最も古く、ワインの醸造は6000年前のメソポタミア地方で開始されたとされているのだとか。

エジプトで発見された古代壁画にも、ぶどうの栽培などのワイン作りの工程が描かれていたり、酒壺の文字が残されているのだそう。

今では嗜好品ですが、ワイン等のアルコールは元々は薬としても用いられていたようですね。

赤ワインに含まれるポリフェノールには優れた抗酸化作用があるため、赤ワインを大量に摂取している南フランスでは、動脈硬化の患者が際立って少ないというデータもあるのだそうで、薬とまではいえなくても健康効果はあるようです。

話しは変わって、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンという人物をご存じでしょうか。

キリスト教ローマカトリック教会において、聖人のなかでも特に学識に優れた人物に送られる『教会博士』という称号を持つ修道女です。

約900年前の中世ドイツの人物で、神秘家でもあり、作曲家でもあり、預言者でもあったとされています。

そしてまた彼女は医学・薬草学に強く、ドイツ薬草学の祖とされています。

当時の修道院は祈りを捧げる場所であると同時に治療院としての役割も大きく、彼女は薬草(ハーブ)療法で様々な人々を助けたのだそうです。

薬草療法に使われるハーブはいろいろとあるようですが、ヒルデガルトだけが使ったとされるハーブが幾つかありまして、その一つにニガハッカというハーブがあります。

シソ科の多年草ハーブで、その名の通り薄荷の匂いのする花を咲かせるのだとか。

これを白ワインで煮て飲むと、喉のケアになるのだそう。

それだけでなく、ニガハッカは気管支や副鼻腔などの粘膜にも効果があるとされているのだそうで、何だかダイバーにはありがたいハーブのように思えたりも。

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科イソハゼ属アオイソハゼ Eviota prasites 18年7月24日 沖縄島新里〉

画像は幼魚。

学名種小名は『ニガハッカで匂いつけしたぶどう酒』の意。

何がどうなって、こんな学名がついたのでしょうか。

突拍子なさ過ぎて、いろいろな妄想を掻き立てられる学名ですよね…。

 

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だるまの色彩(クロダルマハゼ)

2018-08-03 19:30:05 | ハゼ科

ここ何日か不安定な空模様が続いてますやんばるです。

本日も早朝は雨交じり。

時間と共に陽光が降りそそぐ感じの一日になりました。

明日は灼熱で凪なコンディションになりそう。その後も基本的に晴れの日が続きそうです。

台風13号が発生してますね。

今のところ沖縄島には近づかないようですが…。

風は南。雨のち曇、のち晴れ。

■■

頭の中に『だるま』のイメージを浮かべたら、そのだるまは何色ですか?

きっと赤ではないでしょうか。

だるまが赤い理由は、仏教で位の高いお坊さんが着る法衣の色が赤い色だったからだそう。

だるまのモデルの達磨大師は赤い法衣を纏っていたのでしょうか。

あるいは、古から日本では赤は病よけの色、厄除けの色、魔除けの色と信じられていたからなのだとか。

まあ、縁起物に最適の色なのでしょうね。

つまりだるまが赤くなったのは日本でのことのよう。

中国から持ち込まれたときは黄色だったという説もあるのだとか。

しかしながら、昭和以降になると赤以外の色のだるまも製造されるようになったのだそう。

全国生産の80パーセントは、『高崎だるま』という群馬県高崎市で生産されているだるまが占めているのだそうですが、そのダルマには赤色の他にも14色の色彩バリエーションがあるのだそう。

その色彩にはそれぞれ意味があって、例えば赤ならば『家内安全・開運吉祥』、青ならば『学力向上・才能向上』、緑ならば『身体健勝・才能開花』等々。

そして、黒は『商売繁盛・事業繁栄』なのだそうです。

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科ダルマハゼ属クロダルマハゼ Paragobiodon melanosomus 18年6月21日 沖縄島新里〉

画像は幼魚。

学名種小名は『黒い体の』の意。

商売繁盛なハゼです。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

こちらはもっと幼魚な個体です。

 

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ちょっと残念な進化?(パンダダルマハゼ)

2018-06-22 19:28:00 | ハゼ科

ここ何日か南寄りの強い風が吹き続けてますやんばるです。

カーチバイ(夏至南風)と呼ばれる風で、梅雨の終わりに吹く風なので梅雨明けが秒読み段階に入っているのでしょう。

といっても、ここ数日雨らしい雨に出会ってませんので、僕的にはもう明けているのではないかと思えたり…。

風は強めの南~南西。晴れ。

■■

つい先日某アイドルグループの総選挙の結果が発表されたのだとか。

テレビで放送とかもされたのでしょうか。テレビがないのでよく解りませんが…。

それより少し前、今年の子どもの日に、『こどもの本総選挙』というブックランキングが発表されました。

これは12万人以上の小学生が投票したランキング結果なのだそうです。

ある意味、本当に優れた児童図書ランキングという気もしますが。何せ対象の読者が直接選んでいるわけですから。

夏休みの読書感想文なんかも、このランキングの本を対象本にすればいいのに…とか思えたり。

あの感想文の宿題が、とても面倒臭かった記憶が色濃く残っていたりするのですよねぇ…。

まあそれはともかく、一位に選ばれた本は、『ざんねんないきもの事典』という本でした。

タイトルの通り動物のちょっと残念な進化、というかちょっとお間抜けなポイントが、イラストと文章で紹介されるという本です。

この本、僕は以前から知ってましたが、この本が紹介されるときに必ずといっていいくらい取り上げられる動物がパンダ。

それは、『パンダが一日中食べ続けているササの葉にはじつはほとんど栄養がない』という章。

パンダはクマの仲間ですから、そもそもは雑食性で肉や果物も食べられるのですが、生存競争に負けてササくらいしか生えない高山で暮らすことになったというもの。その結果、消化の悪いササを一日かけて大量に食べなければなくなったのだとか。

これはつまりパンダの生存戦略なのでしょうけど、このように言われると、確かに残念に思えてしまいますね。

動物たちの特徴がとても分かりやすくて、小学生じゃなくても面白い本です。

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科ダルマハゼ属パンダダルマハゼ Paragobiodon lacunicolus 18年5月22日 沖縄島安和〉

ハナヤサイサンゴ属の狭い枝間を住処にする本種。

学名種小名も『隙間に住む』の意ですが、そうなったのも実はちょっと残念な進化の結果、とかだったりするのでしょうか。

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

僕にはペアで居心地良さそうに見えますけど…。

 

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八人の英国人(オキナワベニハゼ)

2018-06-18 19:12:46 | ハゼ科

雨の予報だったはずなのですが、見事に外れて日差したっぷりだった本日のやんばるです。

まあ、こういう外れ方は大歓迎ですが。

週間予報によると、今週は曇ときどき雨の一週間だそうですが、今日みたいな日が続けばいいのになぁ…。

風は南。晴れときどき曇。

■■

沖縄がまだ琉球国の頃、島の南の海でイギリスの船が遭難しました。そして乗組員のうちの8人が海岸に流れ着きます。島に上陸した彼らは洞窟を見つけ、そこでしばらく過ごすことにしました。するとそこに島の人々がやってきて、彼らと仲良くなりました。そして結局その8人はイギリスに帰ることなく、島に住み着くとになりました。

八人のイギリス人男性が住み着いたその地区のことは、英語で『eight man (エイトメン)』と呼ばれるようになりました。そして後にそれが、『イトマン』に変化したのだそうです。

とまあこれは、沖縄島南部の『糸満市』の地名の由来です。

もちろん事実かどうかは不明ですが、糸満市にはこのイギリス人たちが住んでいたという『ドンドンガマ』という洞窟があるのだとか。

この『ドンドン』は、『ロンドン』が変化したものなのだそう。するとこのイギリス人たちはロンドン出身だったのでしょうか。

1967年発行の沖縄のガイドブックにはこのことが記載されていたそうです。きっと昔から伝えられている説なのでしょうね。

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科ベニハゼ属オキナワベニハゼ Trimma okinawae 18年5月17日 沖縄島安和〉

まだ幼い個体。

学名種小名は『沖縄島の』の意。

タイプ産地が琉球列島沖縄島の糸満であることから。

■■

実は『イトマン』の由来はもう一つありまして…。

エジプト遠征中のナポレオン・ボナパルトが地中海でサバニに乗った漁師を発見し、「あれは何か?」と部下に問うたところ、「あれは East Man (イーストマン)でございます」と答えたのだとか。

それが変化して『イトマン』になったというもの。

つまりそのサバニの漁師は糸満から地中海に漁に行っていたという説。

こちらは何かスケールの大きさを感じる説ですね。

 

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tiger cub(トラノコイソハゼ)

2018-06-15 16:49:38 | ハゼ科

雨が降り続いてますやんばるです。

梅雨の後半特有の、断続的な激しい雨。

そして本日台風6号が発生しました。

予報によると、暴風域は伴わないようですが、明日の日中に沖縄島の西側海上を通過していきそうです。

風は南東のち南西。雨、ときに激しく。

■■

『スーパーカブ』と聞いて、「何それ?」という方はたぶんいないでしょう。

もちろんホンダのモーターサイクル、すなわちオートバイのことです。

1958年に生産が開始され、シリーズ累計生産台数が1億台を越えるという、イタリアの『ベスパ』と並ぶ世界的ロングセラーのバイクです。

僕もかなり以前に乗ってました。

その名前の『カブ』は、熊や虎などの猛獣の子供を意味する英語の『cub』に由来しているのだとか。

熊の子ならば "a bear cub" 、虎の子ならば "a tiger cub" というのだそう。

ところで『虎の子』という言葉には、『大切に持ち続けて手放さないもの。秘蔵の金品』という意味もあります。

『虎の子のへそくり』とか、『虎の子の財布』なんて使い方をするのだそう。

虎は自分の子を大事に守り、非常にかわいがって育てるといわれていることから、このような言葉が生まれたのだとか。

虎は雌のみで子育てをしますが、子供は生まれて2週間は目が見えず、その間母親は子供から離れないのだそう。

それからも1年半は母親と共に生活し、獲物の狩り方や食べ方を教わるのだとか。

そしてさらに、二才半までは母親の行動圏で共に暮らし、それから自分の行動圏を確保するために旅立つのだそう。

確かに、手厚く育てられているように思えますね。

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科イソハゼ属トラノコイソハゼ Eviota fasciola 18年5月17日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『小さな帯』の意。

頭部から尾丙部まで並ぶたくさんの赤褐色横帯のことでしょうか。

 

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丸い星(クロホシハゼ)

2018-06-01 18:09:25 | ハゼ科

一日中雨交じりだった本日のやんばるです。

やっと梅雨を感じられました。

数日は、沖縄近辺に梅雨前線が停滞しそうです。

風は北東。雨が降ったり止んだり。

■■

大相撲の対戦成績表のことを、『星取表』というのだとか。

勝敗と対戦相手を一覧にしたもので、本場所終了後に作成・発行され、翌場所の番付編成の基準にされるのだそう。

現存する最古の『星取表』は1761年のものだとかで、すると少なくとも257年前から使われていたということですね。

『星取表』というくらいですから、そこには星が書き込まれています。

つまり、勝ちを白丸で、負けを黒丸で表し、それぞれ白星・黒星と呼んだわけです。

何故勝ちが白で負けが黒なのかは、一説によると土俵上で負けると汚れるからだとか。つまり土がついて。

まあ、他にも諸説あるようですが。

星といわれてイメージするのは星型多角形ですよね。所謂五芒星というやつ。

星型多角形は定義的には、多角形の各辺を延長して得られた交点を結んだ図形のことをいうのだそうですが、五芒星はざっくりいうと五角形に三角形が五つくっついたやつですね。

でも『星取表』の白星・黒星は丸型。これはどうも星を表す星型記号は西洋から伝来したもので、それ以前は日本では星の形は丸と考えられていたのだそう。

まあ、実際に夜空の星は丸、というか点にしか見えませんから、感覚的には丸型のほうがしっくりくると思えたりもします。

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科イトヒキハゼ属クロホシハゼ Cryptocentrus nigrocellatus 18年4月19日 沖縄島安和〉

クマドリテッポウエビと共生中。

鰓蓋に大きな1黒色円形斑があり、これが和名の由来でしょうか。

日本風の丸型の星ですね。

学名種小名は、『黒い小さな目のある』の意。

するとこちらは鰓蓋の黒色斑ではないのでしょうか。

体側あるいは背面に並ぶ黒色斑点のことでしょうか。

どちらにしても黒星が並んでますから、負け越してるなぁ…とか思えたり。

 

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ぎなた読み(ベンケイハゼ)

2018-04-30 19:34:59 | ハゼ科

曇ベースですが、思ったより日差しも浴びられた本日のやんばるです。

風は南寄りで、曇っていても暖かな感じです。

海も凪続きで気持ちいい日が続いてます。

風は南東~南。曇ときどき晴れ。

■■

『ここではきものをぬいでください』

この文章については、ちょっと置いておいて…

『弁慶』といえば、『武蔵坊弁慶』ですよね。

僕的には、空海と並ぶくらい有名なお坊さんではないかと思えるのですが。

まあ、弁慶をお坊さんのカテゴリーに入れて良いのかどうかは微妙ですけど。

豪傑の代名詞で、源義経に最後まで仕えた従者…というイメージですが、これは『義経記』という軍記物語のなかの弁慶のイメージ。

あるいはこれをもとにしたテレビドラマや映画や漫画のなかの人物像なのだそう。

歴史書の『吾妻鏡』や史実をもとにした軍記物語の『平家物語』などでは、実は弁慶はその他大勢の一人なのだとか。

つまり僕たちが普通に思い浮かべる弁慶像は、義経を助けた何人かの人物が合成されて誇張されて伝説化したものということのようです。

それでも弁慶は魅力的な人物。そのせいか、僕たちの身近に弁慶に因む言葉がいくつもあります。

『内弁慶』や『弁慶の泣き所』とか、『立ち往生』も『弁慶の立ち往生』が由来だとか。

さらには『弁慶ぎなた式』とか…。

『弁慶ぎなた式』とは『ぎなた読み』ともいわれ、「弁慶が薙刀を持って刺し殺した」という文を「弁慶がな、ぎなたを持ってさ、し殺した」と区切りを間違えて読むこと。句読点の付け方や息継ぎの仕方で同じ文章が違う意味に変わることの例え。

で、冒頭の文章に…

『ここではきものをぬいでください』

この文章を

『ここで、履き物を脱いで下さい』と読みました?

それとも

『ここでは、着物を脱いで下さい』と読みました?

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科イレズミハゼ属ベンケイハゼ Priolepis cincta 18年3月22日 沖縄島安和グスク〉

学名種小名は『帯を締めた』の意。

頭から体全体にある明瞭な横帯のことなのでしょうね。

たくさん帯を締めてますね。

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

ところで、どの辺りが弁慶なのでしょう。

豪傑な性格なのでしょうか…。

 

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赤い星、黒い点(アカホシイソハゼ)

2018-04-02 19:19:07 | ハゼ科

空模様は気持ちよい青、海もまた気持ちよい凪。春爛漫な感じのやんばるです。

今日一緒に仕事したインストラクターが、

「年中こんな天気でいいのになぁ…」

としみじみと呟いてましたが、まさに同感です。

そんな日が続いてるこの頃です。

風は東~南東。晴天。

■■

夜空に見える赤い星は、全て高齢なのだとか。

星、すなわち恒星の色はその表面温度で決まり、赤色は4500K以下の温度の恒星なのだそう。

これは青色に比べて低温で、つまりエネルギーが弱く、出している光の量もより小さいのですが、恒星は高齢化すると巨大化する(太陽の数千~数百万倍)ので、そのために非常に明るく見えるのだとか。

逆にいうと、赤い星は高齢でないと見えないということ。

赤い星と言えば、オリオン座のベテルギウス。現在高齢化が進み膨張を続けているそうで、超新星爆発が近いのでは…といわれています。

もし超新星爆発すれば、人類が初めて経験する約640光年という近距離での超新星爆発になります。

まあ、640光年が近いという天文学の感覚が、なかなか実感出来なかったりもしますけど。

地球にどんな影響か出るのかはよく解らないようなので、見たいようなそうでないような…。

因みに1054年に地球から約7000光年の距離で起こった超新星爆発では、マイナス8等級前後まで輝いたという記録が残っているそうです。

赤い星とえば、他には火星。火星が赤いのは、その大地に含まれる酸化鉄のせいなのだとか。

火星といえば、NASAが月を周回する新たな宇宙ステーションを提案しているのだそうで、これは火星有人宇宙飛行へのステップなのだそう。

実現すれば今のISS(国際宇宙ステーション)より1000倍遠い位置の宇宙ステーションになるそうで、これは確かに宇宙ステーションだと思えたり。というのも、ISSと地球との距離は沖縄島と石垣島との距離ぐらいなので、僕的にはすごく近いイメージなのです。

赤い星といえば、さらには太陽。実際には四六時中赤く見えるわけではありませんが、太陽の色といえば赤ですよね。

『まっかに燃~えた 太陽だから~♪』からの影響でしょうか…。

ところで、太陽表面には黒い点のように見える『黒点』と呼ばれる部分がありますよね。

この部分、実際には黒くないのだとか。この部分も光を放っているのですが、周囲より弱い光なので黒く見えるのだそうです。

と、ここら辺りで画像に…

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科イソハゼ属アカホシイソハゼ Eviota melasma 18年3月2日 沖縄島安和〉

学名種小名は『黒い点』の意。

和名は赤い星。学名は黒い点。

というわけで、本種に出会ったら太陽を、さらには美空ひばりをイメージせずにはいられなかったり…。

『まっかに燃~えた♪』

 

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羽掃き(ニセクロスジイソハゼ)

2018-03-12 19:09:27 | ハゼ科

まずまずの青空。そして風はゆるく海は気持ちのいい凪だった本日のやんばるです。

気温の数字はそんなに高くなかったですが、陽光のおかげで体感は心地よい一日でした。

明日以降は数字的にも暖かくなりそうです。

風は北東~東。晴れ。

■■

太陽に近づいたとき、一時的な大気である物質が流出したテイルを生じる太陽系小天体のことを、『彗星』といいます。

そのテイル(尾)が伸びた姿から、日本語では『箒星』とも呼ばれています。

『ほうき』は『ははき』が変化したものなのだとか。『ははき』は『羽掃き』かららしく、古くは鳥の羽を用いたことからなのだそう。

つまり羽で掃くということですが、字面を見てると、だから箒で飛べるのか、とか思えたりも。

もちろん、魔女の話です。

魔女は箒で空を飛びますが、何故その飛ぶための道具が箒なのかということには諸説あるのだとか。

もっとも有力だとされる説は、幻覚症状説なのだそう。

LSDのような作用のある薬物を箒の柄に塗り、それにまたがることでトリップするという一種の新興宗教の儀式のようなことを、魔女と呼ばれた女性たちが集会でしていて、それが箒に乗って空を飛ぶ魔女のイメージになったというもの。

儀式の詳細は、”大人~”な感じなので書けませんが、つまり飛んでいたのは意識や精神ということでしょうか。

日本でも『古事記』に祭祀用の道具として箒が登場するそうですから、洋の東西を問わず、箒には儀式の道具としての役割も古くからあったのでしょうね。

あるいは掃除すなわち掃き清めるという行為も、今よりももっと儀式的だったのかも、とか思えたりもします。

また神聖なものであった箒は、跨いだり踏みつけたりすると罰が当たると考える風習が日本各地にあるのだとか。

西洋の魔女の起源は、旧約聖書に登場する悪女リリトとされているのだそう。そうすると箒に跨がる魔女は、悪い行いをする女ということで、この辺にも洋の東西の共通点があるように思えたり。

何にしても、箒ってかなり不思議なアイテムですよね。

今も小学校では、箒で教室の掃除をしてるのでしょうか。

それで箒に跨がって、ジャンプしてたりしてるのでしょうか…。

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科イソハゼ属ニセクロスジイソハゼ Eviota cometa 18年2月2日 沖縄島安和〉

学名種小名は『彗星、箒星』の意。

因みに、彗星の『彗』という漢字にも、『箒を持つ、掃く』という意味があるのだそうです。

ところで、本種のどの辺りが彗星なのでしょう。

体内の赤色縦帯を、尾を伸ばす彗星に見立てているのでしょうか。

つまり…赤い彗星……。

 

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アフリカ生まれの侍(セボシウミタケハゼ)

2018-01-19 19:53:14 | ハゼ科

一日中雨交じりの空模様だった本日のやんばるです。

厳しい寒さ…というほどの気温ではありませんでしたけど、陽光がないと体感が…。

明日も雨のようですが、海は気持ちよく凪いでます。

風は北東。雨。

■■

愛知県にある歴史博物館には、信長のデスマスクだと伝わるものが展示されているのだとか。

僕のイメージの中では、信長の最後は燃えさかる本能寺で炎に飲み込まれていく…、みたいな感じなのですが…。

今まで見た映画やドラマが、大抵そんな感じでしたから。もちろんこのデスマスクが、本当に信長のものかどうかははっきりしていません。

それはともかく、このデスマスクは弥助という家臣が持ち出した信長の首から作られたとされているのだそう。

この弥助は〈本能寺の変〉の際に本能寺に宿泊していて、明智軍と戦い生き残ったようなのですが、その後の消息は不明なのだとか。彼は信長に取り立てられた士分、すなわち正式な武士の身分だったのですが、アフリカ出身の黒人だったのだそう。

戦国時代に、海外出身力士ならぬ海外出身侍がいたとは知りませんでした。

しかもこの時代、日本に渡来した黒人は実は大勢いたと考えられているのだとかで、さらにびっくり。

そうそう、弥助の出身地はアフリカのモザンビーク島なのだそうです。

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科ウミショウブハゼ属セボシウミタケハゼ Pleuroicya mossambica 17年12月7日 沖縄島安和〉

学名種小名は『モザンビークの』の意。

弥助は、最終的に故郷に戻って日本の文化を伝えたのではないかと推測されたりもしていますが、それを証明する証拠は見つかっていません。

 

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