僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

麗(うら)らか

2010-05-30 23:57:28 | ことば
「春のうららの隅田川」は『花』という唱歌の歌いだしの一節ですが、「うらら」は「うらうら」の縮まった言い方で、「うららか」と言っても意味は同じです。

うらうらに照れる春日に雲雀あがり心かなしもひとりし思へば(万葉集)

「うらら」と「うららか」はいずれも空が晴れて春の日が柔らかくのどかに照っていて
遠くはぼんやりと霞んだ様子を言います。

現在は季節や時刻の制約なくこの言葉が使われますが、もとは暮れ難い春の日を意識して「うらうら」を用いたようです。

「うらうら」「うららか」共に美しい日本語です。