ゆれながらゆっくり花びらがほどけていく、
月下美人の開花は幻想的で素敵です。
夕暮れ時、大きく膨らんだ蕾、
白い花びらが少しゆるみ雌しべが見えてきました。
不思議なことに、この株についた4つの蕾が同時進行で開花していきます。
今年の花はひときわ大きい、満開です。
甘い香りが部屋いっぱいに。
この月下美人には思い出があります。
もう20年近く前、テニス合宿と称し仲間たちと岐阜の郡上を訪れた時のこと。
宗祇水近くの「そばの平甚」さん、
当時の主人は有名な方で、そばのうんちくを聞きながらの昼食でした。
お店の中に、天井に届きそうな大きい月下美人の鉢が置かれていました。
「あの大きい鉢、月下美人ですか?」と私、
「ああ月下美人だよ、花の写真もあるよ、その枝で簡単に増やせるよ」とご主人。
厚かましく伸びたシュートをいただいてきたのです。
挿し木から3年後、見事な花を咲かせてくれました。
株分けした友と「もうすぐ咲きそう」、「開き始めたよ」と大騒ぎしたものです。
数年間は月下美人に夢中になり、たくさんの株を増やしました。
簡単に育てられるのですが、寒さに弱いのです。
数年前、霜にあててダメにしてしまいました。
この株は、実家の母にあげていた月下美人から挿し木をしたものです。
平甚さんの月下美人のひ孫になりますね。
平甚さんの月下美人、今もあるのでしょうか?
ひと夜限りの花、明日の朝には悲しい姿になってしまいます。
明日、友人に見せてあげたいから切り取ってポリ袋で冷蔵保存です。
昔、こんな風にして会社の仲間に見せていたなぁ・・・