1年ほど前に家に届いた手紙です。
差出人の名前はありませんでした。
◇ ◇ ◇
前略ごめん下さいませ。
はじめてお便りさせて頂きます。
ワニのなつやすみNo69を読ませて頂き、
さとうさんの「失くしたものは…」に対し、憤りを感じます。
最後の3行 どういうことでしょうか。
偏見を持たれているのは、あなたではありませんか。
特別支援学級に対し、どういう意識を持っていらっしゃるのですか。
私の子供は特学に通っております。
特学の先生は真剣に一人一人の子供とむき合い、
個々に合わせた学習をすすめてくれています。
個々に合った…それは決して差別ではないと思います。
そして、普通級との交流、
(交流自体が差別に感じるかもしれませんが)
その中で培われていく、おたがいを認め合い愛しむ心など。
それは差別とはいえないと思うのですが…。
確かに能力のない教師がおどしに使うクラスかもしれません。
しかし普通級の子供達が知らないわけではないし、
そんなに嫌悪するクラスなのでしょうか。
特学を持った学校では、その学校なりに、認め合い、
わかり合う事の必要性を説いているのではないでしょうか。
私はあなたの無責任な発想とおもい込みに憤りを感じます。
あなたこそ、差別しているのですよ。
特学や障害児(者)を。
◇ ◇ ◇
手紙を読んでしばらくは、ひとつひとつ言いたいこと、
言い返したいことを考えたりもしました。
苛立ちや怒りの感情がわいてしまうこともありました。
でも、私の苛立ちや怒りは、「手紙をくれた人」に
向いているのではないと感じました。
それに、これを書いた人の立場、子どもへの思いや、
特学や交流への期待も分かります。
なにより、「あなたこそ、差別しているのですよ」
という言葉は、その通りでした。
だからこの一年、手紙を財布に入れてずっと持っていました。
私が本当に言いたいことが何かを確かめるため、
毎日一度は思い出すようにと財布に入れ、考え続けてきました。
(つづく)
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