わたしのものがたり 2010年2月13日
昨日12日は、「特色ある入学者選抜」の合格発表でした。
会の子どもたちは7人全員、不合格でした。
倍率は高く、難しいのは分かっていました。
一年前から私はそう言い続けてきました。
去年、5月の高校相談会で、私は次のように話しました。
「普通高校を受験すると、不合格になる場合もありますよね。
発表を見にいって、自分の番号がないと、
本人はショックを受けるんじゃないですか…」
《そうですね。一回で合格、というのはほとんどないですね。
自分の番号がないのは、それはショックだと思います。
辛いですよね。
だから、何度も何度も掲示板を確かめる子もいます。
何度も確かめて、ないって分かって帰りかけても、
校門からまた戻って、番号を探す子もいます。
『○○番あります』と、自分の番号をくり返す子もいます。
子どもにそういう思いをさせるのは、かわいそう、ですよね。
私も、そう感じます。
できればそんな思いをさせたくはないと、そう思います。
しかも、それまでに、本人が勉強できないことで、
傷ついたり、悩んだり、
学校に行けなくなったりしてきた姿を間近で見て、
寄り添ってきたのであれば、よけいに、
人生の一大事である大事な入試の場面で、
大勢の子どもたちが発表を見にきている中、
自分の番号がない、という場面は、
想像するだけで苦しくなりますよね。
でも…、子どもは立ち上がるんです。
だから、私も信じて、後押しできるんです。
子どもが倒れたままだったら、
私も、子どもの手をつかんで、
「ほら立ち上がって、もう一回がんばれ」とは言えません。
だけど、子どもたちが、立ち上がるんです。》
□ □ □
昨日、そのままのシーンが7回繰り返されるのを、
私たちは目の当たりにしてきました。
K高校を受験し、不合格になったMaiちゃんのお母さんは
県教委で次のように話しました。
《私は、倍率を見てムリかなーと思ったけど、
本人が「よくできた」と言うから…。
でも、掲示板を見てぼうぜんとしていました。
「お母さんないよ。」
「…」
「ないって、どういうこと?」
「番号がないってことだめだったんだね」
「わたし、こんなにがんばったのに」
「…」
「こんなにがんばったのに」
何度も繰り返しました。
「こんなにがんばったのに」
「こんなにがんばったのに」
何も言えないでいると、この子は自分から
「また次がんばるから」って。
「…」
「負けたくない。高校生になりたい。園芸の勉強したい」
それから、中学校に報告に行く車の中で言いました。
「お母さん、わたし、なんで落とされたのかわからない」
「…」
そして、はっと気付いたというように言いました。
「お母さん! 私がショウガイがあるから落とされたのかな~」
「…」
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